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化け猫亭-06 [化け猫亭-22]

「秋穂ちゃん、お兄さん一家の引っ越し先は決まったの?」
「はい、先日一緒に見てきました、思ってたより広い一戸建てで、電線の無い綺麗な街並みが素敵でした。」
「年を経て更に落ち着いた街となるだろう、ニュータウンは街自体を芸術作品にしようと家屋の外観にも拘っているからな。」
「はい、兄の新しい職場も綺麗で、ニュータウンとオフィス街、工場エリア、農場エリアが一つの公園かの如く整備されていました、すべて化け猫組主導なのですよね。」
「まあ、場所を選んで取り組み始めたのはね、実質は松尾社長の力だよ。
なんせ、東京に有った本社を移転させ、社員の為にニュータウン開発を進めた、簡単に出来る事ではないだろ。」
「ですよね、社員の方々も最初は戸惑われたそうです、でも、新しい町を作り満員電車から解放されるという事で、子育て世代を中心に田舎の本社希望が当初の予定以上に集まり、残った東京支社も、少しずつ規模を縮小して行くそうです。」
「結構調べたのだね。」
「はい、兄の会社も本社移転を早い段階で決定しましたので。」
「経済面は?」
「巨額の投資をしていますが、それがどんどん回収されています。
住宅は賃貸でも分譲でも選べるのですが分譲を希望される方が圧倒的に多いのです。
兄は土地が安いからと、父も定年退職後は実家を売って移り住もうかと話しています。
ニュータウンの販売が順調なだけでなく、松尾社長の会社は東京の物件を売却したり、高い家賃を払わなくて良くなったから、それだけでかなり回収出来たみたいですよ。
また、エリア全体を公園かの如く整備する事で遊びに行く人も増えつつ有り商店街が賑わう、あのエリアはほとんど猫桜会傘下ですからね。
建設に掛かった費用も猫桜会の企業を潤しています。」
「はは、しっかり調べているのだね。
まだ拡張しているが、松尾社長はバランスの取れた地方都市を目指す様に指示されている。」
「バランスの取れた地方都市…、ですか?」
「再開発エリアはまだ拡張中だが、あの市全体を少しずつ改善して行く構想が有ってね、但し、市の広さと人口のバランス、産業のバランスとか考えながらね。
活気有る市にしたいが、それが行き過ぎて過密状態になってしまったら意味ないだろ。
市全体をデザインし直して行く為に、近い将来、市政も我々の手中に収める計画が有るよ。」
「それは知りませんでした、凄い事ですが…、地元の方に反発されませんか?」
「古いものを残し守りつつ、町を活性化させる計画だからね、工場を作り農場を整備して行く事に反対する人は少ないと思うよ、環境にも配慮して行くから。
実験的に地方都市を再生させる、松尾社長の力が有ればそれが可能なんだよ。」
「う~ん、大金持ち達が松尾社長の様に考えたら、地方の抱える問題はかなり解決出来るのですよね。」
「だろうな、松尾社長は、他の地方都市にも目を向けているよ。」
「でも、ニュータウンはJRの駅から比較的近くて、高速道路も有るから何とかなったのですよね、やはり本格的な過疎地は松尾社長の財力でも…。」
「効率が悪過ぎるエリアではね、まあ、そっちは黒猫組が動いているよ、安定して稼げる農業を中心に模索しているんだ、実験的にね。」
「黒猫組って色々やっていて実態が掴めないです。」
「まあ、暴力団の食い物にされてたホームレスも含めて貧困層の生活改善を考えていたりもするが、松尾社長と共謀して地方都市を乗っ取ろうとしていて、実態を掴ませる訳には行かないみたいだよ。」
「乗っ取りというレベルなのですか…。」
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