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パリ-10 [シトワイヤン-25]

医師との話はドイツ語の講師を交えゆっくりと。
その医師自身、近くの病院で舞姫さまの力を感じながら、患者たちの症状が落ち着いて行く現場にいた。
舞姫さまの効果について、科学的根拠はないと言いつつ、鎮痛効果の他、体の新陳代謝を促進し、自然治癒力を著しく高めているのではないかと、症状が改善した患者の具体例を紹介しながら説明してくれた。
だが、最大の効果は患者たちの心が落ち着いたことだと話す。
病人に限らず、不安を抱えている人は少なくない。

「姫さま、ドイツ語は得意でなくて、医師は信仰心の話もしていたのですか?」
「はい、私の様な存在は初めてで、今までの信仰とどう摺り寄せれば良いのか分からない。
でも、自分にとっても特別な舞姫に心を寄せて行きたいと話して下さいました。
信仰心の強い人ほど戸惑いを感じているのかも知れません。」
「初詣は神社で願い事するだけ、クリスマスには信仰も関係なく大騒ぎ、という日本人とは違うのでしょうね。
姫さまとしては、姫さまに対する信仰心と、これからどう向き合って行かれるのです?」
「やはり、今まで話し合って来た通り、宗教とは一線を画して行きたいです。
そうする事によって既存の宗教とも共存出来ますし、葬儀などの作法は作りたくは有りません。」
「ですね、姫さまのDVDを異教徒のものとして禁止されても面白くないです。」
「それでも宗教的な位置づけをする人は少なからず出て来るだろう。
今後も舞と歌のパフォーマーという位置づけでアピールして行くが。」
「今回の旅行で世界人口の三%ぐらいの人が信者的存在になりそうなのよね。
DVDや写真、ポスター、かなり強気で用意してたのに品切れ続出、当然収入も半端ないのだけど、姫さま、どうされます?」
「そうね、世界のアンバランスを修正することに使えたら良いのだけど。
取り敢えず、行くかどうかは別として、世界の紛争地帯に別荘を建ててみようかしら。
無事に完成して、安全が確認出来たら遊びに行くみたいな。」
「良く分からない宗教を有難がる人達でも、身を持って舞姫さまの威光に触れれば、そこが聖地となるのだろうな。」
「でも、争いは無くなるのかしら。」
「そうだな、人が人として成長しきれていない所では、絶対争いは無くならないと思っていた。
国家間の揉め事なんて、妥協した方が外交的に負けみたいな感じだからな。
対立している連中は相手の意見に聞く耳を持たず自国の一方的な主張ばかり、ひどい国だと嘘や誇張を平気でしているだろ。
でも、舞姫さまの存在がそれすら変える可能性、それは否定出来ないと思うのだが。
姫さまご自身はどの様にお考えで?」
「地球市民党と共に世界の問題解決に役立てたらと考えています、格好の悪い大人にはなりたくないですし。」
「ここまでの旅行、お疲れでは有りません?」
「色々有って、考える事も多いですが、知的好奇心が刺激されていて楽しいです。
一番の謎は自分が何者なのか、不思議な子と呼ばれて、以前から考えて来た答えの出ないテーマも有りますが。」
「そんなの、私の大事な妹に決まってるじゃない。」
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