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92-キャッチボール [岩崎雄太-10]

子どもが親を選ぶ事は出来ないが、村では親代わりを選ぶ事が出来る。
大人達の関わり合い方は人それぞれ、甘やかしすぎては行けないが、ある程度は甘えさせてあげようというのが大人達の取り決め。
休みの日には集団で施設へ押しかけてキャッチボール、男たちが相談して始めた。
ボールの取り方投げ方を教える者もいれば、ひたすら相手をする者も。
口下手な子を中心にみんなが夢中になったのは、大人が相手をしてくれる喜びと、希望者は自分専用のグローブを買って貰えた事によるだろう。
大人達はすぐさま雄太に野球場をおねだり。
村人が屋外で集まれる場所は必要だという事で許可を得、造成工事を始めた。

「球場が完成したらバットも買い足さないとな。」
「お前、バッティングはどうなんだ?」
「大丈夫、町ではバッティングセンターに通ってたんだ、ストレス解消にな。」
「バッティングセンターか…、すぐには無理だろうけど、店に併設出来ないかな。」
「土地は大丈夫だろうが、初期投資としてどうなんだろう、ピッチングマシーンは高そうだよな。」
「人が投げれば良いんじゃないのか?」
「はは、誰がピッチングマシーンになるんだ?」
「みんな交代でさ。」
「あっ、マジだったのか。」
「雨の日でも練習出来るだろ。」
「まあ、その辺りも含めて提案しておくよ、この辺りは娯楽施設無いからな、子ども達の為にもなるだろう。」
「子ども達は上手くなったよな、始めた頃は全然キャッチ出来なかった子が見違えるほどに。」
「そうだな、なあキャッチボールしてると子どもの気持ちが伝わって来ないか。」
「ああ、会話は少ないが…、何となく大人と子どもの組み合わせが出来たよな。」
「子どもにとって特別な大人という事らしい、俺とは淳史が優先みたいな暗黙なのかルールが有るみたいなんだ、父親代わりとまではなってやれんが。」
「特に話をしなくても、黙ってキャッチボールの相手をする大人の存在は、子どもにとって大きいと思う、俺が子どもの頃、周りにそんな大人はいなかった、だからこんな風になっちまったんだ。」
「今は改心して子ども達の為にも働ける様になったから良いじゃないか。」
「まあな、でも子ども達に遊んで貰ってるのかもしれないって思う事もあるんだ。」
「確かにそうだな、球場が出来たらみんなで思いっきり遊ぼうぜ。」
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