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猫田小夜-04 [化け猫亭-01]

「ねえ、小夜ちゃんはどう思う?」
「えっ、伊藤さん、何がです?」
「ほら、塀の無い施設から受刑者が逃走してた事件、多くの人が迷惑しただろ。」
「ええ、知ってます、密かに応援してましたが、色々考えさせられましたね。」
「はは、応援してたんだ。」
「中村さんは応援しなかったのですか?
あのまま捕まらなかったら、かなり高い能力の持ち主、でも最後があれでがっかりしました。
窃盗犯でしたか…、犯罪犯して逃げている時と受刑者として逃げる時とでは勝手が違ったのですかね。」
「最後は疲れていたのかもな、小夜ちゃんは色々考えさせられたと話したけど、どんな事を考えてたの?」
「そうですね、殺人を犯した凶悪犯でもないのに追い詰め過ぎて、かえって危険な状態になる可能性や犯人が自殺する可能性。
受刑者の社会復帰を後押しする取り組みが後退しないかは気になりますね。
それと、有罪になった人にはGPS発信機を体内に埋め込み監視するシステム、一定以上の有罪判決が確定した時点で人権は半減で構わないと思いませんか、刑罰の一つとして。
冤罪は運が無かった事にして、凶悪犯は死刑、その執行までに時間を掛け過ぎないとか…。
でも、その前に犯罪を減らす事を目的として、犯罪を犯して捕まり懲役になったらどんな生活が待ってるのか、死刑制度の有る国ですから、それも含めて子ども達にきちんと教える必要が有りますよね。
それが充分ではないから犯罪が後を絶たない…、まあ頭の悪い子は理解出来なかったり、想像力が足りず教えても無駄なのかも知れません。
刑務所が楽しい場所だった場合も意味が無いですね、私はまだ入った事がないので分かりませんが、規則正しい生活、ダイエットを気にしなくて良い食生活、人間関係にさえ気を付けていれば悪くない環境だと考える人はいるかも知れません。」
「はは、ほんとに色々考えてたんだね。」
「中村さんはどの様に考えておられたのですか?」
「まあ、簡単に逃げられる施設の問題とか…。」
「ですよね、芥川龍之介の蜘蛛の糸と、似た様な構図だと思いませんでしたか?」
「あっ、逃げられる環境を作って人を試すって事か…。」
「う~ん、蜘蛛の糸って、話自体が微妙だよな、釈迦ならカンダタの行動ぐらい予測出来ただろ。
もし、後から登って来た罪人達も救われてしまったら、当初の目的とは違うよな。」
「まあ、お話しの世界だからね、塀の無い施設は、真面目に刑期を終える事を前提に社会復帰を考えていて、取り組み自体は悪くないと思うんだ。」
「いっそ島流しってどうですか?」
「泳いで渡れない島か…、社会復帰に繋がるのかな?」
「服役している人で開拓したり畑を耕したり、店の運営なども服役中の人で行い、一つの共同体を形成するのです、無人島を人が普通に住める状態まで開発して行くなんて楽しそうじゃ無いですか。
私はそんな暮らし、絶対嫌ですが。」
「はは、嫌なんだ。」
「刑務官は大変かも知れないけど、塀に囲まれて暮らすよりはうんとまし、普通の社会を作り出せば、刑期を終えた後の社会復帰も容易です…、どこかに良い無人島、無いかしら。」
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