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水野鈴江-09 [化け猫亭-07]

「負けました。
まいったな、角の存在を失念してた、君は将棋を始めて間が無いんだって?」
「はい、必死に考えてなんとか勝たせて頂きましたが、高松さんは深沢さんと指される事、多いのですか?」
「そうだね、結構指して来たかな。」
「先日、深沢さんに教えて頂いた形と似ていましたので。」
「それは偶然だと思うが…、儂の場合は対局相手が限られるので似たのかもな。
で、角をこの位置に置いたのは終盤の狙い有っての事だったの?」
「はい、早指しなので、他に意識が行くと忘れてしまいそうな場所ではないですか。」
「お主、なかなかやるな、では…。」

「深沢さん、高松さんは負けたのに嬉しそうですね。」
「だな、結構良い勝負になっての負けでも、相手が小夜ちゃんだから、今まで見た事無いぐらい楽しそうだ。」
「将棋の対局が接客として成り立っているのですね。」
「接待将棋か…。」
「ゴルフの接待ではわざと負けるとか聞いた事が有りますが実際はどうなのです?」
「人それぞれで色々なパターンが有るから一概に言えないよ、兎に角自分が勝てれば良いという人が居れば、全力の勝負をしたい人もいる、変に手加減する人は信用できないという人だっているんだ。
なあ、今時の大学生は将棋を指さないのか?」
「藤井七段が活躍し始めてから、ネット将棋をやってるという話を男子学生から聞くようになりました、それまでは話題にもなりませんでしたが。」
「そうか、それなら今の将棋ブームは、指さない人が消えても、それなりに続くのかな、俺の周りでは続かせるが。」
「何か企みが有るのですか?」
「まず、将棋を趣味にしている社員と対局する。」
「社員の方にとって会長と将棋って楽しく無いと思います、その…、勝って良いのか迷ったりして…。」
「そこだよ、相手が誰だろうが真剣に勝とうとする人物を見つけたいのさ。」
「将棋をやってない人はどうなさるのです?」
「そこは社長に委ねる。」
「単に、将棋を指す相手が欲しいだけなのでは有りませんか?」
「いやいや、娘婿と社内将棋大会を考えているんだ、今なら提案し易いだろ。」
「ブームを利用して自分達の趣味を、会長、社長の特権ですか?」
「まあな、そこに学生の参加が有ればと考えていたんだ。
将棋の強い学生なら考える力が有る、そんな学生との関係を深めて、是非我が社へとね。」
「下心満載でしたか、深沢さんは思考力を重視されているのですね。」
「ああ、優秀さの目安として暗記力をイメージする人もいるが、その暗記した情報から類推し思考出来なければ意味は無いんだよ。」
「確かにそうです、私は考えてるつもりでも…、理系の人には全然負けている気がします。」
「分野が違うと使ってる脳の部分も違うのかな。」
「あっ、それは有るかも知れません、人間の脳って使われてない領域が多いと聞いた事が有りますし。」
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