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159-新生活 [岩崎雄太-16]

新婚旅行から帰国した二人は岩崎村に落ち着く事に、譲治にとっては島根を出てからの長い旅に一つの区切りを付ける事となる。

「譲治さんの荷物ってこれだけなの?」
「ああ、ずっとホテル暮らしだったから私物は必要最小限にしてた、結衣は実家からの荷物どうなってる?」
「そこなのよね、物が多いと片付かないし、私も最低限からにしておこうかしら。」
「衣装センターまで恥ずかしくない恰好で行ければ、後は衣装部のスタイリスト任せだからな。」
「はぁ~、気分はすっかり着せ替え人形だったのですけど。」
「うんうん、俺は簡単だったけどお嫁さんはそうもいかなかった、でも、あちこちから売り上げが上がったとの感謝の言葉を頂いてるのだろ。」
「結婚して私の商品価値ってどう変わるのかしら…。」
「まだ二十代前半、女優としても映画監督としてもこれからだと思うな。」
「どちらも多くの人の支え有っての事よね、監督と言っても実際はスタッフ代表みないな立場だから。」
「結衣にその気持ちが有るのなら次の映画も大丈夫だな、でも、欲張って映画撮影二本同時進行プラス、ドラマだけど大丈夫か?」
「台本さえしっかりしてれば大丈夫よ、一本はシリアスな映画のメイキング風景も利用してのコメディ、ドラマは、これからの生活を見て頂く事をベースに制作して行く…、岩崎結衣一座の公演はゆっくり再開だけど、一座の団員たちは正平さんの公演だけでなく活動の幅を広げつつあって、楽しみだわ。」
「そうだな、彼等にも頑張って貰わないとな。」
「ダブル主演だから譲治さんも頑張ってね。」
「ほんとに俺で良いのか? もっと経験豊富な俳優さんにお願いした方が良くないか?」
「譲治さんが良いの、力みのない演技も好評よ、私も他の人との演技よりやり易いし、私が他の人とのカップル役を演じたら、見てる人達だって私が浮気してるような感覚になるわ。
公私共にベストなカップルと思って頂けたら好感度も上がるでしょ。」
「する気はないが、絶対浮気出来ない状況か、悪くないな、親が離婚してという兄弟も少なくない。
そんな親にはなりたくない…、う~ん今は結衣の事しか見えてない、今の内からこの気持ちを死ぬまで持ち続ける事が出来るように二人で考えるというのも有りかな。」
「そうね、離婚する様な人達だって始めはラブラブだったでしょうから。」
「人それぞれだが、より強い子孫を残そうという本能的な部分で浮気したり、子どもが出来れば男は必要無くなるとか、それぞれを動かす要因は色々有るだろうが…、まあ先は長いからじっくり付き合って行こうか。」
「ええ、でも、私達って、人の目にはどんなカップルに映っているのかしら?」
「う~ん、今までの経緯は皆さんご存知だけど…、人前ではどんな夫婦なのか混乱させて上げるのも、話題作りとしても、お遊びとしても面白いかな。」
「日替わりで色々演じ分けるの?」
「ああ、亭主関白の日が有ったり、かかあ天下の日が有ったり実際の所を掴めさせず、実は普通の仲良し夫婦。」
「プライベートに関する質問に対しては、気まぐれなのです、とでも応えておきますか。」
「ドラマの演出としてはどう?」
「行けると思うわ、追求されたら夫婦円満の秘訣とか適当な事を言って誤魔化せるわよ。」
「じゃあ今日はこの後どうする?」
「亭主関白でお願いします、私の旦那様。」
「じゃあ、玄関を出たら三歩後ろから荷物を持ってついて来るって体か?」
「ふふ、私の奥ゆかしさを見せつけてさしあげますわ。」
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