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九月一日-01 [シトワイヤン-09]

九月一日、市民政党若葉リアル党本部開設。
今まで党本部はウエブサイト上のみの存在だったが、康太が部屋を用意した。
何が違うかと言えば、住所が公開され郵便物の受け取りが可能になったという事ぐらい。
固定電話を置いてないのは電話対応の無駄を考えての事、単純に人件費の節約。
元々ネット上で完結している、党本部に電話を掛けて来る人物にまともな人はいないと判断した、株式会社和馬から本日付けで形式上移籍した職員に、無駄な仕事をさせたくないのだ。
リアル党本部に多くの報道陣が入るスペースは全くないので、党本部開設に関するイベントには近くのホールを借りた。
午前十時、報道陣のカメラに囲まれて…。

「ネット上に出現した市民政党若葉、その可能性を多くの人が考え…。」
と、党代表のスピーチ。
その後、党発起人会代表として自分が指名される。
「始まりは、昨年四月、発起人会の四人が初めて出会った場で、今の政党には魅力を感じない、と愛華が漏らした一言でした。
それから多くの助言と手助けを頂き、ネット上に政党システムを誕生させることが出来、その時点で、発起人としての役割は終わったと思っています。
この政党システムは、その可能性を感じて下さった党員皆様のものとして歩みを始め、私達は一党員として、ただ学ばせて頂く立場となりました。
様々な偶然が重なり市民政党若葉は、短期間でその体制を整える事に成功しましたが、それは党員になって下さった皆さんのお力です。
本日、市民による市民の為の政党として、更にランクアップした市民政党若葉を誇らしく思っていますが、まだスタートに過ぎません。
これからも、皆さんと共に嘘偽りのない魅力的な党を目指して歩んで行けたらと考えています。
宜しくお願いします。」
こう言ったスピーチは苦手だ。
でも、愛華は笑顔で合格点をくれた。
次は清香の出番。
「ここからは、本日より市民政党若葉の地域支部を紹介させて頂きます。
ちなみに、各支部は所属議員の名簿と共に党のサイトで公開していますので参考にして下さい。
この後のネット配信は生中継とVTRで各地の支部を繋いで行きます。
スケジュールはこの様になっていますので、皆さんお住まいの地域支部を見逃さないで頂きたいですが、本日の映像は、四日以降、党サイトでも支部毎に閲覧可能な状態にさせて頂く予定です。
最初の中継は最近ファンを増やしつつある、芳樹先輩の担当、お願いします。」

ネット配信、俺達の出番はしばらくないので、モニターを見ながらくつろぐことに。
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九月一日-02 [シトワイヤン-09]

モニターに映し出された映像には、旅の初日にお話しさせて頂いた市長と市議会議員達、その後ろには党員の方であろう大勢の方々の笑顔が並ぶ。
皆さんCitoyenブランドのシャツやパーカー姿、色もデザインもバラバラでお揃いとは言えないのだが、全員がCitoyenブランドに身を包んで下さってる事は間違いない。
芳樹先輩、市長を紹介した後は市議会議員の皆さんですと簡単に済ませた、人数が多いのだ。

