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化け猫亭-22 ブログトップ

化け猫亭-01 [化け猫亭-22]

「マスター、猫桜会は化け猫亭から生まれたのですよね?」
「まあ、そう言えるかも知れないな。」
「化け猫亭を始めた時から、今の状況を想定してたのですか?」
「まさか、私にそこまでの力は無いよ、化け猫亭を始めたのは、知的な大学生が真面目な経済人から学べる場、且つ、節度有る大人達に真面目な女子大生と語り合う場を提供してお金儲けをしようと考えただけなんだ。」
「なんか信じられません。」
「ああ、私も信じられないよ、元々真面目な人を集めて情報交換が出来る場に、という気持ちは有ったが、化け猫亭オープンから十年ぐらい、目立った動きは無かったからね。」
「何かきっかけが有ったのですか?」
「そうだね、桜と話している中で話が広がりスタートさせたCAT'S TAIL、大学生がバイトとしてでは無く店の経営を体験出来る場として始めたのが一つのきっかけかな。
桜が上手く立ち上げてくれて、タイミング良く白猫組を支えてくれる存在になったのはラッキーだったと思う、美月ちゃんもCAT'S TAIL STAFFに登録しているのだろ。」
「はい、月に二度白猫組の手伝いをさせて頂いてます。
ネット上の情報と現場との違いを実感しながらですが、私にとって良い学びの場となっています。」
「最近はCAT'S TAILに直接関係しないスタッフも増えたのだね。」
「はい、ボランティアに特化したメンバーが増えています、猫桜会や桜花党の活動に触発されてですが、猫桜総合学園ネットワークも絡んで、真面目な学生にとっては自分を伸ばす場の選択肢が増えたのだと思います。」
「CAT'S TAILの全国展開は上手く行くと思うか?」
「全国展開と言っても、CAT'S TAILの新店舗は偏差値の高い大学の近くですので大丈夫じゃないですか、まあ、東京だと家賃が高そうですが…。」
「黒猫組や白猫組とセットで展開なんだろ?」
「東京で稼いで地方で使うそうです、後は地方への移住希望者受付窓口の役割を果たすとか。」
「はは、その機能が無いと都市の過密を更に進めてしまいそうだな。」
「CAT'S TAIL STAFFの中でも過疎と過密の問題は討論されていまして、化け猫組主導で進められたニュータウン建設は関東のスタッフ達も注目しています。」
「受け身ではなく、自分達の街を作るという住民の意識が高いからな。」
「自分達の世代はよほどの才覚が無い限り、先輩で有る大人達が作り上げた枠組みの中で、その価値観を守って行くしかないと思います、でも…、自分達で新たな街を作り過密都市から出たいと考え始めている学生もいまして。
どこでどう生きて行くのか、安定した生活はしたいが、それは都会でしか得られないのか、そんな事がCAT'S TAIL STAFFの大きなテーマになりつつ有ります。」
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化け猫亭-02 [化け猫亭-22]

「うちは大学に代わる学びの場を社内に構築出来ないか検討を始めましたよ。」
「結構踏み込むのですね、進学希望の高校生を取り込む事も考えているのですか?」
「まだどうなるか分かりませんが、優秀な子だけを対象にしない、我が社に合わなかったら猫桜会の別企業を紹介するという前提、場合によっては黒猫組で受け入れて貰う様に藤井組長の了解も得て有ります。」
「学びの場か、花音ちゃんは、大学で無駄に思える講義を受けてたりしない?」
「そうですね…、まだ、就職してみないと分からないです。」
「ならば、一度就職してから、必要だと思える事を中心に研究したり学習したりって効率が良いと思わないか、更に付け加えるなら受験の為だけの学習を回避してさ。」
「受験勉強を通して広い分野の知識を得たとは思っていますが…。」
「その知識をワンランク下げる代わりに、興味の有る専門分野をもっと高めるという発想はどう?」
「将来設計が出来ていれば有りかも知れません…、確かに限られた時間を…、化け猫組の皆さんは大学に否定的なのですか?」
「花音ちゃん、決してそういう訳では無いのだがね。」
「でも、化け猫亭で皆さんのお話しを伺っていると…、いえ、それだけでなく、猫桜総合学園から発表される内容も大学の有り方を見直すものが多いですし。」
