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高松加奈-23 [化け猫亭-10]

「加奈さんのサイト関係、賑わっているね。」
「はい、小夜が狙ってた形になって来ました。」
「狙ってた?」
「私も初めは分からなかったのですが、我が社や桜さんの会社、お客様方の会社は、勿論別組織、でも、私のサイトを通して協力関係に有るとアピール出来ていますでしょ。」
「そうか、CMの効果は加奈さんにとっても大きかった、さらに加奈さんを取り巻く環境をアピールする事で他のスポンサーと相乗効果か…、フォロワーの人数が増えてるのはその辺りも大きいという事なのかな。」
「うちのスタッフになりたいという問い合わせも増えていますし、趣旨を理解した上で家事を手伝って欲しいという声も寄せられています。」
「問い合わせに対応するだけでも大変そうだね。」
「でも、受付業務は在宅で出来ますので、子どもをあやしながらで良いのですよ、今はメールのみにしていますし。」
「派遣できるスタッフは、まだ素人レベルなんだろ。」
「はい、各自のスキルを…、そうですね、お客様方に見極めて頂きつつランク付けという事を考えています。
今は、正直に、素人の家政婦ですが真面目に家事のお手伝いをさせて頂きますと、お客様に伝える様、指示して有ります。」
「まあ、依頼して来る側も番組やサイトの記述から、その流れは理解してるだろうが料金面はどうなんだ?」
「ランクによって派遣料金設定をしていますが、さすがに素人ですので赤字になります。
ただ、一期の三人が中心になって、如何に効率良く子育てしながら各自のスキルを活かして会社の利益を出して行くかという事を、時には学生を交えて話し合っています。」
「ああ、それは加奈さんのサイト見たよ、でも、家政婦以外の企画はまだ先の事だろ。」
「サイトでは公表していませんが、店は確保済で今は内外装の工事中です。」
「飲食店?」
「はい、隣は安川さんがオーナーの店なのですよ。」
「そちらとはライバルになるのか?」
「いいえ、食事を終えてからそのまま輸入雑貨などを見て頂ける作りに、二つの店は繋がっているのです。」
「へ~、そっちはどんな感じなの?」
「高い塀で囲まれた建物で規則正しい生活を送って来られた方々が従業員になります、通販も考えておられ、幅広い人脈を最大限に活かして利益を上げ、養える人を増やすおつもりです。」
「そうか、ならば中村さんも関係しているのかな。」
「はい、ヒットしそうな商品を国内外から探しておられます。」
「私も何らかの形で貢献したいが、今はね…。」
「無理なさらないで下さい、お店のお客様になって下さるだけで充分ですよ。」
「そうだな、仕事が落ち着いたらゆっくり考えてみる、店のオープンは何時なの?」
「来月、CAT'S TAILスタッフに手伝って貰ってのオープンとなります。」
「そうか、学生にとっても良い経験になるかも知れないね。」
「サークル活動の延長みたいなもので、カップルも誕生しているのです。」
「楽しそうだな、それでCAT'S TAILスタッフと言う組織はどこまで成長するのかな?」
「少しずつ質を落としながらの拡大か、質を維持したまま別組織を立ち上げるか、桜さんは迷ってるそうです、今の所は質を落とさず拡大していますが。」
「悩ましいところだね、能力的に劣る学生にも成長の機会は必要だと考えているのだろ。」
「能力的というより人間性の問題ですが、これからの活動を考えると真面目な人だけの集団では弱いとも思っています。」
「組織を拡大して行く事になると…、そうだな、君の会社だって、シングルマザーと言っても色々な人がいるだろうし…、まあ、加奈さん達に注目が集り始めて、これからが本番という事かな。」
「はい、気持ちを引き締めています。」
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高松加奈-22 [化け猫亭-10]

「加奈さん、君のCM、凄く話題になってるね、坂田さんは大喜びしてたよ。」
「はは。」
「凄く自然な感じだったけど、あれは演技なのか?」
「まさか、演技なんて出来ません、あえて言うなら演出家の作戦勝ちですね。」
「どういう演出?」
「CMで使われたシーンは、撮影が終わったと思ってくつろいでいた時の映像なのです。