「この市がトップで紹介された理由は党員の方ならお分かりだと思います。
党支部のシステム活用をテストの形で進め、すでに幾つかの提案が実行に移されようとしています。
その一つを紹介して下さるのは、影山市議です、お願いします。」
「はい、影山です、この支部は市民政党若葉の可能性に一早く気付いた議員が、市長を巻き込み一丸となって党支部を立ち上げました、市政改革を進める手段としてです。
それに伴い、今まで市政を応援して下って来た方々にも紹介し市民政党の党員になって頂きました。
このシステムをテスト運用して行く内、様々な可能性に気付かされたのですが、私からは過疎地の活用プランを紹介させて頂きます。
合併により拡大した我が市の東部は過疎化が進んでいます。
過疎化は難しいテーマですが、肩の力を抜いて取り敢えず過疎地を活用する案を出してみてはと一市民の方が提案して下さいました。
過疎化が進むのは残念だが、自分達にとっては所詮他人の土地だという声も有りましたが、実際の所、所有者が税金を納めるだけで放置されている土地が増える一方、田舎暮らしに憧れながらも土地を持たないので田舎への移住は考えにくいという方もみえました。
このアンバランスな状態に対して、取り敢えず、ならばと、幾つもの案が出て来たのです。
都市部に住まわれてる方からの、取り敢えず過疎地域へ行ってみようとの呼びかけに応じた人たちは、過疎地在住の党員に協力して頂き、過疎地区の集会場で交流、地元の方の参加も有り、耕作放棄地の状況を確認、ネット上に上がっていた案を検討しました。
その流れで、地主側からはきちんと管理されるので有れば土地を好きに使って貰って構わないという人が現れました。
現時点で検討しているのは、耕作放棄地に花の種を蒔いて自然任せでどれぐらい咲くのか観察、党員が共同で管理する市民菜園、遊び感覚で遊び場を作る企画などです。
それらは党のサイト上で楽しく意見交換しながら、可能な事を実践し始めています。」
「映像を見ていますと大勢の方が参加されてるのですね。」
「はい、過疎地と言っても町から毎日でも通える距離です、今までは自分と無関係だった土地が自由に遊べる土地になった事で、町の人にとって心理的な距離感がとても近くなったと思います。」
「今までは出来なかった事なのでしょうか?」
「はい、今は党の企画として党のシステムを利用して進めていますが、これを市が行政として行うとなると、一般市民に対する広報、意見交換をする会議、その為の予算化など、時間と手間が掛かっても、参加して頂ける方は僅かで、おそらく税金と時間の無駄にしかなりません。
市民政党若葉のシステムが地方行政に於いて如何に有効なのかは、これから各地で証明されて行くでしょう。」
「心強いですが、党の活動としてスタートという事は、党支部と市との関係はどの様になるのでしょうか?」
「他の政党から横槍を入れられない様に配慮しながら、拡大できる所は党員外の人にも広げて行きます。
また、党員になって下さった大企業の幹部の方からは、企業の福利厚生の一環として過疎地の有効活用を考えるという話も届いています。
党支部サイト立ち上げ時には思いもしなかったスピードで過疎地の有効利用が進もうとしているのです。」

この様な展開は、自分達が党を立ち上げた時には思いもしなかったことだ。
一つの目的を持った意見交換の場、党支部サイトでの討論を近所の人と話し合ったり、会社の同僚と話す人が少なからずいる。
その人達の意見が集約され、大企業を動かす事に繋がったと聞いている。
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九月一日-03 [シトワイヤン-09]

