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地方支部-10 [シトワイヤン-10]

『脱東京』と銘打った苗川市からの放送、冒頭は苗川市役所の屋上から見える山並みの風景から。
局アナが簡単に番組の趣旨説明をし、苗川市を紹介するVTRへ。
簡単に済ませたのは屋上が寒かったから。
市役所内の一室へ移動して。

「今日のゲストは苗川市の本間市長です。
これから一か月間、苗川市全面協力での放送になります、市長、宜しくお願いします。」
「こちらこそよろしく。」
「市長になられてまだ日が浅いですが市政は如何でしょう?」
「私達が目指しているのは、市民一人一人にも市の事を考えて頂く市政、そうですね、税金を払って公的サービスは市にお任せ、というのでは無く、案を出し合い、市民のお力をお借りして、住み易い町にしようとしています。」
「あまりピンと来ないのですが。」
「大都市では不可能でしょうからね、人口三万、その内の二万人が市民政党若葉の党員。
党支部が発足してから、町がどんどん綺麗になっているのですよ。
党員に対して強制は一切有りませんが、掃除や草刈だけでなく、空き家や耕作放棄地をどうして行くか、住民自らが党員の立場で地主と相談しています。
その一つの結果が、瀬田和馬くんに十万円で購入して貰った土地です。」
「あの土地は皆さんが協力して整地されたと聞きました。」
「和馬くんからの依頼は単に耕作放棄地などを買い取りたいという話だったのですが、使い道が決まってから整地するのではなく、取り敢えず整地してみてはどうかという話が出ましてね。
実際に整地してみたら景観が良くなりましたので、他の土地でも検討しています。
まあ、使い道が見つからなかったら和馬くんに売りつけますが。」
「お願いします。」
「和馬は余裕で引き受けるの?」
「ええ、梅子姉さん、新会社を立ち上げ企画を進め始めたらログハウスが何件も建てられるだけの資金が集まりましたからね、趣味として建てたい人が作業して下さいますので人件費は掛かりません。
オートキャンプ場と野菜畑を併設した、株主優先の宿泊施設になります。」
「土地を提供して下さった地元への貢献は大丈夫?」
「本日午前中の地鎮祭にはカメラを持った人が大勢集まって下さいましてね、その方々の多くは市内の飲食店で食事をされたのですよ。
その辺りの情報を流し活躍してくれてる新会社の社員は東京へ働きに出ていた人、まだ細やかですが彼の故郷に雇用の場を増やせそうなのです。
ただ、本間市長は単に人口が増加すれば良いと考えておられるのでは無く…、市長を目の前にして自分が話すのも変ですのでお願いします。」
「はは、梅子姉さん、和馬くんは、すでに大きな経済効果をこの市にもたらしてくれているのですよ。
その力を借りて実現して行きたいのはですね。
豊かな自然環境を守りながら、行き過ぎた競争社会とは違う価値観の町、人口は少し増やすつもりですが、より健全な住環境を実現させたいのです。」
「それは住む人の価値観を変えるという事でしょうか。」
「年収一千万のストレスだらけの生活、年収五百万ののんびりした生活、そんな選択肢が有る事に気付いていない人もいるのですよ。
様々な不幸によってストレスを抱えている人もいますが、私達は、よりストレスの少ない町、バランスの取れた町を目指しているのです。」

本間市長は市長になる前から、市民政党若葉苗川支部支部長の立場で、この提言をされて来られた。
それを受けて、大都市には無い魅力的な町にしようと動く住民の熱さは本間市長の人柄によるのだ。
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