私が素人という事で色々考えて下さったみたいで。」
「成程、ネットの方も盛り上がっているが、色々大変じゃないのか?」
「ふふ、自称、僕さん達にお任せしてあります、流す情報は秘書に管理して貰う形です。」
「そうか、握手会みたいな企画は…、はは、する訳ないか。」
「自分が出過ぎない事で、私の価値が上がると小夜に言われていますし、女の子と握手をする為にお金を使う人の心理が分かりません。」
「君の僕達ならお金を払ってでも君と握手したいと思うぞ。」
「う~ん。」
「誰しもが自分好みの異性と付き合える訳ではないだろ、握手程度で発散出来るのなら問題ないさ。」
「そういうものですか。」
「そういうものさ、君は誰かのファンだったりしないの?」
「そうですね、イケメンアイドルは何か嘘くさくて…、知的な男性が好きです。」
「この前、放送された番組には男子学生で起業した人もいたよね。」
「いましたね、イベント企画会社とか…。」
「加奈さんとしては付き合いたくなる様な人達では無かったのかな。」
「はい、小夜とも話しているのですが、理系で才能有る人にマネジメント能力が無かったら残念だと思いませんか?」
「あっ、凄く良い商品を生み出せても販売能力が無ければ、という事だな。
苦手な事は人に任せれば良いのだが、その発想を持てずに埋もれて行くパターン、番組中、小夜ちゃんは正式に会社を立ち上げた訳では無いからか、あまり発言していなかった、本当はそういう話をして顧客を開拓したかったんじゃないのか?」
「ですね、ただ、まだ多くの顧客を抱えられる状態にはなっていませんので、そちらはネットで拡散して行くと思います。
でも、天才レベルとまでは行かなくても優秀な理系の男性と共同作業をしてみたいと、二人で話していまして。」
「顔やスタイルは気にしないのか?」
「嫌ですわ、ビジネスパートナーとしてですよ。」
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高松加奈-21 [化け猫亭-10]

「加奈さん、会社の創立に合わせて立ち上げたSNSとか、なかなかの勢いだね、しっかり見させて貰ってるよ。」
「有難う御座います、私は大した事をしていませんが、CAT'S TAILスタッフ中心に広めてくれて、スポンサーの方も喜んで下さってるみたいです。」
「知的美女が真面目に起業した訳だからな、私も知り合いに君の事業の事を紹介し易くなったよ。」
「そうですか、小夜はそういった事も考えてくれてたのですね、私は疎くて。」
「CM撮影の話、面白かったよ、僕の目線で告知というのが新鮮だね。」
「恥ずかしいです、そんなに偉そうにしてる訳では有りませんので。」
「分かってるって、CM映像の解禁は何時なの?」
「来週だと聞いています。」
「ついにメジャーデビューだな。」
「誰も知らない様な私がお茶を頂いてる映像で良いのかどうか、スポンサーの方にご迷惑をお掛けしなければ良いのですが…。」
「SNSで盛り上がっているから大丈夫だよ、学生達は大学のアイドルから枠を広げて行こうとしているのだろ。
CAT'S TAILでパフェを食べてる写真がUPされたら、CAT'S TAILの売り上げが直ぐに伸びたそうじゃないか。」
「店が身近だからでは無いですか、遠くの方は興味ないですよ。」
「う~ん、加奈さんが有名に成り過ぎたら、こうして話す事が出来なくなる、もっと活躍して欲しいとは思っているのだが…、微妙だな。」
「歌って踊る訳では無いのですから変わりませんよ。」
「いや、下手な歌を歌いながら魅力的でも無い踊りを踊る、そんな美形でもないアイドルより、加奈さんは人気者になる可能性を秘めていると思う、小夜ちゃんが総合演出なのだから楽しみだよ。」
「まだ、よく分かって無いのですが。」
「小夜ちゃんは化け猫亭のお客やCAT'S TAILスタッフと情報発信して行こうとしているだろ。」
「はい。」
「人に注目して貰うのに、加奈さんの清楚なお嬢様感が良いんだ。
小夜ちゃんも桜さんも美人だが、あのタイプは結構いる、加奈さんはお嬢様育ちだからか雰囲気が違うんだよ。」
「自分では分かりませんが。」
「芸能界を見ても君みたいなタイプはあまりいない、その辺りを小夜ちゃんは狙ってると思うよ。
普段通りの君でいてくれれば、周りが更に輝かせてくれるだろう。」
