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起業-05 [シトワイヤン-20]

「智里、お帰り~、お土産有難うね。
アメリカ土産が普通の宅配便で届いたという事は、かなりの数だったの?」
「ええ、梨花には手渡しでとも考えたのだけど、誰を手渡しとか考え始めるときりが無いから全員の分を苗川の営業所に一括で送って、配送して貰ったの。」
「かなりの金額になったのでしょ?」
「収入が増えたから支出も増やさないとね、旅行自体は招待で、お金は使ってないから。」
「『舞姫万里と仲間たち』が売れてるのは向こうで確認してたの?」
「うん、出版社が強気だったから気になってね。」
「予定通りの売れ行き?」
「いや~、まったく予測出来なくてさ、万里の新作DVDが売れてるから、それなりにとは思っていたのだけど、日本のテレビ局が万里を追いかけてロサンゼルスまで取材に来たぐらいで。」
「その放送見たわよ、智里も万里ちゃんも普通に英語話してて格好良かった。」
「はは、私は大したこと話してないのよ、イベントでは、ちっちゃい万里に政治経済の話が沢山振られてね、知らない単語が出て来ると英語で説明して貰ってたけど。
でね、客席で見てた和馬さんがイベント終了後に、きっちり苗川大改造の本筋を説明しきってくれたと話して下さったの、少し興奮気味だったわ。」
「流石、万里ちゃんね。」
「苗川の高校生が起業を試みてる話は、時間の関係で次回に、なんて話してたから、万里は夏休みにでもまた行くつもりかも。」
「映像では見られなかったけど、舞も披露したのでしょ。」
「ええ、Citoyenデザイナー渾身の作を身にまとってね。
梨花は新作DVD、見てくれた?」
「もちっと、ろん、見させて頂きましたよ、父さんがいち早く予約してたからね。
楽器の演奏を控えめにした分、神秘さが増してるし、なんだろう何もかも包み込んでくれる暖かい微笑というか…、万里ちゃんって、ちっちゃい頃から不思議な子だったよね。」
「でしょ、それを向こうの人たちも感じたみたいでね、舞の終了後、かなり長い沈黙を挟んでからの熱烈なスタンディングオベーション、万里は静かに微笑みながらお客様方を見回すのだけど、その振る舞いがまた神聖さを醸し出していてね。
その結果、DVD、Blu-rayとも注文が殺到してるのよ、宣伝はお客さんがしてくれて。」
「そうか、言葉は関係ないし、でも英語圏で売れ始めると桁が違うのでしょ?」
「うん、当然、ポスターとか関連商品の売れ行きも伸びているから、工場の一つぐらい万里のお小遣いで建てられるかも知れないわ。」
「万里ちゃんが稼いだお金…、普通の新中学一年生なら持て余す様な金額でも、万里ちゃんは把握してるの?」
「間違えて脱税してしまうぐらいなら、払い過ぎる様にと言われるけど、本人、算数も得意でしょ、公認会計士とか税理士とかの資格を目指そうかなって話してたの、一応、帳簿のミスをして万里に指摘されることの無い様、担当に再度注意しておいたところよ。」
「彼女なら、どんな資格でも取れてしまいそうよね、私も頑張ろ。」
「梨花は将来の仕事、考えてるの?」
「親戚の店を継ぐ話が出始めてね、苗川大改造が無かったら無かった話なんだけど。
経理とか事務の事は学習しておきたいと思ってるんだ。」
「そっか、私もね、起業の活動を始めてから、自分が如何に何も知らなかったのか気付いたのよ。
クイズ番組を見る時ぐらいしか役立たない様な、高校の世界史とかでなく、大人になって働く時に必要な知識をね。」
「へ~、そうなの、智里は本間市長の懐刀として立派に働いてると思ってたけど。」
「色々教えて貰いながらなのよ、本間さんは私を教育する為に近くに置いて下さったのだと思って動いているのわ。」
「将来は市長とか?」
「そういうことは急がなくて良いそうでね、高校生起業とか色々経験を重ねた後に決めて行けば良いって言われているの。」
「ふふ、選択肢の一つでは有るのね。」
「いやいや、市長って大変なのよ。」
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