「花音ちゃんみたいに真面目な子には有意義な大学生生活を送って欲しいよ。
でも、そうだな、教育関連で学力が問題になるが、仕事の現場では仕事が出来るかどうかが問題なんだ。
社員募集の過程で評価基準として学力は重視されている、でも、それ以上にどういう人物なのかが重要だと思わないか。」
「勿論です。」
「でも、今までの採用制度ではその見極めに失敗することが有り、近年その率が上がっている事は知っているでしょ。」
「はい、入社後短期間でやめてしまうとかですね。」
「それに対して、一企業単独では策が出せなかったのだが、猫桜会としてまとまった事によって試せる事が増えた、というか化け猫組として案を出せる様になったんだ。」
「その一つが先ほどの…。」
「今、検討してるのは、高卒社員の更なる地位向上、今でも高卒入社のリーダーが大卒入社の部下に指示を出してる現場も有るが、社会的には大卒の肩書が無いと低く見られがちでしょ。」
「それは有ると思います。」
「だが、大卒の肩書の為だけに、大した向学心も無いのに経済的負担を家族に背負わせて、なんて事も有るじゃないか。」
「はい、奨学金という名目の借金を背負っている、という話も聞いています。」
「私達は子猫組で試して貰ってる事をもっと広げて行こうと考えているんだよ。
藤井組長の最終学歴は中卒、それでも桜花党の党首を任せたいと思えるだけの経験を短期間で積んで来たし、向学心を伴わずに進学した人の何倍もの学習をしている、でも国立大学には合格出来ない、入試の為の学習をしていないからね。」
「学歴は関係ないと…。」
「学歴ではなく人物や実力を見る、我が社は採用に関して明確な意思表示をして行こうとしているんだ、高卒で入社しても、そこからの学習、研修環境を充実させる事で、そうだな入社後の数年間を大学より充実した環境で働きながら学んで貰えないかとね。」
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化け猫亭-03 [化け猫亭-22]

「河野さんが化け猫亭を知ったのはどういう経緯なのですか?」
「私はうちの社長に誘われてね、まあ、社長としては他にも誘いたいみたいだったのだが、なんせ注文の多いお店だからな。」
「ですよね、お酒を出す店なのに禁煙、女の子とは真面目な会話が中心で、私としては実社会のお話し
を沢山聞かせて頂けて楽しいのですが、少し申し訳ない気もしています。」
「はは、女子大生から仕入れた情報を上手く使ってる奴もいるし、真面目な会話を楽しんでる奴ばかりだよ、で、碧ちゃんがスタッフになったきっかけは?」
「CAT'S TAIL STAFFに登録した後、実家が急激に苦しくなりまして、先輩にバイトの相談をしたのです、時給が良くて助かりました。」
「そうか、ご実家は大丈夫なの?」
「はい、先輩が黒猫組にも相談して下さり、貧困世帯を増やさない為にと支援して頂いています、おかげで持ち直した店、曽祖父の代から続くのですが、猫桜会の一員として今度リニューアルの予定です。
私も家業の事を見直しているのですよ。」
「黒猫組はそんな事もしていたのか…。」
「正確には黒猫組では無いのですが、細かい事は気にしなくて良いそうです。」
「まあ、猫桜会傘下の人が動いていることに違いはないだろうからな。
「山田さん、私は化け猫亭のスタッフですからある程度分かっていますけど、猫桜会傘下で一番謎なのは化け猫組ですよね。」
「えっ、そうかな…、まあそういう事にしておこう。」
「そうですよ、表向き、化け猫亭の客で構成されていると、一般人には理解しがたいレベルでしか紹介されていません。」
「まあ、化け猫亭も少し形を変えて各地で増え始めている、その内理解されるだろう。」
「いえいえ、化け猫亭自体が会員制ですので、京都店のスタッフは秘密クラブみたいに思われていると話してましたよ。」
「まあ、守秘義務を伴う話を京都でもしているからな。
この前遊びに行って来たが良い雰囲気だったよ、秘密クラブでも問題ないだろう。」
「週刊誌とかが嗅ぎまわったりしませんか?」
「守秘義務の伴う内容が外部に漏れるのは問題だが、それ以外は大丈夫だと思わないか?」
