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145-恋人 [岩崎雄太-15]

神楽坂結衣の合流はメンバー達にとって、とても刺激的な事となった。

「ねえねえ、今日の結衣さん見た?」
「素敵よね三十代の素敵なお姉さん、優しく微笑む姿に見とれてしまったわ。」
「昨日は、十代のちょっぴり怖いけど、譲治兄さまラブな役柄を演じながら、舞台メンバーに演技指導もしてた…、まさしく女優とは何かを見せつけられたわね。」
「撮影の関係もあってだろうけど、日替わりで何人もの人物を演じ分けるって、でも映画に向けてのサンプル的なものでしょ。」
「ドラマで使うかもって、後はメイキングとかドキュメントとか。」
「公演の舞台にも出て下さるのよね。」
「そうよ、情報を流したらチケットオークションの入札価格がまた上昇したって、流石に知名度が高くて、若手でも演技力に定評が有る、その演技を生で見られている私達って幸せよね。」
「譲治兄さまに感謝かな。」
「でも、結衣さんは譲治兄さまのファンという噂も聞いたわ、ちょっと微妙かしら。」
「やきもちなの? 私は女優を姉に持てたら自慢できると思うな。」
「今日の結衣さんなら色々質問しても応えて下さると思わない?」
「優しい人物を演じてみえる日が狙い目か、でもお話しするきっかけがないかも。」
「私は衣装についてのご希望とか聞かせて頂かないといけないの。」
「え~、い~な~。」
「これから長いから、その内自然にお話し出来る様になるわよ、というより、そうならないとね。」
「美人女優に対してうちの男達は近寄りがたいみたいね。」
「住む世界の違いを見せつけられてるからかなぁ…、あっ結衣さんと、美沙だ。」
「並んで歩いてるだけなのに絵になるわ。」

「美沙、結衣さんと一緒で楽しそうね、譲治兄さまと歩いてる時よりも。」
「ふふ、有難う、今度の舞台で隣を歩くのは譲治兄さまなの、結衣さんに指導して頂いてるのよ。」
「すごい、演技指導でそれだけ変わるんだ。」
「皆さんもエキストラとしてドラマや映画に出て頂く事になります、よろしくお願いしますね。」
「はい、映画は結衣さんのアイディアも盛り込まれると聞きましたが本当なのですか?」
「ええ、譲治さんの実験的企画の一つで、最終的には監督さんにまとめて頂きますが、そこまでの過程をメインキャストとスタッフが相談して作って行く、普通の映画とは全く違う制作過程を辿ると思います、譲治さんの発想はすごく柔軟で楽しいですよ。」
「結衣さんが譲治兄さまのファンというのは本当なのですか?」
「いいえ、ファンではなく恋人候補です、彼の恋人の座を狙ってる人とは勝負ね。」
「そんなにはっきり言ってしまって大丈夫なのですか、カメラが回ってますが。」
「これは本心だから大丈夫なの、嘘も演技も関係ない、撃沈したら慰めて下さいね。」
「うっ、その笑顔で撃沈なんて有り得ない…、でも今は三十歳メイクで、ほんとは兄さまの一つ下ですよね。」
「あっ、美沙や私達と変わらない、ねえ美沙はどんな気分なの、結衣さんと一緒にいて。」
「昨日は年下、今日は歳の離れたお姉さん、同じ人かどうか信じられないという奇妙な体験をさせて頂いてるわ、これが明日以降も続くそうなの。」
「でも、どんな人を演じていても譲治さんの事が好きという事だけはぶれませんからね。」
「どうして、そこまでお兄さまの事を?」
「ルックスだけじゃない滲み出て来る魅力はあなた方も感じてるでしょ、今まで出会った事の無い大きさを感じさせてくれる、今までだって恋心を抱いた人は居たけど、そんなの全部吹き飛ばしてくれて。
女優として主役の座を射止めるのは大変だったけど目標として頑張った、今は彼に私の魅力を、そう彼に認めて貰える女になりたいというのが目標かしら。」
「そこまではっきり言われてしまうと、応援するしかないのかな。」
「お願いしますね。」

結衣はとびっきりの笑顔でお願いした。
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