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86-里美 [岩崎雄太-09]

しばらくして村へやって来たのは岩崎学園大学三年生、伊藤里美だ。

「里美ちゃんこの村の事は掴めた?」
「はい岩崎理事、急がずバランスを考えなくてはいけない事情は事務局で把握してきたつもりです、微妙な部分は明日から所長に確認していきます。」
「とりあえずこの村の全部に首を突っ込んでくれて構わないが、どうかな?」
「実際に会って話をしてみないとですが、工房の中心人物、職業訓練校のリーダーと話が合えば早いと思います。
それより…、私も娘にして貰えませんか、岩崎里美になりたいのです。」
「事情は聞いているが、余計なトラブルにはならないのか?」
「相続で揉めてる人達から離れたいです、卒業までの学費と生活費だけは確保して。」
「分かった弁護士を付けて処理して貰うよ、まずは相続の処理、それが終わって気が変わってなければ養子の手続きをして貰おう。」
「有難う御座います、でもずるいですよ~、私に内緒で五十人の隠し子を作っていたなんて。」
「おいおい、人聞きの悪い表現をしないでくれよ。」
「娘が一人増えるぐらい、なんて事ないですよね。」
「はは、もちろんだ、学生達は全員私の子どもだと思っているからな。」
「ふふ、愛人でも良いんだけどな~。」
「こらこら、冗談でも言ってはだめだぞ、後で明香とも話をしよう、部屋の片づけは済んだのか?」
「はい、大した荷物はないですから。」
「ならば明日以降の活動だが、まずは私達夫婦で君を紹介をして回る、これは所長補佐という肩書に重みを付ける儀式ぐらいに考えてくれな。」
「スムーズな交渉の為ですね、特に大人との。」
「職業訓練生からは嫉妬されると思うが、この広い母屋の使い方を共に考えていけば、いずれ解決するだろう。
そうそう、他の同居人が越して来るまでは明香が隣の部屋で寝るから甘えても良いぞ。」
「同居人の候補はどんな人なのですか?」
「工房の寮に住んでる人の中から、子ども達の相談相手的な女性に来て貰おうかと調整している、子どもが多いからお母さんも複数必要だということさ。
それに合わせて、訓練校の寮から交代でここに住んで貰う、一番の目的は彼等が親になった時、子どもと問題なく向き合える様にというトレーニング、時には養護施設の子を一時的に預かる事も考えているが、まあ実際に親になってみないと問題は見えて来ないだろうな。
それでも、真面目に結婚を考えているカップルもいるから…、親を知らずに親になる事は重いテーマだろ。」
「私は親を知ってるだけ幸せなのですね、彼等の姉として心しておきます、まあ姉を差し置いて結婚するなんて、という立ち位置にでもしときましょうか。」
「はは、可愛がってやってくれ、君の武勇伝はさりげなく伝わる様に考えているからね、それを知ったら簡単には逆らえないだろう。」
「そんな、武勇伝だなんて…。」
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