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神沢祐樹-119 [高校生会議2-20]

「祐樹さま、社員の皆さん、元気そうでしたね。」
「ああ、これから、仕事や観光に…、忙しいのかな?」
「普段顔を合わせる事のない方々が一緒になって楽しそうにして下さっているのは、本当に嬉しいです。」
「社員達は皆さん祐樹くんのファンなのよね、こんな形が組織の理想形なのかしら。」
「千恵、残念ながら理想形ではないんだ。」
「どうして?」
「それだと、リーダーがいなくなったら組織が崩壊するだろ。」
「う~ん、そうか…。」
「組織は一人のリーダーが居なくなっても正常に続いて行かないとだめなんだよ。」
「じゃあ、祐樹くんは自身が会社から抜ける事も想定してるの?」
「ああ、例えば自分は飾り物になって、実質的な社長を高見さんにお願いするという形も有だと思っている。」
「でも…。」
「千恵、祐樹さまにはお父さまの後継者という選択肢も考えて頂いているのです。」
「えっ、もうそこまで?」
「会社組織の長を、娘婿が継ぐという考え方に反発される方がみえるかも知れません。
ですが私の夫になる方が素晴らしい人で有るなら、何の問題も無いでは有りませんか。」
「そっか…、力の無い実子が継ぐのとは訳が違うものね。
でも、祐樹くんが掛け替えのないリーダーという事には違いないでしょ、組織に於けるリーダーの役割は大きいのではないかしら。」
「確かにトップリーダーの力量によって企業運営に差は出るでしょう。
取締役達が一枚岩なのとバラバラなのでは大きな違いが有り、その辺りが社長の力だと思います。」
「自分が掛け替えの ない存在に成れるかどうかはまだ分からないよ、でも、もし成る事が出来たとしても、組織の為には、自分が抜けた状態でも安定する様に気を付けたいと思っているんだ。」
「そっか、ワンマン社長を目指している訳では無いのね…、社長か…。
社長になるには自分で起業したり、社内で出世してというパターン、社外から招かれてとか、世襲的パターンが有ると考えれば良いのかしら…。」
「そうですね、ただ、どの形で有れ社長としての資質が大切だと思います。
起業後短期間で倒産というケースも少なく有りません、また部長や平の取締役と言う立場で大きな実績を上げたからと言って、良い社長に成れるかどうかは別問題では有りませんか?
お父さまは、優秀な社員が優秀な社長に成れるかどうかは微妙だと考えています、それは社長に成る為の教育を充分受けていない人にとっては、難しい一面が有ると考えての事なのです。」
「う~ん、立場の差…、立場の違いという事かしら…。」
「実際、大企業のトップでも、失敗が怖くて決断が遅れ、その結果、業績を大きく落としたという例も有ります。
私はリーダーとしての教育を受けていますが、性格的に大きな企業のトップには合わないと自分でも理解しています。
その点、祐樹さまは、すでに充分な資質を備えています。」
「絵美は俺を信じてくれてるけど、俺が充分な判断力決断力を持てるのか、まだ分からない。
ただ、研修を通してトレーニングはして行きたいと考え、部長研修をさせて頂いてるんだ。
今は、自分がトップリーダーに成る事を一つの選択肢として学んで行く段階、それが自分にとってプラスになると考えてね。
漠然と学ぶのと、トップリーダーを意識して学ぶのとでは大きな違いが出て来ると思わないか?」
「そうね…。」
「お父さまは祐樹さまを、一企業のトップというレベルではなく経済界のリーダーになる器だと考えています。」
「もしかして、オフィス白川というのはそのトレーニングの為という事なの?」
「ええ、将来の日本経済を動かして行く男に対して一億ぐらいの投資は安い物だと。
先日、初めは反対していた人達がようやくその事実に気付き始めたと笑いながら話してくれました。」
「やはり反対する人もいたのね…、祐樹くんの事を知らない人なら当たり前なのかな。」
「あっと言う間に二千人の社員が集まってすぐに売り上げが伸び始めていますから、お父さまは上機嫌なのですよ、今なら何をおねだりしても大丈夫なぐらいに。」
「何かおねだりしたの?」
「ふふ、そのすきを与えてくれないのです、先回りして色々と。」
「あっ、このリムジンバスとかも?」
「ええ。」

「社長、まもなく訪問先の工場に到着しますが宜しいでしょうか。」
「ああ、衣装は工場の制服もどきに着替えて有るから大丈夫だろ。」
「しばらく難しいお話をされていましたが、笑顔は大丈夫ですか。」
「はは。」
「もう~、ウインクまではお願いしていませんわ、有難く頂戴しておきますが。」
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