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化け猫亭-05 [化け猫亭-22]

「渡辺さんは猫桜総合学園の講師を始められたのですよね、会社と掛け持ちで忙しく有りませんか?」
「会社で担当していた業務は若手に引き継いでいる、若手が油断しない様に監督は続けるが、あまり心配はしていないよ。」
「会社の内情は良く分かりませんが、そうなると渡辺さんの収入が減るとか。」
「減らして貰うのはこれからになるが、多少減っても心配はいらないさ、念の為百歳まで生きると過程して試算してみたが問題なし、息子達はしっかり所得税を納めていてね、私の遺産は人生設計に入れて無いそうだ。」
「そうでしたか…。」
「まあ、化け猫組の一員として出来る事を考えてはいるけどね。
我々は自分の子ども達に何を残すか残さないかを考えつつ、白猫組で保護している子ども達の将来を考えているんだ。
だから猫桜会としては沢山稼いで沢山投資して行きたい、次世代の為にね。」
「それが業績の割に役員報酬が少ない理由ですか?」
「沢山貰っても納税額が増えるだけだからね、桜花党が政権を握ったらそれも嬉しいが、今はな。」
「世の中には役員報酬、何十億という人もいますよね。」
「まあ、考え方は人それぞれ、人にどう思われ様が稼いだ分だけ税金を納め、沢山消費すればそれも良しだろ。」
「富が異常に集中してる事実はどう思われます?」
「相続によるものには抵抗を感じるが、自身の才覚で得たもので有れば良いだろう、まあ松尾社長の様に上手く使って欲しいけどね。」
「凄い方ですよね、次々と事業を成功させて。」
「ああ、成功体質というか人を大切にした結果だろう、優秀な人が集まり事業を成功させる、見習ってはいるが足元にも及ばない。
彼が化け猫亭のメンバーになった頃にね、十億の利益が見込めても目標を五億におき、下請けも含めて人にお金を掛けると何故か十億以上の利益が出ると話してみえたんだ。」
「人の為に投資という事でしょうか?」
「ああ、その考えを猫桜会で共有した結果は分かってるだろ。」
「はい、下請け企業を大切にする猫桜会というテレビ番組を見ました。
大切にして貰えれば猫桜会の商品を購入しますし、人に勧めもしてくれるのですね。」
「そして、番組を見た人は猫桜会に対して良いイメージを持ち、我々の商品を買って下さるだろ。
我々としては、下請け企業では無く取引先企業と呼んで欲しかったのだがな。」
「でも、それだけで利益が…、その、五億が十億になるものでしょうか?」
「人が楽に働ける様、設備投資もするのさ、五億かけて労働環境を改善し効率を上げた結果、利益が増える、先行投資は必要なんだよ。」
「子どもっぽい疑問かも知れませんが、機械化を進めると人手が余ったり…、勿論他の要因も有りますが、時には人手不足になったりすると思うのですが。」
「それは、製造業が抱える宿命だね、今の所猫桜会各社では人が不足気味の部署は優先的に機械化を進めているが、もし人が余剰気味になったら手作業中心の高級品を増やそうと考えているよ、美術品に近い猫桜ブランド究極の一品を製造して行くみたいなね。」
「受注生産の延長という感じですか?」
「ああ、最高級の一品を製造する過程で得られるノウハウを高級品や一般向けの商品にフィードバック出来るとも考えている。
まあ大量に人を余らせる事の無い様にどの企業も頑張ってるが、最悪は工場間でトレードという事も考えているんだ。
猫桜会傘下の企業として協力関係が確立され、各企業のバランスを取る事が可能になったからね。
一円でも多く稼ごうなんて考えず、より多くの人の幸福を願って営利活動を行う、というのが化け猫組の目標なんだよ。」
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