「少しドキドキなのです、今度は大学生起業のテーマでテレビ番組収録の予定が有りまして、桜さんや小夜が一緒とは言え、慣れない事ですので。」
「普段通り、化け猫亭で話してると思えば良いんだよ。」
「皆さんそう仰るのですが、所詮他人事ですものね。」
「はは、まあ頑張ってな。」
「はい。」
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高松加奈-20 [化け猫亭-09]

「加奈、スタッフの増員は進んでる?」
「ええ、伊藤さんに担当して貰って…、募集条件が悪くないそうで順調みたい、化け猫亭のお客様方から来ている家政婦の要望に対応して行けそうよ。」
「それで儲かりそうなの?」
「今は難しいわ、でも、大きな赤字は避けられそう、店舗の展開も計算してみたら安く済みそうだからね、もっともCAT'S TAILスタッフの存在が無かったら厳しかったでしょうが。
小夜は、安川さん達が新規事業を考えてみえるのは聞いた?」
「そんな話が有るの?」
「社会貢献を考えてみえるのよ、それで、店舗を構えるのなら近くでと話していてね。
近ければ、互いに協力出来るでしょ。」
「想定外ね。」
「そうなの? 小夜に影響されたと話して見えたけど。
弱者を養うための企業という発想が有っても良いって、小夜の言葉でしょ。」
「そんな事を言った気はする、でも、真に受けて起業まで考えて下さるとは思って無かった。」
「力は有っても、収入を増やす事に熱心で無かった人達に目標を作ったのよ。
もう一度自分の力を試したいと、安川さんの奥さんは話してたわ。
資金も力も有る人達が、弱者の為になる事業を展開、勿論CAT'S TAILスタッフやうちのスタッフも係わって、化け猫クラブも動くしね。」
「加奈は凄いな。」
「えっ?」
「私が化け猫亭のスタッフになった頃は…、そうね皆さん真面目な方ばかりでは有ったけど、そこまで社会貢献に対して積極的では無かったと思う、加奈が思い切った提案を皆さんにぶつけた事で、皆さんが考えて下さり、桜さんの事業も動き易くなったと思うの。」
「私は小夜に影響されて…、一般企業に就職するより楽しそうというぐらいなのだけど。」
「加奈はお嬢さまと言う立場を最大限に活かしている、でね。」
「あっ、私を利用するつもりなのね。」
「その、感の良さが…、おじさま方なら全然気づかないのに。
これからマスメディアにも登場して行く訳でしょ、そのついでみたいな形で手伝って欲しい。」
「何を?」
「大した事では無いのだけど、社長令嬢って肩書を持つ友人は加奈しかいないって事。
番組の中で加奈からの情報発信も出来るからね。」
「テレビ?」
「そうでは無いのだけど、ネット上に降臨して信者を増やして欲しいの。」
「それで?」
「知名度が上がれば色々メリットが有るでしょ、収入源にもなるし。」
「う~ん、知名度を上げる事は考えてなかったな。」
「これからマスコミに取り上げられる様になるのだから覚悟は出来てるでしょ。」
「そうね、分かったわ、私は何をすれば良いの?」
「お客様の商品を身に着けたりして、写真や動画に登場してくれれば良いわ、他はスタッフが全部やるから、スポンサーからの報酬が有るから、加奈の会社の一部門という事でどう?」
「真面目にやると更に利益が上がるのかな?」
「ええ。」
「スタッフの給料はこちらで持てば良いのね、組織は? 正社員も雇うの?」
「スタートはCAT'S TAILスタッフにお任せしておいて、加奈が雇うスタッフに出来そうな人がいたら順次交代で良いでしょ。
ウエブページ担当、動画担当、写真担当、SNS担当みたいな形で行くけど、文章は貴女の僕が書くから心配しないでね。」
「僕?」
「うちの大学のCAT'S TAILスタッフは喜んで僕になるそうよ、奴隷でも良いって、私達、学内では有名人みたいなの、加奈の隠れファンは少なく無いのよ。」
「う~ん、少し複雑だわ…。」
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高松加奈-19 [化け猫亭-09]

「安川さん、今日はお一人ですか?」
「旦那は後から来るのよ、鈴江ちゃん、大学生活は変わりない?」
「はい、安川さんにご報告出来る事件も無くて残念なぐらいです。」
「彼氏も見つかってないの?」
