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子猫組-24 [化け猫亭-19]

「おはようございます。」
「おはよう、有紀ちゃん、今日は出かけるの早いわね。」
「はい、新メニュー開発スタッフの手伝いをさせて頂く事になりましたので、終了後は図書館での自習ですが、書道の時間までには帰ってきます。」
「和食に絵画と書道だけではないのだから、やる事が多くて大変じゃない?」
「いえ、やりたい事ばかりですし、専門分野以外は必要な部分に特化して学習していますので楽ですよ。」
「何でもやれて器用なのね。」
「でも、器用貧乏に終わるのか、多才な料理長となれるのか、師匠はあせる必要無いと話して下さいますが。」
「ふふ、そんな有紀ちゃんにメッセージが届いているのよ、はい。」
「えっ、あっ、本当に学園の理事長からなのですか?」
「勿論よ、私も手紙の内容を知りたいな。」
「は、はい…。」

『有紀さん、書と絵画は見させて頂きました、機会が有れば君の料理を食べてみたいです。
折角の才能、今は、好きな様に自分の才能を磨いて下さい、臆する事無く少しぐらい我儘になって良いと思います、希望が有れば違うジャンルの絵の先生を用意しますし、違う分野に挑戦するのも有りです。
修行年数は気にせず、芸術家滝川有紀として自分を磨いて下さい。
P.S. 私の部屋に君の作品を飾らせて欲しいのですが如何でしょう、お返事を待っています。』

「成程ね、お返事は私が預かるわよ。」
「う~ん、どんな作品が良いのかしら?」
「そうよね、これだけじゃ…、理事長には会う時間を作って下さる様に伝えておくわ、スケジュール調整もしておいて良いかしら?」
「お願いします、テーマを頂いて作品と向き合うのは緊張感が有って楽しいです。」
「理事長が恰好良いからと言って浮かれちゃだめよ、既婚者ですからね。」
「分かってますよ、師匠からは能力の高い人と接する時間を大切にする様に言われています。
勿論、人を差別する訳では有りませんが、どんな人と付き合うかによって料理が変わり、人間的な成長にも違いが生じます。」
「それを実感してるのかな?」
「はい、拾って頂く前は、心の狭い人に囲まれていて、自分も卑屈になっていました。
今は白猫組の暖かいお母さん達に守られ、仲間と共に成長しようと。
中学生ながら色々頑張っていたら料理の力や絵を認めて頂けて、前は暗い絵しか描けなかったのが、明るい絵も描ける様になりました。
理事長には明るい絵か力強い書を贈らせて頂けたらと思います。」
「そうね、孟母三遷の教えか…、高等部の子達って学力はともかく、みんな優しくて前向きでしょ。」
「はい、翔太先輩は自分を魅力的にしていないと、魅力的な人が近付いて来ないと教えて下さいました。」
「そういう話もしてるんだ、ねえ、翔太くんカッコ良いよね。」
「ええ、外見だけで無く内面も素敵です。」
「狙ってるとか?」
「ま、まさか私なんかじゃ駄目ですよ、釣り合いが取れなくて。」
「そうかしら、芸術家滝川有紀として実績を出せたら全然大丈夫よ。」
「も~、そんなの遠い未来の事です!」
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