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智里-10 [シトワイヤン-21]

「智里、放送見たわ、イベントが上手く編集されてたよね。」
「うん、梨花もちょっぴり映ってた。」
「えっ、気付かなかった、というか気にしてなかった、帰ったらもう一回見ようかな。
メロディー言語って、音楽的には、良く分からない現代音楽よりマシかなというレベルだと思ってたけど、イベントを通してイメージが変わらなかった?」
「多言語による対話がメロディーよって成立…、でも微妙なところも有るでしょ?」
「普段耳にしないタイ語とかの響きが、意味を持つメロディーによって、新たな芸術分野を創造したとか、考えていたのだけど。」
「新たな、か、新しい遊びを生み出したとは実感したけど、まだこれから可能性を試して行く段階なのかな、プロが歌うと私達とは全然違うし。」
「大きい人の隣で一段とちっちゃく見えた万里ちゃんが、演奏では全然負けて無くて素敵だったわよね。」
「皆さんに褒めて頂いたわ。
演奏終了後、あの大きい人は万里をなかなか離さなくてね、英語で随分話してたのよ。」
「へー、何を話したのか聞いた?」
「ええ色々、それで次の名古屋公演に特別ゲストとして出演して欲しいって。」
「出るの?」
「ツアーの日程を調整して苗川まで来て下さったのよ、断れないでしょ。」
「見に行きたいけど、元々チケット高いし売り切れてるだろうし、それ以前に学校が有るからな…、万里ちゃんの生演奏が見られることを知らずに会場を訪れた人はどんな反応をするのだろう…。
もう、知名度はかなり上がってるけど、客層は違うよね?」
「万里のファンが更に増えてしまうのは間違いなさそうよ、名古屋公演はライブDVDを出す予定が有るそうで。」
「万里ちゃん目当てで買う人が少なからずいそうだわ。
万里ちゃん関連はアメリカでも売れ始めているのでしょ?」
「キャッシーがしっかり働いてくれましたからね。
メロディー言語関連のDVDも、思ってたより早く売り上げが伸び始めてると報告が入ったわ。
言語を覚えたいのか万里目当てなのかは分からないそうだけど。
でも、日本語バージョンを買って日本語の学習に役立てるという使われ方も有るみたい。
サイトでは基礎しか扱っていないからか、応用編紹介も売れ筋なのよ。」
「同じ言語を話す人同士なら応用編よね。
でも、万里ちゃんの離れ業に挑戦する人いるのかな。」
「台本が有っても無理よね、三人を相手にメロディーと歌詞、それと国際手話で対話、相手はホワイトボードを使った筆談二人と国際手話、万里には国際手話の存在を知って欲しいという思いが有ったみたいだけど。」
「録画されたのには台本が有ったの?」
「ええ、ただ、その前後には台本なしで結構対話してたのよ、三人を相手に。」
「う~ん、凡人はメロディーと歌詞を変えて情報量を増やすだけでも悩ましいのに。
でも安心したわ、万里ちゃんのDVDが売れてるという事は会社は安泰なんでしょ。」
「うん、キャッシーと手を組んだことが大きかったわ、著名なミュージシャンを動かしてくれたからね。
メロディー言語用に自作を登録して欲しいという依頼が増えてるの。
ということは、一瞬のブームで終わらない可能性を示唆してる訳でしょ。」
「そっか、ところで最近、智里は前以上に固い日本語を使ってない?」
「うん、万里の影響も有るけど、言葉について考えることが多くなって日本語を見直しているのよ。
日本語で話す時はメロディー言語化しにくい語句を使いたいとか。」
「英語で話す時も?」
「まだ余計な事を考える余裕、全然ないわ。」
「キャッシーとはテレビ電話で話したりしてるのでしょ?」
「困った事に、彼女は直ぐに私の英語力の低さを忘れてくれるのよ。
いつも近くに万里がいる訳じゃないって、梨花、キャッシーに言ってやってよ。」
「今度会った時にね。」
「ふふ、会う予定が全くないと思っているのね…。」
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