「私は容姿が良い訳では有りませんので…。」
「何言ってんのよ、女は愛嬌、化け猫亭のスタッフになってるって事は魅力的な女性だと認められてる証拠だから自信を持ちなさい。」
「ですが、小夜さんや加奈さん桜さんの美しさは…。」
「張り合わなくて良いのよ、貴女には貴女の良さが有るでしょ。
鈴江ちゃんにとって、今ホットな話題は何?」
「そうですね、加奈さんの、あっ、安川さんのお宅で、家政婦を雇う話はどうなりましたか?」
「先日、加奈のスタッフに来て貰ったわ、家政婦としての経験は浅いけど真面目な人、一緒に家事をしながら沢山お話しが出来て楽しかった。
加奈は家政婦としてでは無く会社のメインスタッフにしようと考えてるみたいで、そういう話も沢山したのよ。」
「家政婦さんって私には良く分からないのですが。」
「そうね、小夜や加奈と出会ってから、サービスの価値を考えていてね、日本では人に何かして貰う事に対する評価が低かったと思うのよ。
特に若い女性の仕事に対して評価が低かった、介護や保育の現場は少しマシになっては来たものの、まだまだでしょ。」
「はい、職業としての社会福祉という視点で調べた事が有りますが、善意にだけ頼って来た歴史が有ります。」
「うちは贅沢して来なかったし、子ども達も独り立ちした、それで家計を見直したら加奈のスタッフに来て貰うぐらいの余裕は充分有る、ならば社会的弱者になりかねない人にまともな給料を支払って、暮らしの質を上げても良いと思ったのよ。」
「では、これからも家政婦さんをお願いするのですね。」
「ええ、話し相手がいない訳では無いけど、一応お金を払って来て貰ってるという気安さが有って、変な見栄を張る必要は無いし、今後の事はまだ調整中だけど。」
「問題点は見えていませんか?」
「そうね、世の中の高額所得者がもっと人にお金を使って欲しいと思うけど、家政婦に関しては、パワハラ、セクハラが心配、後、家政婦としての能力は経験がものをいうから、若い人のスキルアップかしら。」
「あっ、お金持ちがどうお金を使うか…、テレビ番組で高価な物を所持している事を自慢する社長さんを目にしますが…。」
「成金でお金の使い方が分かって無いのでしょうね。
うちは、今まで充分な収入が有ったから、それ以上を考えて無かったけど、加奈に触発されてね、旦那と二人で、そうね、お金儲けして貧困層の子を養うぐらいの事を考えているのよ。」
「えっ。」
「世界中の大金持ちが、何人の人を養っているか競い合ったら、貧富の差なんてあっと言う間に解消すると思わない?」
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高松加奈-18 [化け猫亭-09]

「加奈さん、桜さん達と俺達の合宿所予定地を見に行ったのだろ、どうだった?」
「宿泊施設は合宿所なのですか?」
「ああ、多目的な利用を意識しているからね。」
「普通の田舎でしたが。」
「田舎は何処も人口の減少が進んでいるだろ、減少に歯止めを掛けるには都市部に住む人が考え動かないと無理だと言うのが化け猫クラブが出した結論なんだ。」
「結論は分かりますが、化け猫クラブは、初めて聞きました。」
「化け猫亭の客の中で、桜さん主導の企画に賛同してお金を出す個人の集まりさ、加奈さんへの支援は企業だから、ちょっと違うんだよ。」
「皆さんがお金を出し合って田舎に投資する、という事ですか?」
「投資というか、自分達の手でもう一つの故郷、住み易い故郷を作ってみようという実験なんだ。
家庭菜園やお花畑の手入れを老後の楽しみに考えてる人もいてね。
隣人が化け猫亭の客なら安心だろ。
化け猫クラブのメンバーはもう五十人ぐらいになっているんだよ。」
「五十人ですか。」
「ここへはたまにしか来ない奴も、面白そうだからと乗ってくれてね。」
「桜さんからお聞きした合宿所の規模で大丈夫なのですか?」
「良い環境を整える事に成功したら拡大して行くよ。
まずは、仕事を引退した人が宿泊して菜園の維持管理、うちの親は楽しみにしているんだ。
休日は現役世代と入れ替わるから、皆が色々体験出来るだろう。
土地が安いからと近くの土地を購入しようかと考えてるメンバーもいてね、ただ、老人ばかりが増えては駄目だろ。
だから、家政婦を雇う事を考えているのさ、子持ちのね。」
「分かりました、でも再婚希望の人は送り込みにくいです。」
