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119-王家 [キング-12]

この国の社会はみごとに安定している。
貧富の差のない豊かな国、教育も充実している。
競争はするが勝者が敗者に勝ち誇る事もなく、敗者も己を卑下することなく自分なりに上を目指す。
尊は私達とも相談して作った国民の行動規範と言える事柄を子ども達に説いていた、それが見事に定着し、子ども達は素敵な国民に育ってくれた。
人も社会もバランスのとれた状態、国民もこの国の住人で有る事を誇りに感じている様だ。
だが惑星の方は簡単ではない、町の周辺部は綺麗になっているが。

「予想以上に緑地が広がったとはいえ、まだまだ荒地も残っているのよね。」
「湖でも増やすか?」
「そうね、大きめのを五十個ぐらい作ればかなり改善されると思うわ。」
「バッタが増え過ぎて植物がダメージを受けてるエリアが有るけどどうする?」
「鳥やカマキリでは追いつきそうにないんだよな。」
「捕獲して豚の餌にでもするか?」
「食べてくれるかな?」
「植物系の餌を減らせると、その分は第五惑星の緑化作業へ回せるが。」
「特定の種が増え過ぎると他の種を絶滅させかねない、バランスをとるのは難しいね。」
「地球では人間が増え過ぎてたのでしょ、貧富の差に大きな戦争、マリアさまは救い様がないと感じたそうだけど、人類にチャンスを下さった。」
「それでも父さん達がいなかったら、多分絶滅の道を歩んだろうって、僕らも生まれてなかった訳だな。」
「社会秩序の構築、その為に何が必要かは父さん達から教わった、テクノロジーはマリアさまから教わった、私達は人類の未来を拓く存在。」
「そして自らも一つの未来を拓く。」
「マリアさまは本来生き物に存在意義などないという、母さんは存在してるのだからやりたいと思う事をすれば良いという。」
「父さんは人間なんて自己矛盾の塊だという。」
「生きて行く事に答えはないのだろうな、豚や牛はそんな事考えてなさそうだけど。」
「惑星を開拓して行くのは楽しいわね、私は本能なのかとも思うわ。」
「確かにそうだ、国民も同様だと思う。」
「でも、地球では人口が増えても人が住みたがらない土地も多かったって聞いたわ。」
「バランスが崩れていた結果じゃないのか。」
「この国もそうなって行くのかしら。」
「そうならない様に僕達、王家が存在する訳だろ。」
「母さんからは民主主義を教わってたのにな。」
「王家は過去の地球に於ける王家というより神に近い存在なんでしょ、あんなに拝まれるとは思ってもみなかったわ。」
「強制しての事ではないから良いんじゃない。」
「おお~、巴が言うと微妙だが、そうだよな。」
「どうして大人達が巴に絶対服従なのかは一度調べてみたいよ。」
「えっ、簡単でしょ、お願いすれば良いのだから。」
「そういう感覚なのか、巴と香は謎が多いよな。」
「え~、私達だけじゃないわよ、みんな素敵な、そして個性的な能力を持ってるじゃない。」
「はは、僕は一番の凡人だな。」
「尊兄さまはお父様から受け継いだ王としての器量をお持ちですわ。」
「政治は国民の皆さんにお任させする様になったけど、すっかり王国で落ち着いてしまったわね。」
「王家か、独立した存在として、僕等の和の国コロニーを国と考えた時も王国になるのかな、将来。」
「派閥が出来たりとかすると思うか?」
「今の所、その痕跡すらないわね、社会制度はどうでも良い気がする、ただその時の適任者がトップリーダーの役目を果たしてさえくれれば、尊は王でも大統領でもボスでも呼び名は何でも良いのじゃないのかしら、でも王が一番しっくりするかな。」
「和の国、国王、尊で国民に布告するか、王家の総意として。」
「町も和の国になるのかな?」

余りにも拝まれ過ぎるので私は和の国コロニーから出ない事にし、王の座を第二世代に譲る事にした。
彼等は尊を選んだ。
それは私の息子だからという理由ではなく適任者だからと理由でだ。
世襲制度には疑問を感じるが、能力を城の全員が認めての事で有れば問題もなかろう。
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