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起業-06 [シトワイヤン-20]

「お姉ちゃん、『苗川銘菓舞姫』は『舞姫万里と仲間たち』の売り上げに支えられてとなりそうね。」
「ええ、始めは本を売って少し収入が有ればと思ったのだけど、和馬さんにアドバイスを頂き、愛華さんに協力して頂いて…。
株式会社舞姫が安定することは嬉しいのだけど、高校生起業の危うさから簡単に脱却してしまったわね。」
「起業の難しさとは向き合えた?」
「まあね、『苗川銘菓舞姫』の商品化に時間が掛かってるでしょ。
普通は、売れそうな商材を見出してから起業する所を、高校生の実習を重視してスタートしたから仕方ないのだけど。
でも、原料の価格問題から輸入の現状を考えるチームが出来たり、包装材料からゴミの減量化を考えたり、そんな活動も『舞姫万里と仲間たち』で紹介出来たのは良かったわ。」
「感想の中に、一つの商品に幾つもの企業が係わってることを知ることが出来て良かったと有ったわね。
確かに細かく数えたら直ぐに何百社とかになるのかな。」
「えっ、そこまで?」
「包装紙の印刷に使われているインクの原料、その製造機械の部品とか地味に数えてみる?」
「う~ん、細かく数えるとそうなるのか。」
「原材料によっては、その一つの価格変動が利益率に影響するのよね。」
「『苗川銘菓舞姫』はお土産品ということで原価率を抑えての販売を考えてるけど…。
まずは売れる商品でないと。
その上での販売戦略。
勿論『舞姫万里と仲間たち』を利用して宣伝してる訳で、これで売れなかったら、かなり不味いお菓子だと世間が判断した、ということになるわね。」
「試食して頂いてどうだったの?」
「美味しいのだけど、もう一工夫というか、一ひねり欲しいという意見が出たわ。
それで、味に変化をつけ、形とかも工夫する方向に。
まあ、最終段階に入ったと現場責任者が話していたので、それを信じましょう。」
「漠然と苗川の名物、というワードから始まったのだから、アマチュアの集団としては早いくらいじゃないの?」
「大勢の大人たちの力を借りてだけどね。
それでね、万里がオーナーならばと工場用地を好条件で提供して下さる話が出てね。」
「好条件?」
「代金は株式会社舞姫の株で構わないそうで、まだお会いしてないけど万里の信者だと思うな。」
「信者ね…。」
「お年寄りで今更現金は要らないし、相続を考えたら土地より扱い易いだろうという話でね、百株券二十枚ぐらいでかなり広い土地が手に入るのよ。」
「『舞姫万里と仲間たち』が今後も順調なら配当を出せるのかな。」
「編集部は盛り上がっているわよ、自分達の記事が多くの人に読んで貰える訳じゃない。
苗川の高校生とCitoyenがタッグを組み、総合雑誌として月刊化を目指すとか、進学や就職といった真面目な話題を入れながら、万里の信者向けのコーナーを充実させるのだとか、お父さんが今まで撮って来た写真も上手く組み合わたいと、担当者はお父さんと交渉中よ。」
「愛華さんは?」
「乗り気よ、苗川発の情報で影響力を持ちましょうって。
高校生ライターを中心に大勢で記事制作に当たれば月間でもこなせるだろうって。
今から冬の記事を書いて秋に掲載しても良いのだからね。」
「そうね、雑誌という一つの武器を持ってると、そこから可能性が広がるのかな。」
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