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或る日の-08 [シトワイヤン-15]

或る日の昼食中、注文したものが思っていたより量が多くて。

「このメニューは私にとって適正カロリーでしょうか?」
「大丈夫だよ、清香はもう少し体積を増やしても問題ない、どう見ても適正体重の範囲内だろ。」
「和馬の目から見て問題なければ良いのですが。」
「そもそも適正と言っても幅が有るだろ、適正な給与水準というのを検討している部会を少し覗いてみたがかなり難しそうだったよ、適正価格ならある程度計算出来るのだろうがね。」
「給料ですか、私達はどちらかと言うと払う側になっています。」
「清香の所は給料、どんな形で決まっているんだ?」
「乾社長は、東京の企業に合わせる形で設定したそうです。」
「社員から不満とかは?」
「越して来て支出が減ったという社員が多く、三人目の子を考える夫婦や結婚に前向きな人が増えてるそうで、結婚祝いや出産祝いはまだまだ続きそうです。」
「給料に関する不満は無さそうなのかな。
党の部会で検討していたのは、健康で文化的な生活を送りながら、普通に結婚出来、三人以上の子を儲けることが苦にならない給与水準なんだけど。」
「標準的な目標値ですか…、標準的な計算式を割り出すにしても、条件の差が大きくて簡単に結論は出ないと思います。
苗川での比較的地味な生活に満足できる人と、それには満足できない人がいる訳ですので。」
「確かにな、年収一千万でもローンに苦しむ人と、五百万でも貯蓄を増やす人がいるそうだ、その辺りの教育が行き届いていないのかも知れないね。
清香は、株を売ったり銀行から借り入れたりして資産を随分減らしたが、新たに手に入れた株式が安定した資産になりそうなんだろ。」
「そうですね、このまま行けば遠くない将来全体の評価額は以前より大きくなりそうです、株を担保に更なる借入も出来ます、乾社長のおかげですが。」
「そうか、そんな世界とは無縁な社員の皆さんは、給料を適正な額だと判断しているのかな?」
「会社として、お金に関する学習会を開いています、給料と売り上げの関係など、乾社長は企業活動と売り上げ、給料の関係を社員が分かっていないと企業は伸びないと考えているのです。」
「社員としてのモチベーションに繋がる問題なのか…、でも、会社に不満を持つ人達は論理的に考えなさそうだ。」
「うちはブラック企業では有りませんので関係有りません。
比較的地味な暮らしをしている社員達は、豊かな自然に囲まれ気の合う仲間たちと働く環境から、かつての村落共同体を意識しているそうです。
最近出て来たのは、教育費を家計から分離し社員全体で持つという案。
残業が無くなり空いた時間を子ども達の学習援助に当ててる人が何人かいらして、教育についての議論からだそうです。」
「村全体で子どもを育てるのか、昔の村落共同体以上に子どもを社会で育てるという意識なのかな。」
「子ども好きな独身社員が、率先して子どもの相手をしているので、母親の負担が減っているのだとか、子ども達が集団で遊ぶ切っ掛けを作り、都会とは違う人間関係が子ども達の中にも出来つつ有るそうです。」
「教育系の学生が興味を持ちそうな話だね。」
「はい、乾社長は学生向けの宿泊プランと共に学生にアピール。
また、社員中心に文をまとめ私の写真付きで本にするつもりです。」
「はは、さすがだな、という事は実験的な取り組みを後押しし、本の印税は大学進学の費用にとか考えていそうだね。」
「ええ、大企業には出来ない取り組みを実践、成功したら広げて行くと言うのが彼の考えです。」
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