「それなりに出会いの機会を作って行くさ、日帰り出来る所だから、まあ、仕事ぶりが良ければの話だがな。」
「暫くは意識の高い人しか雇えないと思っていますが…、色々難しそうですね。」
「ああ、難しいと思うよ、なんせリーダーの集りでも有るからね。
五十人のリーダーが集ったらどうなると思う?」
「個々の資質が問われますね。」
「そこを議論するのが面白くてな、まあ酒を飲みながらなのだが。」
「どんな方向性なのですか?」
「互いに尊重し合うが、エリアの開発で勝負…、というより知恵と金を出し合うという感覚かな、桜さんは学生との意見交換の場を考えてくれてるし、田舎の良さを残しながら都会の人でも長期滞在したくなる様な町を目指しているんだよ。」
「住宅と自然のバランスを考えて、という事ですね。」
「ああ、地元の人とのコンタクトも桜さんが取り始めてくれてる、こういう時に美人である事や社長という肩書が役に立つんだよ。」
「ふふ、桜さんにお願いされたら断れません。」
「はは、それは加奈さんも同じだろ。」
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高松加奈-17 [化け猫亭-09]

「伊藤さん、桜さんからの情報はご覧頂けましたか?」
「はい、加奈お嬢さま、市の人口が四万人にも満たない上に、宿泊施設建設予定地は市の中心部から離れた場所、近くの小学校を調べてみましたが、一学年十名程度の小規模校でした。」
「ホントに過疎地なのね、他には?」
「地図で分かるのは近くにゴルフ場が有る事と少し店が有る事ぐらいです。」
「観光スポットとかはないのですか?」
「車で移動するのなら多少有りますが、お嬢さまが楽しめるかどうかは微妙で…、映像を見る限りでは観光資源の乏しい普通の田舎です。」
「そういう土地だから桜さんは選んだのね…。
伊藤さんは住みたいと思う?」
「田舎の小規模校を娘に体験させてみたいと思います。
田舎と言っても車を使えばスーパーまで何時間も掛かる訳では有りません。
今はお嬢さまの事業を軌道に乗せるお手伝いをしていたいですが、施設が完成した時点の状況によっては、私が担当させて頂く事に何の問題も有りません。」
「もっと抵抗感が有ると思っていました。」
「凄い山奥だったり、車が使えなかったらきついですが、桜さまは庭の有るゆったりとした一戸建ての画像を現地スタッフの住まいとして添えて下さいました。
私は一戸建てに住んだ経験が有りませんので、共同生活だとしても体験してみたいのです。」
「ふふ、お庭はう~んと広いのですよ、変な所有権さえ主張しなければ、地球は私の為の庭なのです。」
「お嬢さま、どういう事ですか?」
「私の庭と言ってしまっては図々しいでしょ、でも、私の為の庭、勿論私が立ち入る事の出来ない所も有りますが、地球が私の為に存在すると考えたら大切にしなきゃって思いませんか?」
「それは…、私の為の地球でも有るという事ですか?」
「勿論です、本来、地球は誰の物でも無いじゃないですか。
皆の地球、ビルが建っていない田舎の方がそれを実感出来るかも知れません。
所有権に関係なく、目の前に広がる森や田んぼに畑、全部が自分の為の庭なのに、地元の人が管理して下さっていると考えたら楽しくないですか?」
「はは、楽し過ぎます。」
「でも、目に入る部分ぐらいは綺麗にして置きたいでしょ。」
「さすがに、地球全部を綺麗にするのは難しいですものね。」
「桜さんなりに色々考えておられる事業なのですが、私も私なりに係わって行きたいと考えているのですよ。」
「私も私なりに考えてみます、私の為の野山を。」
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高松加奈-16 [化け猫亭-09]

「桜さん、CAT'S TAILスタッフに色々お願いしていますが大丈夫ですか?」
「問題ないわ、皆、新たなクエストを待ち望んでいたのよ、今は一号店メンバー、二号店オープニングメンバー、加奈お嬢さまサポートメンバーに分かれつつ有るのよ。
少しスタッフを増やし過ぎたかな~、というタイミングだったから助かったわ。
まだ先の事だとは思うけど、店のオープンやシェアハウス関連で学生の力を借りたくなったら遠慮せずに言ってね。」
「有難う御座います。」