番組では、市を紹介するVTRや、七つの市で同時開催されている市民祭と称してのお祭り風景も流されている。

「先ほどの市は大都市圏の一角に位置しますが、私たちの市は大都市から遠く離れています。
今回メインで紹介させて頂いています七つの市は地理的に離れていて、これまで全く交流は有りませんでした。
隣の県ならいざ知らず、離れた県の地方都市、大都市相手なら経済的な結び付きを強めたい所ですが、人口が然程多くない地方都市が交流するメリットは少ないかも知れません。
それでも、市長が同じ政党に所属する地方都市同士、何か協力出来る事はないかと、市民政党若葉主催の市民祭を開いたのです。
市民祭では、ご覧の様にそれぞれの特産品を互いに販売し、音楽などを通して人的交流をしています。
先ほど各会場に問い合わせた所、どこも多くの人が集まり売れ行きは好調、赤字の心配は全くないとの事でした、今後も続けて行けたらと思います。
さて、この市民祭、今回は七つの市で開催ですが、私どもはここから更なる広がりを模索しています。
それは地方都市連合です、大都市圏に人が集中して行く事に地方は贖えませんが、大都市圏に対抗出来る何かを見つけて行きたいのです。
大きな目標は地方の声を結集して政府を動かせるだけの力を得たいという事。
地方の市町村がバラバラに動いていたのでは、必要な法案一つ、なかなか通せません。
七つの市が協力しても小さな力でしか有りません。
でも、市民政党若葉という無垢な政党が私たちに新たな可能性を示してくれたと思っています。
地方都市連合構想が、これからどこまで広がるかは未知数です、市町村連合と発展出来るのか、そこに県が絡んでくれるのか分かりませんが、私達に一つの可能性を示してくれた市民政党若葉に、党発起人の素敵な若者たち、そして、それを支えて下さった偏らない視点をお持ちの皆さんに感謝しています。
では続いて、山川市議です。」
「はい、私は、この市の支部事情を、少しお話しさせて頂きます。
この支部の議員に占める市民政党若葉率は高いですし市長も早々と党員宣言をしましたが、実は寄せ集めなんです。
私は、市議会に於いて、先ほどの伊藤市議とは別会派でした。
でも、市民政党若葉の理念に触れた時、党利を優先しバラバラに活動していては実のある事が出来ないと思ったのです。
市会議員が市民政党若葉の一員として団結することを提案し、今日の党支部正式発足に繋げました。
皆さんに考えて頂きたいのは、本当に純粋無垢な市民政党若葉の下に、全国の地方議会議員が結集したら大きな力になるということです。
オープンな環境は私利私欲の議員を排除してくれると思いますし、真の意味で党員の声に耳を傾ける事の出来る政党として拡大、そして国政へと期待しています。
この場には、その先駆けとして決断してして下さった中村衆議院議員に来て頂いております。
拍手を持ってお迎え願います。」

この市は寄せ集めの割に上手く早くまとまったのだが、それは党員達に見える所で意見交換したからだという。
全ての党支部で、党の所属を希望した議員は、党員による審査、信任投票を受けて貰った、ほとんどの議員が信任されたが、信任されなかった人もいる。
人間的に問題が有るのに何かの間違いで当選してしまった人達だそうだ。
中村衆議院議員は勿論そんな人ではない。
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九月一日-04 [シトワイヤン-09]

衆議院議員の中村氏は、市民政党若葉入りを国会議員として三番目に名乗りを上げて下さった方だ。

「中村です、本日付で正式に市民政党若葉所属の衆議院議員と成らせて頂きました、宜しくお願い致します。
選挙の時、所属政党を意識して投票された方には申し訳ないという気持ちが有りまして、正直、迷った所は有りますが、少し決意するまでの話をさせて頂きます。
始めて市民政党若葉のことを知ったのは、支持者の方から教えられての事でしたが、その時は大学生のお遊びなのかと思っていました。
しかし、その後の成長ぶりを見ていると、ネット上に誰でも閲覧できる形でまとめられていく理念や方針は、私が理想としていたものと大きく違いません。
むしろ所属していた政党の現実より近く、そうですね国会議員を初めて目指した日を思い出させてくれました。
市民政党若葉なら、企業や団体との利害関係が弱く、もし不正が行われようとしても党員の目がそれを許さない、そんな政党なら日本をもう少しバランスの取れた国へと方向付けして行けると考えました。
そう思い、私を応援して下さっている方々と相談した所、発起人達のイメージがとてつもなく良いそうで、自分達も党員になるので、是非市民政党若葉の所属になって欲しいと後押しされたのです。
さて、人の心を掴んでいる、未来の有る政党の一員になり私に何が出来るか。
実は野党議員や与党議員でも当選回数の少ない、党内で力を持たない議員に出来ることは限られます。
市民政党若葉は、まだ国政政党と呼べませんので尚更かも知れません。
それでも、市民政党若葉は党員アンケートを元に議論を重ねた、党の考えを常に発信しています。
まずは何時でも簡単に実施出来る党員アンケートを武器に行政と向き合って行こうと考えています。」
「今まで党の中で議論されてきた事を国会の場で主張して下さるのでしょうか?」
「正直、今は簡単では有りません、我々の意見を国政に反映させるには、市民政党若葉が政権を握る必要が有ると考えています。
私の役目としては、国会議員を経験している目線から、次の候補者を掘り起こしていく事も考えています。
詳しくは党のサイト内で発表させて頂きます。」
「簡単な事ではないのですね?」
「はい、誤解されると行けません、皆さんには、まず、国会議員に相応しいのはどんな人なのかを考えてみて頂きたいです。」
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九月一日-05 [シトワイヤン-09]

