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進路-09 [シトワイヤン-23]

地方都市で、地縁に基づく企業連携を目指すのが苗川企業部会。
その取り組みの一つに、企業による教育の充実を考えるチームが有る。
和馬さんも興味を持たれた様で…。

「智里ちゃん、君の周りは色々と進展が早くて、久しぶりだと何から教えて貰えば良いのか分からないよ。」
「はい、私も何からお話ししておくべきか悩ましいところです。」
「特に苗川企業部会関連は、動き始めて間がないことも有ってか情報量が少ないだろ、その中に企業による教育というワードが出てたよね。」
「はい、そのチームが考えてる教育は社員教育とか新人研修ではなく、主に中高生に対する教育です。
すでに幾つかの展開をイメージして可能性を模索していますが、いち早く実現させたいと取り組んでいるのは、高校中退や不登校をドロップアウトと捉えずにステップアップのチャンスにしようという企画で、間もなく第一弾の募集を始めます。」
「所謂フリースクール的な?」
「そうですね、まずは何が出来るのか、何をしたいのかなど話し合うところから始めることになるでしよう。
苗川企業部会として取り組むポイントは、様々な職業を体験出来る環境を整えることにより、人や仕事と向き合って貰うことになります。
その過程で、学校で無駄な時間を使う代わりに、将来に向けた生きた学習をしていると参加者が思える様に指導出来たらと考えています。」
「なるほどね、指導はどんな人が?」
「幾つかの企業から十二名、指導経験を会社に持ち帰るというという意識で選抜されてきました。
取り敢えず一年間の指導に当たるべく、今は万里が中心になって、指導の流れやポイントを研究しています。」
「人を相手にする訳だから、机上の空論になる恐れはないのかな?」
「すでに二名の中退者が、活動の趣旨、プログラムが正式運用前という事情を理解した上で協力してくれています。
移住者の中には子弟の不登校が理由だった人がいる、そんな情報は掴んでいました。」
「そうか、それで簡単に。」
「舞姫がプログラムに参加するという情報も流しましたので。」
「なんかずるいな、万里ちゃんを使えば何でも簡単だ。
それで、万里ちゃんと僅かな時間しか一緒にいられなかったとしたら、詐欺だと訴えられかねないぞ。」
「いえ、万里は中学卒業後、このプログラム参加者と共に苗川市内で職場体験をして行くつもりです。」
「万里ちゃんは大丈夫なのか?」
「体力的にきつい仕事は見てるだけですよ、そういう面の根性はないんです、あの子。」
「舞は結構体力を消耗するのだろ、舞終えた後はぐったりしてたよね。」
「そうなんですよ、心身ともに疲れ切ってしまうので制限しているのです。」
「それでも、企業からの依頼を受けたという事は、苗川企業部会設立を意識しての事だったのかな?」
「万里は、企業見学を舞を含めたイベント企画の条件に出しましたので、おそらくは色々判断してのことだと思います。」
「我らが舞姫は忙しくなってしまうのかな?」
「どうでしょう、拘束されるプログラムは控えめにしていますが、作業の処理速度が私とは違いますので。」
「早いの?」
「はい。」
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