「そうですね、化け猫亭のお客さまは猫桜会の人ばかり、何時も熱心に猫桜会の発展について語り合っています、お酒を飲みながら仕事をしてる様なものですよね、悪事を企んでいる訳では無く…、それにしても皆さん仕事がお好きです。」
「まあ、仕事と言っても実際に動くのは部下の皆さんだからね、発展して行く集団に身を置く事は楽しいよ。」
「それは分かります、前向きに桜花党や猫桜会について語り合う、お酒の場だからという以上に知的空間になっている事が心地良いです。」
「もっと若い男性と語り合いたいのでは無いのか?」
「それは別の場で、でも、学生同士では空論になりがちで、化け猫亭で重役クラスの方々と話すのとは違い、物足りなさを感じています。」
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化け猫亭-04 [化け猫亭-22]

「中村さん、猫桜会は短期間で業績を伸ばしていますが、どうしてそれが出来たのか、その発展に係わって来た一員としてどうお考えですか?」
「おっ、猫桜会を千咲ちゃんの研究対象にしてくれるのかな?」
「はい、お願いします。」
「そうだな、特別な話しにはならないかも知れないが、イメージ戦略の成功は大きかったと思うね。」
「宣伝効果ですか?」
「ああ、加奈さまを猫桜会の象徴、白猫組を導いた女神さまとして世間に知らしめた、それが作り話では無かったから、今では本物の女神の様に崇めている人がいるだろ。」
「はい、白猫組を桜さんに引き継がれてから更に神格化が進んでいますね、テレビ番組で神様目線のコメントを求められても、それを上手くこなされて、美と愛の女神、本当に素敵です。」
「裏では、猫桜会の仕事をされているのだが、それを伏せて女神としてのイメージを大切にしてくれている、地上に降りた女神が若手実業家と結ばれて、更に愛を貧困層に向けてとね。
そして黒猫組組長、藤井隆也の存在、硬派をアピールしつつ白猫組とは違う角度から貧困層を救うヒーローとして表に出ていてくれる、後は、桜さんや小夜さんといった美女達のサクセスストーリーと黒猫組や猫又組のストーリーが、良いイメージを広げて来たと思わないか?」
「あっ、特に気にしていませんでしたが、そこには戦略的な意味合いが…。」
「千咲ちゃんは、猫桜ブランドをどう思う?」
「良い商品に限定販売という付加価値を付けた事によって成功したと思います。」
「女神さまと黒猫組組長が消費者の心をくすぐりながらという側面を見落としていないかな。
加奈さまと藤井組長達が提供する商品、そのイメージは、小手先の販売手法だけでは成し得ない効果が有るのだよ、桜さんの出産に伴う関連商品が今でもバカ売れなのも、幸せそうな夫婦、黒猫組と白猫組の関係といった、色々なプラスイメージがあいまっての事だよ、勿論、質もデザインも良いと購入者に言って貰えるだけの製品を猫桜会全体で検証しながら提供している事にもよるが、新しいブランドとして『猫桜』が認めて貰えた事はとても大きいね。」
「そう言われてみると…。」
「ブランド名だけで有難がって高額な商品を購入する人がいるだろ、『猫桜』のブランド展開はそういう人達を顧客に取り込みつつ、誰にでも手が届く普通のお菓子も猫桜パッケージで売り出している。
それは大人のお菓子が如く扱われているが、食べればコンビニで売ってるのと同じ美味しさだろ。」
「はい、それでも服に合わせて買ったり『猫桜』限定だからと買う人がいて色々売れてるみたいです、大学の友人にもトータルコーディネートを…、残念ながら、まだ衣装に内面が追いついていないのですが…。」
「猫桜会の象徴達が作り出したイメージと『猫桜』のブランドイメージ、勿論良い商品、良いサービスを提供しているが、このイメージ戦略が成功していなかったら、ここまでの業績アップはなかっただろうね。」
「そういう戦略ですか…、戦略というのは各世代のモデル達、その個人的なストーリーを紹介しているのもそうですか?」
「勿論さ、嘘の無い様々なストーリーを通して『猫桜』ブランドの専属モデルに光を当てる、オーデションに落ちた話や失恋、片思い、結婚や離婚、それぞれの人生を感じて貰う事でそのモデルと彼等が身に纏う衣装に注目して貰えるのさ。」
「そう言えば、猫桜会は有名なモデルを起用しないですよね。」
「お金のある人に仕事をあげる必要は無いだろ。」
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化け猫亭-05 [化け猫亭-22]