「それで、私の方は化け猫亭のお客様向け宿泊施設建設計画を進めていてね。」
「ホテルですか?」
「別荘とホテルの中間、老後は田舎暮らしをしたいという人に体験して頂く場であり、近くに菜園やお花畑をと考えているの、管理の大変な部分は地元の方にお願いしてね。
田舎と言っても遠くないから気軽に行き来出来るのよ。」
「規模にもよりますが、かなりの費用が掛かりそうですね。」
「加奈の事業ばかりが注目を集めている訳ではないの。」
「あっ、私は、お客様方に大きな負担を強いていませんでしょうか?」
「大丈夫、宿泊施設建設はお客様個人の負担と化け猫亭で、加奈の事業は主に企業の資金を使うのだから、つまり、同じ人を通していても、お金の出所が違うのよ。
私の方の事業はちょっとだけ田舎を元気にするという目的も有るのだけど、もし、加奈のスタッフに田舎暮らしを体験してみたいという人がいたら、施設の管理運営をお願いしたいと考えていてね。」
「環境的にはどうなのです?」
「一度遊びに行きましょう、小学校は近いのだけど、取り立てて魅力が有るかと言うとそうでもない、だから、お客様方の社員も巻き込んでエリアを整備して行く事も考えていてね、その過程で企業の枠を越えた社員同士の交流が有っても良いでしょ、そういう社員向けの部屋も用意するけど、名古屋は通勤圏内、日帰り出来る田舎なのよ。」
「すごい僻地ではないのですね。」
「ええ、お客様の中にはゴルフ帰りにそのまま帰宅出来るところを、そこで飲み会を開いて一泊してから帰宅というパターンを想定いていらっしゃる方も。
加奈の方で人が集らなかったら、地元の人に声を掛けて貰うけど、一応、古いけど家の用意は出来そうなの、決まったら綺麗に改装するからね。」
「分かりました、ただ、改装は子どもが住む上で危険の無い程度で充分です。
スタッフに提供している古い社員寮ですが、改装の提案に対して、子どもが傷つけたりする事を考えたら古いままでと言われましたので、その代わりリフォームは自由としました。
子どもと一緒に壁に紙を貼って落書きとかしているそうです。」
「壁に落書きなんて、私が幼い頃は考えられなかった…、でも、そうね成長すれば普通の子なら落書きして良い場所とそうでない場所の判断ぐらいはつくよね。」
「何の裏付けも有りませんが、町中で落書きしている連中は幼い頃から家庭環境に問題が有ったのでは無いかと思うのです、そうで無かったらただ単に頭の悪い人達ですね。」
「一応、育った環境というのを考慮して上げてるんだ。」
「そこは本人の責任と言い切れないです、親の責任だとしても、その親の生活環境も考慮した時、まずは、子育てを落ち着いて出来る環境を整える事が犯罪を減らす事に繋がると思いませんか?」
「そうね、貴女の子ども達を大切に育てましょう。
でも、良い環境で育てられた筈のお偉いさんが収賄で逮捕されたりするのだから、犯罪は無くならないわね。」
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高松加奈-15 [化け猫亭-09]

「小夜、田中洋子さんの案件は見てくれた?」
「ええ、あのままでは色々難しいと思う、で、どうするの。」
「あの案をベースに店をオープンさせて、そこで働いて貰う、自分の店に拘るのなら、田中さんにはいずれの独立を提案して置けば良いでしょ?」
「修行の場を提供する訳ね。」
「場所を選んで朝食や昼食も提供し夜は居酒屋、ターゲットも従業員も朝昼晩と変えてとかどうかしら、土日と平日でメニューを変えても良いかな。」
「悪くはないけど問題は場所とメニューね、朝食の需要ってどうなのかな?」
「朝食の売り上げが伸びない様なら、昼と夜に絞るか…、逆に単身者の需要を掘り起こす事に挑戦。
あっ、場所によっては子ども達の朝食を提供するとか、客が増えるまではうちのスタッフに食事を提供する事で流行ってる感を演出するとか、どう?」
「そうね、まずは小規模店を運営しながらスタッフのスキルアップやメニューを充実させる事にして、社員寮の近くで開業しても良いのかな、客が少なかったらお弁当を作ってCAT'S TAILで売って貰うのも有りね。
取り敢えず桜さんとも相談してCAT'S TAILスタッフにも情報を流してみようか…、でも開業資金は幾らぐらいを想定してるの?」
「そうね、五千万ぐらいでどうかしら。」
