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77-母 [岩崎雄太-08]

職業訓練校。

「ねえ、もう直ぐ会えるのよね、お母さまに。」
「うん、お綺麗な方だからドキドキよね。」
「やっぱ君等はお母さまと呼ぶのか?」
「えっ、なんて呼ぶつもりなの?」
「母ちゃんとか。」
「そんな雰囲気じゃないわよ。」
「う~ん、小中学生の頃だったら、色々葛藤も有ったろうが、十九になった今だと単純に照れだけだな。」
「みんなが好き勝手に呼んだら混乱しないか?」
「でしょ、だからお父さま、お母さまで良いのよ。」
「でも俺達のがらじゃないだろ。」
「そうだけど、私達岩崎家の一員になるのよ、それなりの覚悟は必要でしょ、でも他の人が居ない所では親父って呼べる様になると良いわね。」
「お父さんは、この前親父って呼んで構わないって話してくれたが、問題はお母さんだ、映像で見せて貰ったけど、あんな綺麗な人、俺は緊張して近付けないぞ。」
「しばらく村に滞在して下さるそうだから、その内慣れるわよ、でも五十人もいる訳だから無理して近づこうなんて考えない方がお母さまにとっては楽かもね。」
「だよな、いきなり子どもが五十人増えたら名前を覚えるだけでも大変だぞ。」
「スケールが違うよな、親父さんはマジで挑戦しようとしてる、俺は弟や妹が一万人になっても驚かない、むしろその手助けをしたいと考えている。」
「当たり前でしょ、私達は言わば長男長女みたいなものなのよ、健司が四月生まれだから長男だってほざいてるけど関係ないわ、私達が弟、妹を引っ張って行くの、だから、人前ではお父さまお母さまときちんと呼びましょうよ、他の人がいない所ではフレンドリーでも、まあ順は当分無理でしょうけど。」
「俺は良いさ、でもみんなさ、あんまし我儘言うなよ、余計な負担を掛けては申し訳ないと思えよ。」
「分かってるって、あっ知恵、どうしたの?」
「お父さまから連絡が届いたわ。」
「どんな?」
「こちらへいらした日の夜に食堂でお母さまを紹介して下さるって、で、翌日からの夕食は自宅で五人ぐらいずつと共にされたいそうなの。」
「それってお母さまが食事を作って下さるって事?」
「だと思うわ。」
「私は、お母さまと一緒に食事を作りたいな…。」
「はは、それぐらいの我儘なら大丈夫じゃないのか、料理できる奴は十組に振り分けて提案しよう。」
「なあ、あの家、建物は完成したけど庭とかはまだまだだろ、息子と娘の有志で綺麗に出来ないかな。」
「良いわね、お父さまに連絡しておく、他にはないかしら?」
「今はないかな、知恵、長女役有難うな。」
「お前ら羨ましいよ仲良しで、でも二人とも岩崎になるんだろ、姉と弟となったら結婚出来ないんじゃないのか。」
「いや、法的に何の問題もない、親父さんも真面目な付き合いなら応援すると言って下さった。」
「そう言って離婚とかするなよ、村の大人達から早くに子どもを作って苦労したって話聞かされているだろ。」
「でも、真面目に働いて自分の家庭を持てとも言われなかったか?」
「そうだったな、覚悟が出来てるという事なのか?」
「ああ、就職先は違うが岩崎村の寮はすぐ近くなんだ、仕事に慣れて自信が持てたら結婚しようって決めてるんだ。」
「そうか、頑張れよ応援するからな。」
「有難う。」
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