この日を正式な発足日と定めた党支部は、議員が一人だけとか、議員のいない支部を含めると数十に上る。
党支部としての最低条件は党員選挙で選ばれた支部長がいること。
番組では、市長や議員の信任投票や党員選挙がネット上に存在する選挙管理委員会によって管理されてる事も紹介。
そんな話を見ながら俺達は雑談。

「これからは党内の選挙だけで無く、国政選挙や首長選挙、県議会議員選挙、市町村議会議員選挙を視野に入れなくてはならないのですね。」
「そうなると、国会議員に相応しいのはどんな人なのか、という中村先生からの宿題に取り組まないとな、和馬はどう思う?」
「採決の時に、間違える事なく党議拘束に従った投票が出来れば良いんじゃないのか。」
「それなら康太でも出来そうね、でも法案を検討したり出来なくても良いの?」
「不祥事を起こさず、台本をまともに読む事が出来て失言をしない、党の方針に従い選挙には間違いなく勝てる、そんな国会議員を与党の幹部は求めてると思わないか?」
「否定出来ないわね、重要なのは選挙か…。」
「市民政党若葉が候補者を立てるとしたら、絶対当選して下さる方にお願いしたいが…、議員としての資質は考えなくても良いということなのか?」
「難しい所だね、党の幹部には指導力や判断力が求められる、だが、そんな能力に長けている人は他の分野で活躍されていても、知名度が欠けるかも知れない。
党員からの得票だけで当選ラインを越えられるのなら何とかなるだろうが、それはまだ現実的ではないな。」
「確かにそうだ、中村先生達が党に入って下さったが、暫くは弱小政治団体として頑張って頂くしかないのかな。」
「弱小では、魅力有る政党と言えないわね。」
「ふふ、和馬、何か企んでることが有るのですね、鼻の穴が微妙に膨らんでいますよ。」
「清香はそんなとこを見てるのか、油断出来ない…、まあ、企んでいると言う程の事でもないのだが、議員を個人として捉えずにチームのリーダーと考えるのはどうかな?」
「う~ん、今でも政策秘書とかがいるのでしょ。」
「もっと色々な人を加えて、そうだな秘書だって表に出て良いし、チームの広報担当が歌って踊れたら、政治資金を集めるパーティーの華になるんじゃないか。」
「そういう人もチームに、でも、そういったパーティーは必要なものなのかしら?」
「人件費を考えたら収入源は多いに越したことはない、でも和馬、パーティーに拘る必要はないよな。」
「ああ、党で働く人は増えて行く、その人達が安定した生活を送れるだけの体制を作る為なら手段を選ぶ必要はないね。」
「それは分かりますが、国会議員をチームとして捉える考えをもう少し教えて下さいませんか?」
「うん、知名度の高い人が優秀なブレインをチームに抱えて選挙に出馬、リーダーとしての役割が果たせたら、個人よりチームの方が魅力的だと思うんだ。
政策に係わる人だけでなく、衣装担当や秘書を含めてのチームが良いかな。」
「国会議員に相応しいのは、そんなリーダーシップを持った人ということかしら。」
「それなりに魅力的でないとリーダーは務まらないと思うわ。」

ブレインになるのなら被選挙権は必要ないし、人数制限もない、という所から暫く盛り上がった。
愛華がブレインとなり、議員より目立っても良いのだ。
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九月一日-06 [シトワイヤン-09]