「渡辺さんは猫桜総合学園の講師を始められたのですよね、会社と掛け持ちで忙しく有りませんか?」
「会社で担当していた業務は若手に引き継いでいる、若手が油断しない様に監督は続けるが、あまり心配はしていないよ。」
「会社の内情は良く分かりませんが、そうなると渡辺さんの収入が減るとか。」
「減らして貰うのはこれからになるが、多少減っても心配はいらないさ、念の為百歳まで生きると過程して試算してみたが問題なし、息子達はしっかり所得税を納めていてね、私の遺産は人生設計に入れて無いそうだ。」
「そうでしたか…。」
「まあ、化け猫組の一員として出来る事を考えてはいるけどね。
我々は自分の子ども達に何を残すか残さないかを考えつつ、白猫組で保護している子ども達の将来を考えているんだ。
だから猫桜会としては沢山稼いで沢山投資して行きたい、次世代の為にね。」
「それが業績の割に役員報酬が少ない理由ですか?」
「沢山貰っても納税額が増えるだけだからね、桜花党が政権を握ったらそれも嬉しいが、今はな。」
「世の中には役員報酬、何十億という人もいますよね。」
「まあ、考え方は人それぞれ、人にどう思われ様が稼いだ分だけ税金を納め、沢山消費すればそれも良しだろ。」
「富が異常に集中してる事実はどう思われます?」
「相続によるものには抵抗を感じるが、自身の才覚で得たもので有れば良いだろう、まあ松尾社長の様に上手く使って欲しいけどね。」
「凄い方ですよね、次々と事業を成功させて。」
「ああ、成功体質というか人を大切にした結果だろう、優秀な人が集まり事業を成功させる、見習ってはいるが足元にも及ばない。
彼が化け猫亭のメンバーになった頃にね、十億の利益が見込めても目標を五億におき、下請けも含めて人にお金を掛けると何故か十億以上の利益が出ると話してみえたんだ。」
「人の為に投資という事でしょうか?」
「ああ、その考えを猫桜会で共有した結果は分かってるだろ。」
「はい、下請け企業を大切にする猫桜会というテレビ番組を見ました。
大切にして貰えれば猫桜会の商品を購入しますし、人に勧めもしてくれるのですね。」
「そして、番組を見た人は猫桜会に対して良いイメージを持ち、我々の商品を買って下さるだろ。
我々としては、下請け企業では無く取引先企業と呼んで欲しかったのだがな。」
「でも、それだけで利益が…、その、五億が十億になるものでしょうか?」
「人が楽に働ける様、設備投資もするのさ、五億かけて労働環境を改善し効率を上げた結果、利益が増える、先行投資は必要なんだよ。」
「子どもっぽい疑問かも知れませんが、機械化を進めると人手が余ったり…、勿論他の要因も有りますが、時には人手不足になったりすると思うのですが。」
「それは、製造業が抱える宿命だね、今の所猫桜会各社では人が不足気味の部署は優先的に機械化を進めているが、もし人が余剰気味になったら手作業中心の高級品を増やそうと考えているよ、美術品に近い猫桜ブランド究極の一品を製造して行くみたいなね。」
「受注生産の延長という感じですか?」
「ああ、最高級の一品を製造する過程で得られるノウハウを高級品や一般向けの商品にフィードバック出来るとも考えている。
まあ大量に人を余らせる事の無い様にどの企業も頑張ってるが、最悪は工場間でトレードという事も考えているんだ。
猫桜会傘下の企業として協力関係が確立され、各企業のバランスを取る事が可能になったからね。
一円でも多く稼ごうなんて考えず、より多くの人の幸福を願って営利活動を行う、というのが化け猫組の目標なんだよ。」
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化け猫亭-06 [化け猫亭-22]

「秋穂ちゃん、お兄さん一家の引っ越し先は決まったの?」
「はい、先日一緒に見てきました、思ってたより広い一戸建てで、電線の無い綺麗な街並みが素敵でした。」
「年を経て更に落ち着いた街となるだろう、ニュータウンは街自体を芸術作品にしようと家屋の外観にも拘っているからな。」
「はい、兄の新しい職場も綺麗で、ニュータウンとオフィス街、工場エリア、農場エリアが一つの公園かの如く整備されていました、すべて化け猫組主導なのですよね。」
「まあ、場所を選んで取り組み始めたのはね、実質は松尾社長の力だよ。
