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94-新天地 [キング-10]

惑星周回軌道に乗った高速船からの映像はひどく殺風景な物だった。

「ちょっと~、尊、こんなとこに住むの、私達。」
「愛、落ち着けよ、ここを僕達で住み易くしてからだろ。」
「そうだけど、木の一本も生えてないって状態…、実際の映像を見るまで実感出来なかったわ。」
「でもさ、ここを和の国みたいに緑豊かな星に出来たら楽しいよね。」
「分かってるわよ、ただ、この風景が私の美意識に反し過ぎてたからブーって言ってみただけ。」
「まあ、ここをどれだけ素敵に出来るかが僕らの役割、まずは観測装置を下すよ。」
「和の国は広いと他国の人から言われてきたけど、全く規模が違うな。」
「まずは大気を生成して、気温を安定させ氷を解かす所から始める訳か、コロニーが到着する頃までに空気だけは美味しくしときたいよな。」
「氷が解けたらどれくらいの広さの海になるのかな?」
「早めに計算しないと町の位置を決められないわね。」
「観測機からのデータ待ちだね、僕は恒星の観測を始めるよ。」
「衛星は一つだけみたいだから観測を始めるわ。」
「じゃあ僕らは地図作りを始めようか。」
「うん。」
「観測装置からデータが届き始めたよ。」
「ああ、解析を始めるか。」

子ども達は観測データを元に星の改造を始めた。
目指しているのは美味しい空気と美味しい水だそうだ。
マリアのテクノロジーが有ったらかつての地球は温暖化に悩まされる事はなかっただろう。
子ども達の作業は続いているが。

「新天地の重力は地球とは違う、慣れるまでは少し軽く感じられるみたいだ、それで全コロニーの重力を段階的に変えて行く事になった、作業は子ども達が行うが、我々は秤を利用して作業をしている人達に注意喚起をしなくてはならない。」
「結構大変な事かも、家畜に餌をやり過ぎたりとかしかねない、秤の方を調整すべきね、重力の変更スケジュールを確認して注意喚起をするわね。」
「ああ、頼むよ…、重力が変わると身長が伸びたりするのかな。」
「もう一つ自転周期が二十五時間二十三分という問題が有る。」
「強引に二十四時間で生活するか、惑星の一日に合わせるかね。」
「公転の方は?」
「三百八十二日。」
「歳を取るのが遅くなるのね、暦は新たな物が必要になりそう、夏至冬至春分秋分は有るのでしょ。」
「コロニーが向こうに付くのは春分近くになるらしい。」
「ならば春分の日が一月一日かな。」
「でも一年を十二か月にするの?」
「一か月が少し長くなって、月によって三十一日だったり三十二日だったりでどうかしら。」
「一か月三十日プラス二十二日の十三番目の月という手も有る。」
「四季を考慮しないとね、新居の場所にもよるだろうが、子ども達は暑さや寒さにびっくりするのかな。」
「記録の方は、今までの暦と平行して…、時間的なずれは仕方ないわね。」

一番の心配は一日が長くなる事だろう、生活のリズムが新天地に合えば良いのだが。
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