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84-選択肢 [岩崎雄太-09]

その日の夜。

「明香、村の様子はどうだった?」
「思ってたより和やかな雰囲気だったわ、詐欺師のおじさんには驚かされたけど、でも逃げて来た皆さんの話には色々考えさせられた、セキュリティが厳重過ぎかと思っていたけど、そうでもないのね。」
「ああ、執念深い輩が居るそうだからな。」
「工房はそろそろ谷川くんの所から現地指導担当を派遣して貰っても良くないかしら、特殊事情を理解した人に限るけど。」
「人間関係が落ち着いているという事か。」
「ええ、無理の無いレベルでなら効率アップや新規事業展開を受け入れて下さると、自立の度合いを高める事は彼等の望みでも有ると感じたの。」
「それなら、職業訓練の連中にも、養護施設の高校生にも、もちろん工房メンバーにも良い刺激を与えてくれそうな女の子を送り込むかな。」
「田舎暮らしは大丈夫な子なの?」
「自分の力を試せる所ならどこだって行きますって、そんな子だよ、実習として打診してみるが、了承して貰えたらしばらくこの家で暮らして貰う、明香も人物を見てくれないか。」
「幹部候補なのね。」
「そんな所だ、人を引っ張って行くセンスは学習で簡単に身に付く訳ではないからな。」
「一人だけなの?」
「必要なら自分の判断で増員要請すると思う、立ち位置は所長補佐から始めて貰おうかな、とりあえず連絡はしておくよ。」

「村の大人は住まいと仕事に気を配っていれば自立して行けそうだけど、問題は子ども達ね。」
「ああ、特に進学を考えている子は学費と生活費、独り暮らしとなると割高になるからな。
バイトで生計を立てるとかはさせたくはないから、どうしても人数は増やしづらい、岩崎学園大学なら寮に住んで貰えば良いが、力の無い子を入れてレベルを下げる訳にも行かない、特別枠としても一般入試組に全くついて行けないというのでは本人も辛いだろう。」
「そうね、ここの職業訓練校なら全寮制、自立型だから運営費はそんなに掛からないのにね。」
「何のための進学なのか、考えて貰って選抜して行くしかないかな。」
「代わりに職業訓練校を充実させれば良いと思うわ、本気の目標が有る子なら大学に拘らないでしょう。
今はネット環境が充実してるから選択肢はもっと増やせると思うわ。」
「そうだな、明日子ども達とも相談してみよう。」
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