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118-階級 [キング-12]

子ども達は大仕事を、私達は休暇を終え第四惑星に戻った。
私達にとって一年ぶりの町は十年分の成長をとげていた、国民は変わらない私達の姿に戸惑いはしたものの大歓迎してくれた。
町の最大の変化は、映像で見た以上に私達の肖像画が飾られている事だ。
ただ、適当に飾られている訳ではなく、レストランには麗子の肖像画、計画局には尊の肖像画、研究所には翔の肖像画、保育園には八重の肖像画といった具合に担当していた施設の象徴にもなっている。

「小さいながらも美術館が出来てたのには驚いたな。」
「もっと驚いたのはそこの絵の多くが我々をモデルにしているという事なのだが、どう判断すれば良いのだ?」
「アイドルなのかな、憧れの存在、美男美女揃いだから不思議でもないでしょ。」
「かつての貴族階級とか身分制度が有った頃、王を欲した国もあったよな。」
「人は必ずしも平等を望んでいるのではなく、一つ上の存在を欲していたって事かしら?」
「建前では平等な社会とされてた国でも、色んな地位や階級が存在してた、上の階級を目指す者もいれば、有能な部下を目指す人もいたわね。」
「この町は平和、その平和な社会を作り出したのが城の子だから、ゲート前の肖像画には我等を導きし王家に絶対の忠誠を尽くさん、と書いてあったわ。」
「私達平等な社会を作りましょうってやってきたわよね?」
「国の子ども達の中にも、いやもう大人だから第二世代と言った方が良いか、彼等の中にもリーダーシップを発揮してくれる人は育っている、でも彼等にしてみれば城の子は永遠に憧れの存在なのかもしれないな。」
「尊は肖像画についてどう思う?」
「気にせず、良き友人として国民と付き合って行こうかと思います。」
「そうだな、それが正解だろう。」

だが尊の思惑通りには行かなかった、十年は我々を神格化するには充分な年月だった様だ。
道を歩けば跪く者、拝む者ばかりで、町を散歩する気が失せるまでに時間は掛からなかった。
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