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鹿丘小学校-07 [シトワイヤン-16]

テレビの打ち合わせは本間市長の家で。
四人でお邪魔する。

「こんにちわ~、あっ、愛華さんもいらしてたのですね。」
「ええ、万里ちゃんと絵里ちゃんに会いにね、二人とも少し見ない内に一段と可愛くなったわ。
鹿丘小学校の報告は時々見てるのよ、転校生とも仲良くなれて良かったわね。
まず衣装の準備をするから、二階へ行きましょう、御免、スタッフが待ってるから男の子たちは後でね。」
「愛華さん、衣装って?」
「何着か用意したのを着てみて欲しいの、採寸もするけどね。
今回のテーマは理知的な美少女を引き立たせ、ちょっぴり大人を感じさせる。
女子中学生をターゲットに販売を考えてるのよ、売れても売れなくても鹿丘小学校に寄付をするから、モデル、お願いね。」
「愛華さん、そんな話し聞いてませんよ。」
「難しく考えなくて良いのよ、衣装を着ていつも通りにしていてくれれば良いのだから。
ただ、モデルの契約がどんなだか知りたくない?」
「万里、愛華さんずるいよね、私達が好奇心の塊だって知っててさ。」
「ふふ、こんな大人にはなりたくないよね?」
「愛華さんみたいな素敵な女性になりたいです!」
「その言葉に恥ずかしく無いよう気を付けるわ、じゃあ後はスタッフの指示に従ってね。」

何着か試着し写真を撮られ、髪は撮影当日まで切らないで欲しいとお願いされる。
終わって一階へ降りると男子は簡単に済んだそうで、翔太が転校がらみの話をしていた。

「鹿丘小の意識改革は戸惑わなかった?」
「そうでも無かったです、意識の高い子達は先生からも大人扱いされていて、大きな声では言えませんが大人と子どもが同じクラスで学んでいる様なもの、前の学校でも学力差が有りましたが、更に人間的に大きい人がいて、でも、みんなその差を受け入れて仲良くしています。」
「そういったことも、番組で紹介して行きたいと思っているのだよ。
さて、女の子達も降りて来たから、打ち合わせを始めよう。
今から四十分ぐらい話し合って休憩で良いかな?」
「はい。」
「番組では、今の鹿丘小を紹介、柱になるのは『教える』という学習の意味と『格好良く』が中心になるが、これから転校して来る子の親を意識している。
テレビでの放映時間は十五分程度だけど、それを気にせず話して欲しい。
なんなら途中に休憩を入れるからね。
編集したのを番組で、あまり編集しないのを、市民政党若葉のサイトで閲覧出来る様にする。
それで、大まかな分担と全体の流れなんだが…。」

四十分間しっかり集中して意見を出し合い準備した。
前半は、絵里が主に学習面の話、私が意識改革中心の話、翔太が転校生として、真一が転校生を迎える側として考えたことを中心に、後半は具体的な事例を紹介しながら話を進める。
進行は司会者に任せるが要所要所は本間市長が仕切るということなので安心して話せる。
絵里と私は普段から大人達と話してることだけど、翔太と真一は違う立場からどう伝えるか更に打ち合わせをすることになった。
そして昼食には愛華さんも同席。

「ふふ、話し合いの様子を見てると子ども離れしてるのに、おいしい料理を前にすると普通のお子様なのね。」
「え~、私は普通の子どもですよ。」
「おいおい、一番小学生離れしてる万里が言うなよな。」
「え~、身長だけは中学生並みの真一に言われたくな~い。」
「はは、万里は十万十二歳になったばかりの苗川のアイドルだとか、うちの職員が話してたが、実の所どうなんだ?」
「もう、市長まで…、私は普通の小学生ですよ、お父さんやお母さんに甘えることも有るし。」
「万里がお父さんにおねだりして買って貰うのって、何か違うのね、無意識に大人びたのを選んでるの?」
「えっ、絵里、そうかな…、う~んお姉ちゃんに影響されてるのかも…、でも今更…、お姉ちゃんからは合格点を貰ってるし。」
「万里ちゃんのお姉さんは高校生だったわね、歳の離れた姉妹ってどうなのかしら?」
「愛華さん、お姉ちゃん達が『格好の良い子どもになろう』を始めたのですよ。
今は本人曰く反抗期だそうで、両親とはあまり話さなくなっていますが、私のことはずっと、母は私を育てたのは姉だと言うぐらい大切に可愛がってくれる大好きな姉なのです。」
「へ~、それなら市長も、彼女のお姉さんの事はご存じなのです?」
「はは、ご存じも何も私のブレーンの一人だよ、女子高生でもうちの職員は頭が上がらなかったりするぐらいのね。
彼女達が構築中の高校生組織はすでに影響力を持ち始めているんだ。」
「本間さん、それは初耳です。」
「彼女が高校生になってまだ三か月ぐらいだからね、我々の意識改革が洗脳や宗教と間違われない様に動いてくれてるよ。」
「『格好の良い子どもになろう』で育った子達が次のステップに向かっているという事ですか?」
「ああ、市民の意識改革はこれからの移住者を迎えてからが本番とも言えるからな。
まあ、頼もしい小学生達が一市民として支えてくれているから大丈夫だけど。」
「一市民ですか、本間市長が万里ちゃん達を子ども扱いしないから、子ども達が人間的に大きく育っているのですね。」
「まあ、安心して大人扱い出来る子は多くないのだが、その力、影響力はとても大きいんだよ。」
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