なんせ、東京に有った本社を移転させ、社員の為にニュータウン開発を進めた、簡単に出来る事ではないだろ。」
「ですよね、社員の方々も最初は戸惑われたそうです、でも、新しい町を作り満員電車から解放されるという事で、子育て世代を中心に田舎の本社希望が当初の予定以上に集まり、残った東京支社も、少しずつ規模を縮小して行くそうです。」
「結構調べたのだね。」
「はい、兄の会社も本社移転を早い段階で決定しましたので。」
「経済面は?」
「巨額の投資をしていますが、それがどんどん回収されています。
住宅は賃貸でも分譲でも選べるのですが分譲を希望される方が圧倒的に多いのです。
兄は土地が安いからと、父も定年退職後は実家を売って移り住もうかと話しています。
ニュータウンの販売が順調なだけでなく、松尾社長の会社は東京の物件を売却したり、高い家賃を払わなくて良くなったから、それだけでかなり回収出来たみたいですよ。
また、エリア全体を公園かの如く整備する事で遊びに行く人も増えつつ有り商店街が賑わう、あのエリアはほとんど猫桜会傘下ですからね。
建設に掛かった費用も猫桜会の企業を潤しています。」
「はは、しっかり調べているのだね。
まだ拡張しているが、松尾社長はバランスの取れた地方都市を目指す様に指示されている。」
「バランスの取れた地方都市…、ですか?」
「再開発エリアはまだ拡張中だが、あの市全体を少しずつ改善して行く構想が有ってね、但し、市の広さと人口のバランス、産業のバランスとか考えながらね。
活気有る市にしたいが、それが行き過ぎて過密状態になってしまったら意味ないだろ。
市全体をデザインし直して行く為に、近い将来、市政も我々の手中に収める計画が有るよ。」
「それは知りませんでした、凄い事ですが…、地元の方に反発されませんか?」
「古いものを残し守りつつ、町を活性化させる計画だからね、工場を作り農場を整備して行く事に反対する人は少ないと思うよ、環境にも配慮して行くから。
実験的に地方都市を再生させる、松尾社長の力が有ればそれが可能なんだよ。」
「う~ん、大金持ち達が松尾社長の様に考えたら、地方の抱える問題はかなり解決出来るのですよね。」
「だろうな、松尾社長は、他の地方都市にも目を向けているよ。」
「でも、ニュータウンはJRの駅から比較的近くて、高速道路も有るから何とかなったのですよね、やはり本格的な過疎地は松尾社長の財力でも…。」
「効率が悪過ぎるエリアではね、まあ、そっちは黒猫組が動いているよ、安定して稼げる農業を中心に模索しているんだ、実験的にね。」
「黒猫組って色々やっていて実態が掴めないです。」
「まあ、暴力団の食い物にされてたホームレスも含めて貧困層の生活改善を考えていたりもするが、松尾社長と共謀して地方都市を乗っ取ろうとしていて、実態を掴ませる訳には行かないみたいだよ。」
「乗っ取りというレベルなのですか…。」
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化け猫亭-07 [化け猫亭-22]

「ああ、乗っ取りに向けての社会実験はすでに始まっていてね。」
「どんな実験なのですか?」
「まずは、ニュータウン自体が実験と言える。
ニュータウンの規模が大きくなって商店も増えているが価格競争は無いだろ、飲食店は質で勝負しているが、食料品日用品などはどの店で買っても同じ。」
「エリア内のほとんどの店が猫桜会傘下ですものね、一括で仕入れて適正な価格で売る、飲食店の仕入れも一括管理で効率が良いと聞きました。」
「狭いエリアでは有るが自由競争からはずれている訳だろ、そのエリアを少しずつ広げて行こうと画策しているんだ、まもなく国道沿いに『猫桜』の中規模店をオープンさせるよ。」
「そんな動きもあったのですか。」
「品揃えは色々検討して行く事になるだろうが、大きな売り上げは期待出来ないが、初期投資分ぐらいはイベントを開いたりして回収、赤字にはならないと試算している。」
「猫桜会として、その程度で良いのですか?」
「まあ、実験の一環だからね、店では地元の人を正規雇用し、パートの時給を千五百円、田舎だから時給の相場はかなり低いのだがね。」
「工場でも好条件で地元の方を雇っていると聞きましたが…、現地では人手不足に陥る企業が増えませんか?」
「増えるだろうね、昔ながらの低賃金に支えられてきた会社は倒産すると思う。」
