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夏休み-11 [高校生会議-06]

翌日は高原の朝を満喫、散歩したりカフェに立ち寄ったり。
道行く人達はにこやかに声を掛けてくれるが人に取り囲まれるという事は無かった。

「洋子、親衛隊の人達はどうしてます?」
「はい、昨夜は当地の高校生会議メンバーと遅くまで語り合っていたようです。
ここにも副官が出来まして、彼から、ここは岩崎王国の象徴的な土地、全ての住人が親衛隊の様なものですからご安心下さい、と言われました。」
「それで、写真を撮りたがる人もいないのかな。」
「岩崎夫人から、遥香さまに失礼無き様、お達しが出てるそうです。」
「気を使わせてしまったのかしら。」
「遥香さま、ここは甘えさせて頂いてよろしいかと存じます、社長や姫としての職務は大変ですから。」
「そうね、うん、程よく姫扱いして貰えてる、これから夏場はここで過ごす事にしようかしら。」
「えっ? 夏場だけですか?」
「冬は寒そうだもの。」
「はぁ。」
「ねえ、親衛隊隊長として、洋子というのは落ち着かないと思わない? 芸名でもっと強そうなのにしようよ。」
「大した芸も出来ないのに芸名ですか?」
「う~ん、強そうな女性って…、遥香は今更変えられないから和風が良いわね…。
巴御前とか静御前とか…、そうね…、不動静香ってどう? 不動で隊長としての力強さを、静香は陰で支える雰囲気を静で表し、静香で私とのコンビを印象付ける…、悪くないでしょ。」
「遥香さまとコンビなんて恐れ多いです。」
「き~めた、ふふ、誰にも逆らわせないわ。」
「はぁ…、まあ今日の遥香さまが絶好調という事が分かりましたから、その点だけは嬉しいです。
昨夜のお父さまとの話で何か進展が有ったのですか。」
「まあね、そうだ、洋子改め不動静香、喜びの舞とか出来ない?」
「そ、それは遥香さまからの御指示でも…。」
「自分で出来なかったら部下に押し付ける、親衛隊隊長ももう少し味を出して行きましょうよ。
勿論、私が見たいのは静香の舞ですが。」
「そういった事は…、私は親衛隊隊長と言っても武術も出来ませんし。」
「マーチングバンドのドラムメジャーが持つメジャーバトンをアレンジして隊長のアイテムにしようか、それを振り回して、いけー、とか、やれーとか。」
「掛け声が何か違う気がします…。」
「まあ何かの模倣でもオリジナルでも良いわ。」
「はぁ…、あっ、向こうから走って来るのは親衛隊の様です。」
同行して来た親衛隊が現地の高校生と共にジョギングしている様だ。
彼等も私達に気付いた様で速度を上げて近づいたかと思うと整列した。
「おはようございます。」
『おはようございます。』
副官が挨拶をまとめたが、統率が取れていたのはここまで。
現地の高校生とは初対面なので致し方ない。
「遥香さま、実物もお綺麗~。」
「お前、泣いてるのか…。」
「だって…、こんな美しい方に会うの初めてで…。」
「まあ、俺も緊張で足が震えてるが…。」
「皆さん、おはようございます、朝のジョギングですか?」
「はい、親衛隊の結束を深めようと、我々独自のミリタリーケイデンスを考えながらですが。」
「面白いのは出来ましたか?」
「コールアンドレスポンスのリズムが言葉と合いにくくて苦労しています。」
「それなら、親衛隊、鬼隊長の名前を入れてみては如何かしら。
ちなみに、先ほど鬼隊長の芸名を不動静香にしましたからよろしくお願いしますね。」
「遥香さま、隊長は鬼なのですか?」
「違うのですか? 隊長と言えば隊員にとっては鬼の様に恐ろしいものだと理解しておりましたが。」
「我等が隊長はお優しい方です。」
「それは世を忍ぶ仮の姿、実は…。」
「遥香さま冗談が過ぎますよ。」
「ふふ、鬼隊長に怒られてしまったわ。」
「遥香さま、お仕事続きで心配しておりましたがお元気そうで安心しました。
不動静香鬼隊長に叱られる前に私どもは鍛錬に戻ります。」
「はい、皆さん仲良くお願いします。」

親衛隊と別れ岩崎社長宅へ戻る。
洋子改め静香や優子さんをからかっている時は私が楽しんでいると、同行の連中は理解している。
初日二日と大人相手が中心で遊ぶ時間が無かったことを心配してくれてたのだろう。
彼等が今頃、現地の高校生ともそんな話で盛り上がっていてくれると嬉しいのだが。
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