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95-村おこし [岩崎雄太-10]

里美は漁協の人とも相談して交流の場を設けた。
食材を持ち寄り食事を共にし互いの生活を紹介する。
初対面のことで始めはぎこちなかったが、仲立ちは子ども達がしてくれた。
漁村の子達が福祉村の事情を分かってくれているのは、福祉村の大人達が小中学校との係わりを深めた成果だ。

「子ども達のお陰で、話のきっかけを作れたな。」
「食堂のお客さんもいるんだ、話が進んで食堂のメニューに魚介類を増やす事になったよ、ここで水揚げされた物から選んで通常の出荷より高く買わせて貰う事で話がまとまった、高いと言っても今までの仕入れルートよりは安くなるだろう。」
「成程、ダイレクトなら鮮度も良いだろうな、お互いにプラスになるのなら沢山仕入れたい所だがどうなんだ?」
「これから魚の捌き方とかを、今まで練習してなかった新人連中にも覚えて貰って、野菜の直売所に魚の直売所も併設して行く、ほら若手はもうすっかりその気になって質問してるだろ。」
「厨房の新人だな、村おこしで協力という事か。」
「ああ、ここには、これまで取りたてて目立つ観光施設がなかった、これからは食堂を中心に大型ドライブインとして充実させ、外からの客も呼び込んで行こうと盛り上がってるよ、漁師さんにもそれなりの事情が有るのさ。」
「賑やかになれば村を出て行く若者も減らせるとかだろ、俺の方は草野球チームの話を進めて来た。
生活のリズムが違ったりするから、野球場の空き時間を減らせるかもしれないと思ってな。」
「そうだな、岩崎社長にお願いして整備している施設、せめて維持費ぐらいは大人チームの使用料でと考えていたけど。」
「多くはないがこのエリアにも草野球チームは有るそうなんだ、交流試合とかで使って貰って試合の後は食堂へどうぞとかすれば、店の売り上げにも貢献できる、スーパー銭湯が実現したらさらに喜んで貰えるだろうな。」
「人口が少ないから集客が難しい面も有るが、競争相手も少ない、銭湯なら村人が増えれば自然と売り上げも伸びるだろうとの事で建設が決まったよ。」
「確かに村人は増え続けそうだな、村長達がコントロールしてくれてるみたいだが。」
「ここでは誰でも受け入れるとは行かないからな、暴行とかの犯歴の有る連中は別の村を開拓してるよ。」
「あっ、そうか、他の村の話は聞いていたが。」
「俺達の村は平和な村でなくてはいけないのさ、子ども達の為にも、逃げて来た女性の為にも。」
「守る事が、俺の役目なんだな。」
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