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子猫組-25 [化け猫亭-19]

「有紀、何か嬉しそうね。」
「うん、書道の先生に褒められたの。」
「そんなの何時もの事じゃない。」
「表現を意識して書いたのがね、お習字の世界からはみ出し過ぎてて駄目出しされると思っていたのを褒めて下さって、書道の先生を目指す道が有るともね。」
「しかし驚いたよな、有紀の為に書道の先生を呼んで、ついでに初等部中等部の希望者にも習字を習って貰うって、俺たち学校外の習い事に無縁だったろ。」
「そうよね、お習字なんて興味無さそうな子も取り組み始めてさ。」
「行かなくなる子もいるけど、有紀に引っ張られて続けてる子もいるのでしょ。」
「紗希が手伝ってるからじゃないのか、優しいお姉さんとして。」
「私は…、正直言って有紀の書に感動してるの、私が書くのはお習字だけど、有紀のは違う、料理長の先生はそこまで見抜いていたのかな。」
「なあ、有紀、中三の秋だったよな、先生のテスト。」
「うん。」
「どんなテストだったんだ?」
「普通に家庭料理を食べて頂いたぐらいだけど。」
「ご本人からは話しにくいでしょ、私が解説して上げるわ。
有紀はね、小学生の頃から母親と妹にごはんを食べさせていたのよ。」
「あっ、確かにあの人、料理出来無さそうだよな。」
「そんな経験を生かした家庭料理なんだけど、彼女なりの工夫が随所に見られ盛り付けも綺麗だったの、中三にしては、という先生にスタッフが絵を見せた訳よ。」
「うん、有紀の絵は俺も好きだ。」
「それで、書道に取り組む事を条件に合格、料理長先生は高等部の、と言うより有紀の師匠になって下さったのよね。」
「おかげで調理実習の講師を紹介して頂けた訳だけど、少し厳しくない?」
「そうでも無いぞ、俺が現場見学で見て来た調理場の雰囲気からしたら全然…、講師の皆さんは紗希の可愛さに緊張感を失わない様、頑張ってると感じたがな。」
「そ、そうかな…。」
「紗希は、もう少し人の気持ちに気付けたら良いかも。」
「でも、今のままの方が周りを和ませてくれて嬉しくない?」
「ちょ、ちょっと待った~、私って…。」
「紗希、可愛いよ。」
「もお~!」
「でもさ、どうして料理の先生が書道を勧めたのかな、条件として。」
「和食って奥が深いのよ、家庭料理と違って一品一品に…、そうね趣を添えるというか。」
「あっ、聞いたぞ、この前、先生にご馳走して貰ったのだろ。」
「ええ、緊張したわ、でもしっかり味わわせて頂いて、美味しかったな~。」
「それも学習の一環なのか?」
「勿論よ、師匠と沢山語り合えたし、最高の一時だったわ。」
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