番組は進み党組織改編の話、俺と愛華のVTR映像が流される。
この改編は、党のサイトを閲覧している党員にとっては既知の事だ。

「和馬、党内の組織が変わって行くのよね。」
「ああ、サイトでは議論が進んで形が出来つつ有るが、党員になりたての方もお見えになるだろう、ここで紹介させて頂くよ。」
画面には現在の組織図が。
「骨組みを日本の行政機関に合わせた筈が、もう随分違う形になってるわ。」
「党では省庁や大臣の数に合わせる必要がないから、大きなテーマ毎に分けたのさ、農林水産業を一つの括りとする意味はないだろ。
敢えてバラバラにしてから、関連する部分をどう繋げるか検討して行くんだよ。」
「農業部、林業部という事で大臣に当たる人は部長になったけど、今の政府にはない部署も有るのね。」
「まあ、どこかの管轄には似た様なのが有ると思う、部の下に課や係りも有るが分かり易いネーミングに苦労しているそうだよ。」
「それぞれが検討している課題を党員の皆さんに伝わり易くする、名称は党員の皆さんから募集しているのでしょ?」
「勿論さ、それでも検討中の課題にだって価値観の相違によって話が進みにくい事はいくらでも有る。」
「そうね、急激な党員増加による歪も有って、憲法九条の改正に関して党の方針に疑問を持たれてる方も見えるわ。」
「そうだな、党組織を強いものにして行くためにも大切なことだから皆さんに考えて頂こう。」
「憲法九条の問題は、平和憲法として変えるべきではないと考える人と、普通の読解力を持つ中学生なら自衛隊が憲法違反だと判断できる、今の条文をこのままにしておくのは不味いと考える人が対立してるのよね。」
「陸海空軍その他の戦力は、これを保持してはならない、では自衛隊は何なのかって矛盾が放置されたままで良いとは思えない。
自衛隊はいらない、米軍に守って貰えば良いと考えてる人や、日本の領土が他国に脅かされる事は無いと信じている人、まあ大都市に住み美味しいお魚を食べていても、領海や水産資源の事を考えていない人、他国に島の一つや二つ差し上げても大人しくなってくれれば良いなんて理解の人は市民政党若葉を離れ別の党を支持して下さい、と言うのが党の方針。」
「平和憲法と言えば聞こえが良い、でも、法律は感覚的な感情に流されるもので有ってはならないシビアに解釈されるべき物。
法に、論理的矛盾が有ってはまずいし、社会情勢が変化して現実に合わなくなった法で有っても、法改正されるまでは、その法が尊重される、それが法治国家なのよね。」
「ああ、党組織は、法改正すべき事がないか、新たな法が必要ではないか、皆で論理的に考える場であって…。」

急激な党員増加によって理解度の低い党員も増えている。
敢えて、党代表からでは無く自分達が話したのは、これから自分達が党の広報として動くという意志表示だ。
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九月一日-07 [シトワイヤン-09]

