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96-大地 [キング-10]

ゲートを積んだ着陸機が無事惑星に降り立ち移住のための作業が始まる。
城の子達の立てた都市計画に従い、マリア達のテクノロジーを利用した建設機械が活躍、荒地が瞬く間に整地されて行く。

「翔、まだ環境の調整を続けているのか?」
「うん、地形の関係も有ってね、町の近くはかなり良くなってるけど、後は植物の生長を待たないと難しいかも、しばらくは環境維持装置に頼らざるを得ないよ。」
「そうか、海の方は?」
「水温も塩分濃度も予定していたぐらいにはなって来た、でもプランクトンが増えるのは先だろうからね、魚は食べきれない分を少しずつ放して繁殖できるか探るという感じかな。」

道が出来、家が建ち始め、畑や牧場が整備されて行く。
しばらくはコロニーの時間に合わせて作業をしていたが、コロニーからの転居が始まってからは、自分の体調と相談して自由な時間に作業をして貰っている。
ただ一日が二十五時間二十三分と言うのはいささか不便なので、一秒を少し長くして一日を二十四時間にする案や、一秒をそのままに一分を長くする、一時間を長くするなどの案が出ている、まだ結論に至っていないが。
ただ、コロニーで使って来た時間は宇宙標準時として残す事になっている、別の惑星に生活圏を広げる事を意識していたからだ。
建設作業では一般の子ども達も立派な労働力になって大人達を手伝っている、一番の年長は十五歳になっていて尊達のいう事は何でも聞く、素直な子ばかりだ。
彼等に対しては町がもう少し形を整えた段階で新たな取り組みを計画中。
一方城の子達はコロニーからの転居が始まった頃から別行動を取る事が増えている。

「愛、最近城の子を地上の町で見かけないが。」
「はい、ようやく私達抜きでも町作りが進む様になって来たからです、私達は空いた居住コロニーを解体して別の装置に作り替えています。
それを使ってこっそりこの星の地形を変えたりしておこうと、でも皆さんには内緒にして下さいね。
装置はここに残さないので。」
「では町から離れた所の工事を?」
「皆さんに余裕が出来て行動範囲が広がった時の為に、特に海辺は綺麗にして海水浴が出来るようにしようと相談しています。
後は弱肉強食、食物連鎖のピラミッドをバランス良く作り出す為に植物を増やす所から始めます。」
「成程、ノアの箱舟から持って来るのか、マリアが言うには地球で生きていたすべての動植物の千分の一ぐらいとか。」
「それでもかなりの種類ですから、色々考えないと…、城の地下室のさらに下にあんな倉庫が有ったとはびっくりでした。」
「ああ、私も初めて見た時は驚いたよ、だが私達の一つの役目がはっきりしたな、それで、全部蘇らせるのか?」
「それはマリアさまとも相談中です、環境が違うし、毒が有ったり害虫と呼ばれていた生物をどうするかで。」
「復活のチャンスを与えないのはこちらのエゴの様な気もするが。」
「次に開拓する惑星で繁殖させるという手も有ります、それとどう進化…、もしくは退化していくのか、興味有りませんか?」
「それは有るが観察は…、あっ、超高速での宇宙旅行だと時間が…。」
「はい、私達はこの惑星の面倒を見る役目が有るから、しばらくはこの近くの惑星までしか行きませんが、有る程度人類を増やす事に成功したら少し遠くへも、行って帰って来たら世代交代してるかもって程まで。」
「そうか、荒野の広がるこの大地がどう成長して行くかも観察出来る訳だな、それは面白そうだ、どうだ、愛、どんな大地になりそうだ?」
「和の国の様な素敵な大地が広がりますよ、きっと。」
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