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或る日の-03 [シトワイヤン-15]

或る日の夜、食事を終えて。

「地球市民党、個人参加者の国籍は三十を超えたみたいね。」
「国境を越えて研究者が研究者を紹介しているのだろ、このまま推薦だけで広げて行くのか、別の参加方法も設けるのか、微妙だよな。」
「今は地球市民党の理念を理解して協力して下さる方を党員に推薦して頂く、国家を超えていますので無難だと考えている人が多いです。
ただ、一部の国際的な学会では党員になる事が権威の象徴になりかけているとの話を耳にしました。」
「あくまでも同じ理念に賛同した人の集まりだが、考えの幅が狭くなり過ぎるのは良くないよな。」
「推薦者を必要としない、自薦の人を審査して行く体制を作りますか?」
「審査基準が難しそうね、今まで通り党員審査を厳しくしない代わりに、党員として相応しくない行動を取ったら党籍剥奪みたいなルールの方が良いかも、問題は新たな党員の受け入れ態勢かしら。」
「後から入党した人を邪険に扱う人がいたら、党籍停止とか党籍剥奪とすべきです、地球市民党の党員と言えど心の狭い人や私利私欲を考える人が出て来ないとは言い切れません。
地球市民党、党発起人会として声明を出しても良いのでは有りませんか?」
「そうね、それがどう受け止められるのかも見ておきたいわ、善意の人によって運営されてる筈だけど人の心は…、文案、作ってみるわね。」
「シンプルな提案と丁寧な説明、愛華の文は分かり易いです。」
「だよな、ただ、たまに思うのは読んでる人達が、書き手の意図と違う受け止め方をしている可能性、イギリスとアメリカは英語を使っているが違いが有る、ましてや母国語として使ってない人達はどうなんだろう。」
「日本に於ける日本語だって読解力の無い人が存在するでしょ。
英語の一般的な単語でも、一つのグループ内だけでスラングの様に使われていたら、その単語に対する認識は他とは違ったものになりかねないのよ、訛りの問題も有るしね。
同じ文章を目にしても、和馬の言う以上に受け止め方は千差万別だと思うわ、それぞれの経験が千差万別なのだから。
それでも文章で説明するしかないというのが、国際交流の難しさね。」
「通訳や翻訳家の資質も問題です、私達の本は海外でも売れていますが、どこでどう間違ったのか…。」
「日本の週刊誌がいい加減なでっち上げ記事を掲載するのと同レベルのマスコミが海外にも存在するという事だろ。」
「そうね、地球市民党が拡大して、党発起人会が党員にどの程度誤解されているのか確認しておきましょう、それを意識した声明文にするわ。」

愛華がまとめた地球市民党党員に向けての声明に対し、党内で先輩風を吹かせていた人達は重く受け止め、反省、党内システムを見直し始めた。
色々な誤解から俺達は地球市民党に於いて大きな存在となりつつ有ることが確認出来たとも言える。
だが、それを党のスタートに係わった連中は気にも留めていない。
民主的な組織に於いては否定されるべき存在なのだが、正義の絶対的存在は組織を強固なものにし、面倒な手続きを跳ばせる唯一の存在だというのが、彼らの言い分で、まあ、俺達は信頼されているのだ。
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