「そんなに?」
「シェアハウスの建設はスポンサーの方々にお任せなのよ、お父さまが用意して下さる一億の使い道って、今の所あまりないでしょ。
店が成功すれば回収出来るし、店で店舗スタッフの再婚相手が見つかったらおめでたいじゃない。」
「加奈って思ってたより楽天家なのね。」
「そうじゃなかったら、取り敢えず大赤字から始まりそうな事業を始めてないわよ、でも、いざ始めてみたら多くの方々の支援が有って、私が間違わなければ大丈夫、私が間違えそうになっても小夜や桜さんがいるしね。」
「貴女を楽天家にしてしまったのは化け猫亭なの?」
「ふふ、そうかも。」
近くに保育所を併設するのなら、父子家庭のお子さんを積極的に受け入れるのも有りね。
お父さんが子どもと朝ご飯を食べてから、保育所に子どもを預けて出社なんて、新たな出会いが期待出来そうじゃない?」
「バツイチ子持ち同士の再婚ってイメージ出来ないのですけど。」
「私達、まだバツイチまでは遠いものね。」
「結婚する前から離婚願望が有るの?」
「勿論幸せな結婚をして、家族仲良く暮らして行きたいと思っているわ、でも離婚率の高さがね…。」
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高松加奈-14 [化け猫亭-09]

「加奈さんは家政婦さん達に至れり尽くせりだと伝え聞いたが、実のところはどうなの?」
「そこまでの事はさせて貰っていません。
ただ、彼女達は環境を整えれば自立出来る人達です、今まで悪循環に陥っていた訳ですが、しっかりとした支援をすれば、独り立ちし健康で文化的な生活を送る事が出来る様になると考えています。」
「小さい支援では抜け出せないという事か。」
「はい、その場しのぎでは、子どもの将来を考えた時に不安しか残らないと思うのです。」
「そうかもな、それで事業規模の拡大は考えているの?」
「ええ、古い社員寮の空きが有りますので、まずは十名まで増員します。
その後は高松家で何人まで養えるかを検討して貰っています。
さすがに大勢の子どもをうちで面倒を見る事は出来ませんので、保育士資格をお持ちの方を雇い認可保育園設立の検討を進めて貰っています。」
「見ず知らずの人を養うという感じなのかな?」
「状況は異なりますが、昔の大店は貧乏人の子どもを養っていた一面が有ると思いませんか?
貴族がメイドを雇っていたのも同様だと思うのです。
それぞれの考えによって雇われていた側の環境や気持ちは随分違っていたとは思いますが…。
待遇が良ければ、ずっと主の為に働こうと思うでしょうし、悪ければ、何時か恨みを晴らしてとか。」
「そうか、高松家には必要以上の家政婦を雇う財力が有る、それを活かして加奈お嬢さまを女神と仰ぐ家来を増やす事が出来るのか。」
「永井さん、表現がおかしいですよ。」
「又聞きだから…、う~ん、好条件で加奈お嬢さまに救って貰った人が増えたら、大きな力になるだろうし、そうなって行かないと事業の拡大は出来ないのかな。」
「まだ準備段階です、どんな人でも受け入れるというレベルには程遠いですよ。」
「従業員が子育てしながら余裕を持って収益を上げる体制作りか…。」
「何時になるかはこれから仲間になって下さる方次第ですね。」

「永井さん、少し加奈さんと話がしたいのだが、だめかな。」
「どうぞ、私は席を外した方がよろしいですか?」
「いや、永井さんも加奈さんの事業に興味が有るのでしょ。」
「はい。」
「田中さん、どんなお話しなのです?」
「私の姪にも所謂シングルマザーがいてね、楽では無さそうだが自力で何とかやっているんだ。
それで、加奈さんの話をしたら、仲間が協力し合ってという事に興味を示してね。
余裕が出来れば貯金も早く貯められると、彼女は自分の店を持ちたいと考えているのだよ。」
「頼もしい方なのですね、一度お会いしたいのですが、出来れば店の事業計画を簡単で良いですから教えて頂きたいです。」
「了解した。」
「では、こちらの名刺を、化け猫亭の会員と話して下されば仮の秘書が受け付けますので、姪御さんとの橋渡しをお願いします。」
「おお、着実に進んでいるのだね。」
「はい、焦らずじっくりと進めています。」
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