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来日-01 [シトワイヤン-22]

「万里ちゃん、キャッシーが来日するのは知ってた?」
「はい、とても楽しみです、和馬さんは会ったこと有るのですか?」
「いや会ったことは無いが、なかなかの美人だそうだね。」
「浮気はだめですよ。」
「はは、大丈夫さ。」

万里は中二になってから少し背が伸びたそうだ、私には分からないくらいだが。
それでも、顔つきは明らかに大人びて来ている。
彼女の持つ不思議な魅力、彼女のオーラは成長と共に失われると予想する人がいたが、その予想に反し更に増していると思う。
大好きな人で守ってあげたいが、所謂異性に対する愛華や清香への感情とは大きく違うし、何故か守られている感覚も存在する。
一緒にいるだけでとても幸せな気分になる不思議な存在であることは全く変わらない。

「キャッシーとは良く話すの?」
「いえ、休みの日に、たまにテレビ電話で話しますが時差の関係が有り時間が合いにくいのです。
普段は姉がメールのやり取りをしているのを確認しています。」
「英語には慣れたみたいだと聞いているが、どう?」
「はい、和馬さんから、英語で話す時は英語で考える、と教えられたのを実行しています、たまに英語で考えて日本語で話してるのですよ。」
「智里ちゃんより余裕が有るという情報はホントなんだね。」
「余裕が有るというか、姉は必要が有って話さなくては行けませんが、私は第三者の視点で話せば良いことが多いので、話す力は同じぐらいだと思います。
キャッシーとのテレビ電話で引っ掛かる単語は姉妹同じなのですよ、同じようなステップで学習していますので。」
「君達ぐらいの力で難しい単語が出て来るという事は、難しい話もしてるということかな?」
「はい、日米の政治についてとか、キャッシーは来日した時、市民政党若葉を立ち上げた人達とも語り合いたいと話していました。」
「彼女は民主党共和党どっち?」
「中学の時は共和党支持だったそうですが市民政党若葉のことを知ってからは、周りの人ともテーマを変えてディスカッションやディベートをしてるそうです、自国の利益を追い求めるあまり、地球にダメージを与えて良いものかなど。
地球市民党の理念も研究中だそうです。」
「お爺さまの活動にも興味を持ち始めたのだね。」
「ええ、国のことを考えてると話す市民の多くは、自身の利益を基準としている小市民に過ぎず、社会全体のことを広くバランス良く考えてる和馬さんは素晴らしいと褒めてました、和馬さんの本を読んだ感想ですよ。」
「いや~、照れるね、万里ちゃんが勧めてくれたの?」
「はい、同じ本を読んでいることで対話がスムーズになります。」
「同じって、英語版?」
「私は両方読みましたよ、英語の授業中は英語の本を読んでいれば良いので。」
「万里ちゃんが先生の授業から学ぶ教科は有るの?」
「授業の組み立ては先生によって差が有ります、生徒の心情を把握出来てなかったり…、反面教師はそれなりにいますね。」
「今も教えたりしてるの?」
「はい、希望者のみに授業後十五分程度、その日の授業で気になったこととか。
その内容は学級担任が記録して教科担任に伝えてる筈なのですが、あまり授業に反映されてません。」
「万里ちゃんが授業を聞いてないからじゃないの?」
「本を読みながらでも聞いてますよ、本は視覚から授業は聴覚からじゃないですか。
授業には簡単な話しか出て来ませんから、普通に把握してます。」
「そういうものなのか。」
「はい。」
「う~ん、一つの仮説でしかないのだが、君の場合膨大なエネルギーを脳で消費してるから身長が伸びないというのは間違いだろうか。」
「その仮説は姉からも聞いています、無意識の内に脳を使ってるのだとか、私には普通のことなので良く分かりません。」
「もしかしてこうして話してる間も他事を考えていたりするのかな?」
「ええ、今日の晩御飯は何かな、とか。」
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