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智里-05 [シトワイヤン-21]

「お姉ちゃん、手話をしながら歌ってみたビデオ、見てくれた?」
「見たけど、三人の人と会話するという想定なの?」
「まだ、三人の人に対して一方的に話すレベル、対話になるとメロディーで話してる人と歌詞での人でタイミングが違って来るでしょ、手話の人は独立してるから問題ないけど。」
「話の内容が単純だから何とか三つの情報を受け止められたけど、三人同時に違う内容をまともに伝えるなんて無理だし、出来たとして何かメリットが有るの?」
「メロディー言語を世間にアピールして行くには、色々なパフォーマンスを考えなきゃ。」
「遊びなんだから難しくしない方が良いのよ。」
「でもね、どんな分野でも高いレベルを目指し道を究めんとする人がいるでしょ。
メロディー言語の可能性を示して行けばそうゆう人が現れるだろうし、それに釣られて基本的な会話に触れる人が増えるのよ、そうなればキャッシー達と考えてる会社が儲かる事になるわ。
手話を入れてみたのは、ちょっとやりすぎかもだけどね。」
「三人の人に違う話を同時に伝える、というサンプルとしてなら問題ないわよ。」
「他に、ピアノと歌で三つの話を同時進行というのも考えたのだけど、ピアノと歌のメロディーを聴き分けて理解出来たとしても、音楽的には悲惨な結果になってしまうのよ、二つの言語メロディー同時進行は駄目みたい。」
「でしょうね。」
「歌とピアノの掛け合いで一人で対話するという少し寂しいバージョンは成立するのだけど…。」
「ピアノは伴奏として言語ではなく話す時の口調…、というかイメージを伝えるのに使えば良いんじゃない?」
「イメージか、それも一つ情報なのよね、対話の時は表情も情報の一部、それに代わる…。
単なる言語に捕らわれず、もう一つの情報としての伴奏は成立するかもね。」
「二台のピアノによる弾き語り風、即興対話的演奏なんて、パフォーマンスとしては面白いだろうな。
あえて歌詞とメロディーで意味を変えて、情報量が増えてるところをピアノがどうフォローして行くかなんてどう?」
「問題はメロディーがあくまでも言語だから、総合的に見て音楽的レベルが低くなるという事かな。」
「そこは、歌とピアノでカバーしてよね、万里。」
「えっ、私がやる前提?」
「色々なパフォーマンスを披露して行かないとダメなんでしょ?」
「お姉ちゃんと対話するの?」
「私には無理、まあ、高校生達に挑戦状を叩きつければ誰かが…、まあ、万里と一緒に遊べるのだから頑張る人が現れるでしょう。」

頑張る人は何人も現れた。
実験的に行った演奏会風の対話は、ぎこちなく始まったが、演奏者が慣れて来ると結構聴けるレベルに。
ただ、普通の弾き語りでさえ簡単ではないのに、即興で伴奏を付けながら歌で会話するというのは長く続く筈がない。
万里だけは平気なようで、相手から話を引き出したりしたのだが、長い対話は精神的にも無理という結論に至る。
パフォーマンスを披露するにしても、即興ではなく台本が必要なようだ。
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