小規模な党支部を紹介するVTRが幾つか流された後、党支部設立に関する説明。
これは清香が一人の支部長に訊ねるという形で制作された。

「本間さん、まずは地方組織がどう構築されてきたのか教えて頂けますか?」
「はい、党の国政システムが構築されて行く過程で、国政とは別に各地方の問題に関して意見交換する場を求める声が出始めました。
それで登録時に党員が自身の住む都道府県にも所属する形が作られ、都道府県単位での意見交換、そこから市町村単位の場と広げて頂きました。」
「それが地方支部の元になったのですね。」
「ええ、そこに元々地域政党として活動しておられた方々が加わり、市民政党若葉の可能性を地方でもと呼びかけ市町村支部の準備室を立ち上げ始めたのです。
それと並行して市町村支部のルールも検討されてきました。」
「最低党員百名、党員選挙によって選ばれた支部長という事ですね。」
「それ以外には資金面も、基本的に支部の費用は支部で、ただ、Citoyenブランドの販売を行う場合は販売手数料名目で、利益の八割を党支部で使わさせて頂ける形にして頂きました。」
「これから党支部を作ろうと思ったらまずは準備室の立ち上げでしょうか?」
「そうなります、運営ボランティアを集めて下さい。
そこからの流れは、国政システムの地方自治支援部で説明しています。」
「党員選挙の事なども地方自治支援部ですね。」
「はい、システム上、権限が分かれています、支部長が決まった段階で、市民政党若葉の所属として活動したい市長や議員の信任投票、支部の役員を選ぶ党員選挙、それと党員アンケートを実施する権限が支部長に与えられますが、支部の方々はそれが支部長によって正しく行われているかチェックする必要が有ります。
場合によっては支部長解任という手続きが出来る様になっていますが、解任する必要の無い人を選んで欲しいです。」
「随分沢山の党支部が誕生しましたが、全国の地方自治体を考えたらまだまだですよね。」
「まだ何も始まっていない市町村が有りますし、党員数が増え始めていても準備室を立ち上げようという人がいない、また、複数の団体が党支部の主導権争いをしていて調整が付かない所も有ります。
純粋に市民政党若葉の一員となっていたら揉めないと思うのですが。」
「本間さんの支部は争いも無く、五百名余りの党員が団結して、市会議員候補や市長候補を立てて行こうとされているのですね。」
「はい、市政や市議会の有り方を問題視している人が集まりました。
今の党員登録者は五百名に過ぎませんが、市を盛り上げるイベントを企画しています。
これから市民の為の市民政党若葉を田舎からアピールして行き党員を増やして行きたいです。」
「本間さん、頑張って下さい、市会議員のいない状態からのスタートという事でこれからも注目させて頂きます。」
「有難う御座います。」

本間さんの支部の様に所属議員がいない状態でのスタートした支部は少ないが、それだけに変な利害関係なく拡大して行けるのかも知れないと考えている。
清香が注目させて頂きます、と話したのは決して社交辞令では無く、場合によっては直接支援も考えているのは、一つのモデルケースにしたいから。
交通の便が良く、遊びに行きたいという理由も有る。
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九月一日-08 [シトワイヤン-09]

俺達はVTR出演だけでなく、中継先との対話もしている。

『愛華さん、うちからの差し入れは如何です?』
「このマフィンは、だめ!」
『え~、美味しそうに食べてるじゃないですか。』
「美味し過ぎ!
痩せ過ぎない健康的な体型を目指している私にとっても大問題…。
で、どうして四人のテーブルに十個出て来るのかなぁ~。
康太はもう三個目までキープしてるし、あ~ん、清香は慎み深いから、和馬~。」
「分かってるよ、俺がキープしといて、後でな。」
「うん、でも内緒よ、私だって慎み深いのだから。」
などと、小芝居を演じつつ…。
『愛華さ~ん!』
「はいは~い、美味しいですよ~。」
『人気洋菓子店の新作なのです。』
「地方都市連合構想のイベントでも売られているのですか?」
『はい、強気で多めに用意したつもりでしたが、どこも完売しました。
イベントでは、このマフィンだけでなく売り切れ続出なのです、想定以上の方が来場して下さいました。』
「今後、七つの市を結んだ経済活動、見通しは如何ですか?」
『年に何回かこういったイベントを開けたら良いと思います。』
「清香、このマフィン、毎日は買えないみたいよ。」
「ふふ、それは残念です、売り切れ続出ならば、地方都市連合でアンテナショップを運営と言うのは如何でしょうか、初期費用は何とかします。」
『さ、清香お嬢様、真面目なお話しなのですか、今、初めて聞きましたが…。』
「今日のイベントを見ながら考えていました。
安売りするのでなく、良質な商材が届けられるのでしたら、商売として成り立つと思います。
それで地方都市がささやかにでも潤うのでしたら悪くないです。
一つの地方都市だけでアンテナショップを維持することは難しいと思いますが、市民政党若葉の地方都市連合として動くのであれば、党の宣伝にもなります。」
『えっと…、具体的な事は…。』
「そうですね…、康太、株式会社和馬の一部門としてスタートして宜しいですか?」
「ああ、清香さまが初期費用を工面して下さるので有れば何の問題も御座いません。」
「どうかな、物にも依るがCitoyenブランドとしての販売は考えられないだろうか。」
「それは検討に値するわね、同じ商品を普通にアンテナショップで売りつつ、Citoyenブランドとしても販路を拡大して行くのは悪くないわ。」
『それでは株式会社和馬が動いて下さるという事ですか?』
「はい、社員に指示を出しますので、近い内に、アンテナショップとCitoyenブランド取扱い商品拡大の話を発表させて頂きます。
どちらも商品の質が問題となります、特にCitoyenブランドはブランドイメージを更に上げブランド力を高めたいと考えていますので宜しくお願いします。」
『はい、こちらこそ、地方都市連合による地方の活性化を見直してみます。』

