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101-観光 [岩崎雄太-11]

訓練生達も漁師の仕事には興味がある。

「なあ、亮、漁師として生活は成り立ちそうなのか?」
「自分で船を持つとなると、とてもじゃないが俺達には無理だ、船は安くないからな。
でも里美姉さんは、株式会社岩崎で漁船を購入し維持管理、漁師を社員として雇用という形で収入の安定を考えてくれている。」
「大漁になっても収入は増えないってことか?」
「そうだね、でも大漁だと単価が下がるから必ずしも喜ばしい事でもないんだ、沢山働かないといけないし、高く売れる蟹とかが程よく獲れる状態が続くのが理想なんだが、一年を通して獲れる訳でもないからな。」
「現役の漁師さん達とはうまく行ってるのか?」
「ああ、将来に向けて色々相談してるよ漁業の有り方とか、養殖の比率を上げて行こうとかね。
でも何と言っても直売所と食堂の存在が大きいよ、量は多くなくても、売りたい漁師さんからバランス良く高めに仕入れてくれてるから、漁師さんの側も特に質の良いのを選んで渡しているそうだ。
だから、高めでも売れるし、直売所の魚は国道の名物になりつつあるらしい。」
「高めと言っても町のスーパーよりは安いんだろ。」
「町のスーパーには並ばない様な魚が高値で売れてるそうだよ。
今は、観光客でも参加出来る様な競りを企画中なんだ、食堂とかの仕入れ担当者も参加すれば価格は維持出来るからね。
観光客が競り落とした魚は、手数料を貰ってその場で調理して提供しても良いだろう。」
「詐欺師のおっちゃん辺りが売り手になったらちょっと面白いエンターテイメントに出来そうだな。」
「魚介類の売り上げ大幅アップとまではならなくても、観光客を呼び込めたら嬉しいわね。」
「でも、スーパー銭湯が出来たとしても、観光的に弱くはないのか。」
「バスツアーに組み込んで貰う様に営業を掛けるとは聞いてるわね…、それで…、魅力ある観光地にしようと言われてるけど、私達、観光旅行の経験そんなにないのよね。」
「俺は修学旅行とここへ来る途中で立ち寄ったとこぐらいかな。」
「お父さまは遊びも大切だと言って下さるけど…。」
「君達何言ってんのよ。」
「あっ、里美姉さん…、何時から…。」
「職業訓練校の一期生は、バイト扱いの実習も経験して来たのでしょ、貯金はないのかしら?」
「少しは有りますけど、将来を考えると無駄遣い出来ません。」
「真面目に働くつもりがあったら将来の心配は要らないって、お父さまに言われてなかった?」
「そうですけど…、お金の問題だけではなくて…、旅館で泊まった経験は修学旅行だけですよ。
姉さま、た、例えばですよ、新婚旅行とかで旅館に泊まるとして…、わ~、何か恥ずかしい失敗ばっかしちゃいそうです。」
「あっ、経験がないと不安もあるのね、そうだな、これから観光も重視して行くから、訓練の一環として、お泊りで遊びに行く機会を作ろうか。」
「やった~、枕投げですね。」
「こらこら、違うだろ、女風呂をこっそり覗くというイベントをだな。」
「待て、それは犯罪だぞ、堂々と混浴露天風呂でだな…。」
「男ども黙れ! それから枕投げは禁止よ、う~ん、親戚や友達の家に泊めて貰った経験は? みんなどうかな?」
「そんな親戚いたら、ここにいませんよ。」
「外泊許可を貰ってた子が羨ましかったな…。」
「まずはそこからなのね、観光客になる前に…、職業訓練校のカリキュラムも見直しかな。」
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