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挑戦-05 [シトワイヤン-07]

番組コメンテーターとして試行錯誤を繰り替えした結果、四月の終わり頃には自分のスタイルが固まり始めた。
例えば…。

「そうすると和馬は基本的に政府の案を支持するのね?」
「はい、多くの国民が利益を受けると思います。」
「では野党が反対している意味は?」
「年収に大きな差の有る人を同じに扱えない内容で、制度上の線引きが必要になります、野党はその辺りの線引きに甘さが有ると指摘しています。」
「和馬は、それを気にしないというスタンスなの?」
「いえ、市民政党若葉では修正案を提示させて頂いています、政府関係者が見て下さるかどうか分かりませんが。
ただ、野党の方が訴えているほど、悪い法案だとは考えていません、それは…。」

番組で取り上げられるネタは市民政党で検討済みの事が多く、一通りの解説は出来る。
その過程で、あくまでも市民政党党員対象の偏ったアンケート結果だと強調しながら、そのアンケート結果を紹介させて貰うことも。

「そっか、市民政党の党員に限れば、この法案は通して良いと考えてる人が多いのね。」
「はい、ですが修正案を取り入れて貰えれば、その割合は更に増えるでしょう。」
「基本的に和馬は党が出した結論に賛成なの?」
「はい、党の方向性に納得していますが、それを自分なりに考えた上で自分の意見として話させて頂いてるつもりです。」
「アンケートに応えて下さった方も…、ねえ、和馬、先回アンケート結果を教えてくれた時の回答者数は三千人ぐらいじゃなかったかしら?」
「はい、今回は一万人を超えましたね、党員はうんと増えているのですが、アンケートに対する回答を強要していませんので、この人数です。」
「へえ~。」
「番組で行ってるアンケートは如何です?」
「そうね、うんと小規模だけど、和馬が色々な視点で話す事には好感が持たれているみたいよ、自分の考えをはっきり話しているしね。
今はフェイクニュースも普通に流れていそうじゃない、和馬を見習って、そういうのに流されない様にしたいと書いて下る方もいらしたわよ。」
「有難う御座います、でも梅子姉さん駄目ですよ、アンチさんの意見を優先的に出して下さらないと。」
「そうね、ただ、和馬のアンチはもう番組を見て下さらなくなってしまったのか減ってしまってね、面白いのが有れば紹介するのだけど。
番組宛てのメールでも良く分からないのしか届かないのよ、和馬、そろそろアンチを増やす暴言でもぶちかまさない?」
「えっ、良いんですか、暴言では有りませんが、梅子姉さんのあんな事やこんな事…。」
「うっ、ちょっと待って、どうしてそうなるの?」
「私の情報網を甘く見ていましたね、先週の土曜日、若い男と共に過ごしたというネタは上がっているのですよ。」
「うん、甥っ子の誕生日でね、可愛い盛りの五歳なんだけど、何よ、誕生パーティーに呼んであげなかった事を僻んでるの?」
「いえいえ、自分は清香と愛華と三人で遊びに行ってましたから。」
「青春してるのね、週刊誌に写真を撮られたりしてない?」
「自分達はアイドルでは有りませんからね、勿論週刊誌が出鱈目な記事を書いたら訴えますが。
梅子姉さん、勝手に撮られた写真が雑誌に掲載される時って、それなりの使用料が支払われるのですか?」
「多分ね、私は事務所任せだから分からないけど。」
「う~ん、こちらから料金設定をしておこうかな。」

これだけの話で俺達の三角関係を羨みやっかむ声や、俺を拝金主義者だという人が出て来る。
そして翌日は政党資金を稼いでる話をさせて貰う訳だ。
株式会社和馬の会計は公開されていて、自分達の給料も明示してある。
週五で働く拝金主義者の給料が二十万なのを追及出来る人は僅かしかいないだろう。
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