一つの特産品が販路を得る事で雇用の場が広がり、地方の町をささやかながらも活気づける事が出来るかも知れない。
長時間に渡る番組を見ながら四人で出した結論だ。
Citoyenブランドで扱う商品の拡大は俺達の検討課題でもあった。
愛華はCitoyenブランドの牛肉なんて案を出したが勿論却下されている。
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九月一日-09 [シトワイヤン-09]

硬軟織り交ぜての長時間に渡る番組は、正式スタートした党支部を生中継とVTRで紹介しつつ、党組織のあらまし等を解説、党所属になった国会議員の紹介など一通り済ませ区切りをつけた。
その後は、最低賃金UPと物価上昇の関係性を、企業の立場、最低賃金レベルで働く人の事情、物価上昇を負担に感じる人、それぞれの視点から語る、討論会の様子が流されている。

「党としての教育番組なのよね、その効果はどうかしら?」
「和馬が今までさりげなく行って来た、人それぞれの立場を考えた多視点思考プロセス、それを党員の方に分かって頂くとはお聞きしていますが…。」
「皆さん頑張って話しておられるけど、和馬の様な説得力が無いんだよな。
トーク力の差だろうが、タイミングや間の取り方、言葉の抑揚とかが関係していて、ただ意見を言葉にすれば良いという訳ではない、まあ、それが分かっていても真似出来ないのだが。」
「そうね、でも、これから党の候補として出馬して頂く方には、和馬や市長さん達の様に堂々と…、人を洗脳するくらいのトーク力を持っていて欲しいわね。」
「マスコミによって作り出される民意にも対抗して行かなくてはならないものな、なあ和馬、今まで番組を進めて来て特別な圧力みたいな事は無かったのか?」
「番組としての放送禁止用語が少し増えたぐらいかな、禁止にならなくても使う気にならないワードだったが、俺の立ち位置は話題になってる事象に対して多面的に分析、だから局の方針とは違う事でも自分が話さなかったら却っておかしな事になるだろう。
まあ、俺なりに視聴者の皆さんを洗脳しようとはしてるのだけどね。」
「ふふ、それが成功してるかどうかは分かりませんが、和馬の評判は凄く良いのですよ。
局の方も視聴率UPに貢献してると皆さんおっしゃっています。」
「知ってるよ、田舎の婆ちゃんは完全に和馬のファンだからな。」
「康太も学業をおろそかにせず、株式会社和馬の社長をこなしているのですから、お婆さまも喜んでおられるのでは有りませんか?」
「まあな、今日も党支部の手伝いに行ってた筈だよ。」
「ねえ、大きな声では言えないけど、党代表のトーク力は少し残念よね。」
「党代表になったのは、説得の力の有る文章によってだからな、ご本人もそこの所は分かっておられて、党勢拡大を進めたら、党首を立てて衆議院議員選挙に出て頂くと話しておられた、今は将来の総理大臣候補を探して見えるよ。」
「彼には、ネット上で指示を出して頂いていれば良いという事か、彼が苦手なトークは広報部に頑張って貰う訳だな。」
「心配なのは広報部にこき使われそうって事なのよね、私達。」
「一応ギャラは高く設定して有る、限り有る党費を無駄には使わないだろう。」
「俺は頑張って働くよ、本間支部長の所に土地を買って遊んでみたいと思ってるんだ。」
「あの辺りなら土地は安いです、和馬のおこずかいで充分買えますが…、まさか広大な土地を?」
「いや、土地をどう活かして行くかの実験の場に、その資金だよ。
地方都市が抱える過疎化の問題は簡単に解決出来る事ではないが、各市の取り組みを見ていてね。
遊びに行く口実にもなるだろ。」
「そうね、まずは別荘でも建てましょうか。」

