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24-秩序 [キング-03]

ゲートは間隔を空けて増えて行った。
八人ずつ大人が増えた訳だが、七つ目のゲートが開いた頃、子どもは十八人になっていた。
我々の集団が百名を超える日も近いだろう。
子ども達の為にもルールを明確にしておきたいと言い始めたのは三郎だ。

「我々の記憶の中には社会のルールという物が存在している、だが子ども達には色々教えて行かなくてはならないと思う、その為にはここでのルールを見直して確認しておいた方が良くは無いだろうか。」
「三郎の言う通りだ、幸い管理者による罰が存在しているお陰で島は平和だが、子ども達は何も知らないのだからな。」
「二丁目の環境が著しく悪化したのは九兵衛と武蔵の対立による所、そんな事をどう子ども達に伝えるかが問題よね。」
「そうだな、相手に怪我をさせる程の大喧嘩、罰はコロニーの連帯責任。」
「俺達には直接的な影響はなかったけど、二丁目の他の連中が可哀そうだよな。」
「子ども達が悪い事をした時も罰を受けるのかしら。」
「罰に関係なく社会の構成員として好ましい人物に育って欲しくは有るな。」
「ルールとしては、まずは殺すな、だろ。」
「他人を傷つける行為はだめ。」
「細かいルールより、ここで皆が平和で心安らかに暮らして行ける様に取る行動を推奨し、反する行為を禁じるというのはどうだ、判断基準としてだが、そこに照らし合わせて自分の行動を考える。
もちろん幼少期は判断を間違える事も有るだろうが、そこは我々が教えて行く。」
「成程、キングの考えは、基本的且つ包括的な法ということかな、それなら主体性を育てる事に繋がるな。」
「でも大人達はどうかな、各コロニーが罰を受ける前に、こちらで罰則を決めてでも止めさせる体制が出来ていれば、二丁目の環境があそこまで悪くはならなかったと思うのだが。」
「そうだな、しばらくは九兵衛と武蔵の一件が戒めになるけど時が立てば忘れてしまうかもな。」
「反社会的行為に対して、最後の判断はキングにお願いするってどうかな。」
「反感を持つ奴が居ると思うが。」
「民主主義を口にする奴は今でも居るけど、彼等は出稼ぎ労働者でしかない、それよりこれからここに住むであろう次世代の子ども達の事を考えたら、国家のシンボルは必要だと思うんだ。
俺達が甘いからか、キングをなめてる奴もいる、それが次世代へ伝わる事は秩序維持の為にも阻止すべきだと思うのだが。」
「ここに係わってる全員がこの島の恩恵を受けてるわ、王国に不満が有ったら自分達のコロニーで一日中生活していて頂きましょうよ、私達の楽園がより快適になるように。」
「出稼ぎ連中には、王国の正式な国民になりたいかどうか決めて貰えば良いんじゃないかしら。
生活は大きくは変わらないけど気持ちの問題、ロックどう?」
「そうだな俺から話してみるよ、国民とならなくても、今まで通りの出稼ぎを認める形でね。」

共に働いてはいたが音楽村以外の隣人達とは感覚的なズレが有る。
ロック達の指示に従って働いてくれてはいるが、それは食料を得る為で有り、昼間を環境の良い所で過ごす事が目的。
彼等の中には島での自分の立場に対して不満を口にする輩も、残念ながら自分の能力の低さに気付いていない者がいる訳だ。
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