「猫桜会が悪者になってしまいそうです。」
「ああ、悪の組織かも知れないが、市内の企業や商店の調査を行っていて、猫桜会傘下に入るのなら事業支援をするという話を持ちかけ始めているのだよ、全国展開のチェーン店とかは除いてね。」
「まさか…、市内全域を猫桜会標準にするのですか?」
「全域は難しいが、人口が集中しているエリアにはかなりの影響力を持てるだろう、小さい工場でも猫桜会による指導を受け入れてくれれば、安定した経営が期待出来ると提案して行くのさ。」
「そんな事が簡単に出来るのですか?」
「利益率の低い製品を製造している工場には、猫桜ブランドの製品製造を持ちかける、下請けとして親会社にいじめられてきた工場には猫桜会傘下の下請けという道を提案、場合によっては合併とかも、猫桜会で投資をし給料を上げ機械化を進めれば人手不足も解消できるだろう。
何も考えずに経済活動を行って来た人達に、改善策を叩きつける訳だが、今の猫桜会にはそれを支えきるだけの力が有る。
だが、それで増えた税収を馬鹿な市長に浪費させたくないだろ。」
「本気で乗っ取るのですね。」
「難しくは無い、すでに猫桜会の恩恵を受けている人は多いからね。」
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化け猫亭-08 [化け猫亭-22]

「藤井組長、乗っ取り作戦の方は順調に進んでいるのですか?」
「まあ、経営者達に恨まれながらだけど、着実に働く人達の待遇は改善されているよ。
経過は公開してるから、沙菜さんも良かったら見てね。」
「はい、前に見た事は有るのですが、まだ始まって間が無い頃で、倒産の予想など書かれていました。
えっと、市内のみならず周辺地域も含めて賃金格差を生じさせる、特にアルバイトは明確な差になる、チェーン店が撤退する可能性が有るという様な事が書かれていましたが、実際はどうですか?」
「負債を抱える前に廃業する経営者が出始めている、苦労して工場を維持するより猫桜会系の工場で働いた方が良いそうだ、我々の動きに関係なく経営が苦しかったみたいでね。
彼等には持ってる技術を活かして貰える様にすると共に、使わなくなった工場を今後どうして行くかの検討に入っている。
正社員に関しては猫桜会傘下の事業所で採用しているが人数に限りが有り、周辺の市からも労働力が流れて来ている事もあって、まだ影響は少ないみたいだよ。
ただ、低賃金が故に人手不足に陥ってる会社とは、企業再生チームが相談していてね。
まあ、この先も猫桜会系列の工場を増やして行くと伝えて有るから、自力で経営を続けて行く事は諦めるだろう。」
「短期間で劇的に動く事は無かったのですね。」
「うん、でもバイトはね、『猫桜』を中心に広い駐車場を持った飲食店街を広げつつ合って、スタートの時給は千円でも、まともな人はどんどん昇給して行く、時給千五百円の上には正社員の道も有る訳だから当然人気でね。」
「やはり他店はバイトを雇えなくなってますか?」
「時給千五百円で店を運営出来るだけのノウハウを持ち、初期投資を回収しつつ、赤字にならなければ良いというスタンスの店、それには対抗出来ないでしょ、国道沿いの新名所は賑わっているからね。
先週も見て来たけど、バイトの皆さん楽しそうでしたよ。
少し話を聞いたら、前のバイト先は最低賃金なのに厳しかったとか。
その全国チェーンの店は諦めて店を閉めたんだよ、一店舗だけ給料を上げる訳にも行かなかったのだろう、人件費を抑える事で成り立ってた店だね。」
「それだと町の活性化にはマイナスになりませんか。」
「空き店舗は交渉中で、何かしらの新店舗をオープンさせる。
ニュータウンには似つかわしくなくて開けない、風俗系の店も考えていてね。」
「風俗系だともっと給料が良いのですか?」
「他のバイトより給料は良いけど、まあ、風俗と言っても色々有ってね、派手なサービスをする店より給料は抑え気味、その代わり安心して働ける店を考えているんだ、そうでないと猫桜会の店とは認められないからね。」
「これからも店を増やして行くのですか?」
「猫桜会傘下の活動による人口増加を見ながらね、ニュータウンで展開しているコンビニも『猫桜』の隣にオープンさせるよ。」
「一般のコンビニより若干高目だと聞きましたが。」
「そんなコンビニが質で勝負出来るか見極めたくてね。
