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116-肖像画 [キング-12]

この旅行は私達にとっては休暇とも言えた。
目的の惑星にたどり着く頃。

「何か責任感から解放された気になってるのは俺だけか?」
「今まで、国民の事ばかり考えていたからでしょ。」
「身内だけで暮らすのがこんなに気楽なものとは思ってなかったよ。」
「今までお疲れ様でした。」
「愛、まだ隠居する訳じゃないぞ。」
「もちろんよ、父さんにはまだまだ頑張ってもらわないと、地球の技術復活計画は私達だけでは難しいわ。」
「それはセブンとも相談してるよ、だが…、八重、海へ行かないか。」
「ええ、行きましょ。」
「ロックの所も相変わらず仲良いわね、望、そろそろ速度が落ちて町の映像が見れるのでしょ。」
「ええ、母さん、向こうでは四年半の月日が流れてる筈だけど。」
「地球の科学では全く有り得ない装置だよな。」
「あっ、みんな、映ったわよ…、ゲート前広場の屋根が完成したのね、他は…、町の中心部はあまり変わってないわね。」
「あれは…、何かな…、ちょっと待って…、画像を切り替えるね。」
「何だ…、肖像画が並んでいるのか…、って…。」
「尊だ…、キングに三郎、愛、翔、私も…、。」
「拝んでる人がいるわよ。」
「えっ、偶像崇拝の対象になってるって事かしら。」
「これじゃあ帰ってから国民の皆さんと軽々しく話せないじゃない。」
「人によって拝み方が違うよな。」
「それぞれが過去に信じてた宗教の作法に則っているのでしょうね。」
「神の子と呼ばれる事も有ったけど、安住の地へ導いた事がこの形になるとは思ってもみなかったわ。」
「他はどう?」
「切り替えるね。」
「町は…、庭の木が大きくなったな…、あっ、彼女は結婚して子どもが出来たんだ、僕らにとっての一週間で随分変わってる、変な感覚だね。」
「やはり家族揃っての旅行しか考えられないわ、こんな状況を目の当たりにすると。」

その後町のあちらこちらを確認した後、衛星からの映像に皆歓喜した。
延々と続いていた荒野が緑に変わりつつ有ったからだ。
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