軽い思い付きで話した事に愛華たちが乗って来た。
その話がとんでもなく膨らんだ頃、迎えが来て帰宅となる。
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九月一日-10 [シトワイヤン-09]

帰宅後、夜のニュース番組をチェック。
今日のイベントは、ネット上で展開されている政治団体に国会議員や市長、市議が参加と言う事で大きく取り上げられている。
或る番組では市議を直接取材。

「影山市議、この支部は地域政党が名前を変えただけという一面が有りますよね。」
「とんでもないです、大きく変わっていますよ。
市民政党若葉のシステムを党支部として運用し始めただけで、党員が気軽に意見や案を出すことが可能になりました。
地域政党としても皆さんの意見に耳を傾けて来ましたが、市民一人の思い付きに別の方が反応して発展して行くとまではとても出来なかったのです。
国政のシステムは既に組織が大きくなっていますので『気軽に』とは行かないのですが、支部ではそれが可能、また、市町村議会がバラバラでは成しえなかった事が出来る様になります。」
「やはり国政に対してですか?」
「現時点では国会議員三名の政治団体ですが、党員数は今も増加しています。
本当の意味で市民の声に耳を傾けて下さる方を我々の代表に出来ますが、これも市民政党では出来なかった事です。」
「では国政選挙に勝てるとお考えなのですね?」
「はい、新しい政党と言えば野党の離合集散がらみや、選挙で宗教団体関係が目立つことは有っても、一般市民が党員となって盛り上げようという政党はなかったと思います。
閉塞感を感じさせる与党に対して、野党は政府の粗探しばかり、とても政権を委ねる事は出来ません。
その狭間に登場した市民政党若葉に対する期待の大きさは、本日七つの市で開かれている市民祭に現れています。」
「どこも想定以上の来場者だそうですね。」
「はい、近隣の市町村からも党員が大勢集まり、主催者サイドとしては嬉しい悲鳴を上げているのですが、この事で党員数の多さを皆さんが実感する事になったと思います。
党を盛り上げるのには難しい理屈ばかりが必要なのでは有りません、一つのブームを起こせば良いのです。
瀬田和馬初代代表達の発起人会は魅力有る政党をと強調されていますが、政治は綺麗ごとだけでは進まないとも話されています。
美辞麗句だけで飾らないバランスの取れた形で市民政党若葉は魅力的な政党になって行く、多くの方がそう思い始めています。
既存の政党とは全く違うプロセスを経て成長しつつ有る市民政党若葉は、政治の世界を変える存在になります。」
「そこまでの手ごたえを感じておられるという事ですね。」
「はい、既存の政党に党費を納めていた方ですら党員になり党支部への寄付を申し出て下さってるぐらいですので。」
「成程、人が動き始めているのですね、有難うございました。」

さすが影山さんだ、自信に溢れる話しぶりは国会議員候補に相応しい。
『ブームを起こそう』が、我々のスローガンの一つでも有る。
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