赤字にならず続けて行ければ、あのエリアには猫桜会関係者が増え続ける、そしたら高目でも大丈夫だろう。」
「乗っ取りの目途は立ち始めているのですね?」
「経済面での影響力は、どんどん高まって行くよ、バイトだって有権者だからね、市長候補も名古屋へ通ってる部長職の人が引き受けてくれて今は人脈を広げているんだ、猫桜会の役員という肩書をでっち上げてね。
実際に住んでる人で、全国組織になった猫桜会の役員だから、感触は良さそうなんだ。」
「何を訴えて見えるのでしょうか?」
「もう一つニュータウンを造成し、出来れば中心部の再開発、人口増加率が全国的に見ても上位なのをアピールして将来は市の全域を公園の様にしようと、住み易く働き易い町作り。
時間は掛かっても、ニュータウンがお洒落に広がっている現実を見たら反対出来ないでしょ。」
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化け猫亭-09 [化け猫亭-22]

「リアル桜花党の結党を正式発表して、少し気が引き締るな。」
「国政ですからね。」
「それにしても不思議な世の中になったよな。」
「高川さん、どういう事です?」
「化け猫組初代組長という立場で今まで見てきたがね、桜花党も猫桜総合学園ネットワークも、あっという間に全国組織として拡大した、情報が上手く広がり共有出来たとは言えね。」
「その辺りは藤沢組長の戦略だったのですよね?」
「えっ、私の…、確かに小夜とも相談してそういう方向で仕掛けましたが、上手く行き過ぎています、力の有る方がこれ程多く参加して頂けるとは、正直言って想定していませんでした。」
「化け猫のパワーなのかな…。」
「面白いですよね、化け猫亭という一つの店から、猫桜会や桜花党が全国展開をするまでになって、高川組長の仰る通り不思議な世の中ですよ、国を動かす情報を地方からでも発信出来た訳で、女神さまの力も大きいと思います。」
「ふふ、このまま、皆さんが幸せに暮らせる世の中になって欲しいですね。」
「はい、我々は女神さまが望まれる社会にすべくこれからも働いて行きます。」
「でも、今日は女神さまではないですよ。」
「いや~、人妻になられて女神パワーが衰えないか心配してたのですが、ますますパワーアップ、私はひれ伏したい衝動をどうにか抑えているのです。」
「新興宗教ってこんな感じで生まれるのですかね?」
「我々は知らない内に洗脳されていたとか?」
「まあ、商売は人の心を動かして金儲けという側面が有りますからね、宗教も同じなのでしょう。」
「政治の世界も、知名度の高い人がもっともらしい事を言えば当選です、小夜さんが話してた、人の心理を知る者が世界を動かすというのは本当だと実感しています。」
「今頃ですか、分かり易く説明して差し上げたのに、ずいぶん時間が掛かりましたね、猫桜会のメインメンバーでは常識、でなければ猫桜会をここまでは、ねえ、松尾さん。」
「だよね、世の中には全然だめな会社も存在して、調べさせたら精神論で業績を伸ばそうとしている会社が有りましたよ、根性で売ってこいみたいな。
まあ、安く買収し、今は優良企業になっていますが。」
「松尾さんの手に掛かると簡単だという事ですか?」
「実際に動いているのは再建チームですが、大ナタを振るいますからね、社員の不平不満を減らして行く過程で、会社にとってマイナスな存在からは影響力をそぎ落としていく、役に立ってなかった部長職を解任するだけで社内の士気が一気に上がったりするそうですよ。
再建チームの報告を見る限りではそんな作業を、彼らは喜々として行っているようです、一応、猫桜会全体の戦略を見ながらですが、新たな金儲けのネタも提案して来ています、だめな人達の会社って普通にチャンスをのがしているのですよ。」
「社員のモチベーション一つじゃないですか、ねえ藤井組長。」
「いえ、社員にやる気が有ってもマーケティング能力がなければダメです、黒猫組だって小夜姉さんの指導がなかったらここまでは伸びていません。
化け猫組の皆さんが、猫桜会として大きくまとまって下さった事で、効率が良かったのですが。」
「これからは党首に専念するのか?」
「党は副党首達に任せるつもりです、そもそも被選挙権が有りませんので。
でも、女神さまと共に立候補予定者達を褒めまくって行きます。」
「女神さまと若きヒーローは、存在だけで国を変える力になりますよ。」
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化け猫亭-10 [化け猫亭-22]

「我らが若きヒーロー、地方都市の乗っ取りの方はどう?」
「私達は、恨まているでしょうね。
うち関係では高卒大卒の新規採用が順調でしたので、それに合わせて給与水準を上げざるを得なくなってる企業、不本意ながら猫桜会傘下に自身の実権を奪われた形で入る経営者、止めを刺されて廃業し一社員となった元経営者からは刺されない様に気を付けています。
まあ、その何百倍の人に喜んで頂いてる訳ですが。」
「追いつめて倒産とか、自殺とかは大丈夫なのか?」
「そうならない様に配慮はしていますが限界は有ります、でも頑固な人のお子さんやお孫さんは我々の味方だとの報告を受けています。」
「猫桜会系列への転職は、現地の中小企業にかなりの負担を与えたのかな?」
「どうでしょう、今は優秀な人を中心に転職者を受け入れていますが、地元ではそのレベルの人が多くないみたいです。
地元の企業が、低賃金で新たな雇用という事を難しくしていますが、遅かれ早かれフェイドアウトするであろう会社に対しては、私達はもう一つの選択肢を用意させて貰いました、その事をどう評価してくれるかで今後の進行速度が変わると思っています。」
「能力的な問題も有るのだろうが、人を大切に出来なかったのは事実だよな。」
「大企業は、会社の為の人、という考えが有るから非正規雇用を増やしてしまいましたが、我々は人の為の会社を目指しています、自身の利益しか考えられない様な経営者には静かに退場して頂きましょう。」
「ああ、そんなセリフを言いたかったのよ私は、猫田組組長としてね。」
「小夜姉さん…。」
「藤井、これからも、より多くの人に安定した職、楽しい職場で働いて貰う事を目指してね。」
「はい。」
「再生チームは動いてはいるけど、再生する価値のない企業は消して行けば良いよね、マスター。」
「はは、いきなり振るなよ、小夜。」
「ねえマスター、我々は小夜さんの掌の上で遊ばれていたとか、マスターの掌の上で踊らされたという議論もしてるのだけど、実際はどうなの?」
「まさか…、小夜の影響力は確かに大きいですが、私は只の傍観者に過ぎませんよ。」
「化け猫亭の客を真面目な地元企業の経営陣中心に出来たのには何か裏が有ったのですよね。
初期からの先輩に聞いても教えて下さらないのですが、もしかして彼等の弱みを握っていたとか?」
「そんな話は有りませんよ、私は単に真面目な経営者と真面目な女子大生の為の場を作っただけです。
そこから、たまたま桜が動き出し、小夜がかき回して、女神さまが降臨して下さった、私は何もしてません。」
「そうだな、三人の美女が動いてくれなかったら、今でも俺達は非生産的な話をしていたと思うね。」
「ああ、せいぜい訳の分からん団体に寄付するぐらいで、世の中良くならないねって愚痴ってただろうな。」
「美女の周りに真面目な人が集まり、真面目に金儲けって言うか、女神さまのパワー無くして今の猫桜会は有り得ないと思う、弱者の為に真摯に取り組む姿が多くの人を動かした。」
「それを言うなら松尾社長の力も半端なく大きいね。」
「いえ、女神さまの影響ですよ、始めは外見と言動に惹かれ、会わせて貰う機会を頂いて、話してる中でキラキラ光る石っころとかには興味が無いと分かり、彼女に対して最大の贈り物は彼女が守りたい子ども達を守って行く事だと気づかせてくれました。
事業を拡大して行く事は楽しいのですが、そこに更なる価値を見いだせたのは彼女のおかげです。
でも我々の本当のスタートはこれからですよね。」
「貧困状態に有る人を減らせたと言っても、全国的に考えたらまだ微々たるもの、桜花党が衆議院で勝利しないと本格的には変えられません、でもまずは参議院選挙です。」
「ああ、リアル桜花党には頑張って貰わないとね。
「藤井党首、乾杯を、お願いします。」
「又ですか…、そうですね、ここは化け猫亭のマスターにお願いしましょう。
我らが歴史に名を残す事が出来たら、その発祥の地というか、化け猫亭から始まった訳ですし。」
「え~、参りましたね…。
えっと…、次世代を担う若者達の成功を祈って!」

「かんぱ~い!」
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