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12-役割分担 [キング-02]

共同生活を始めるに当たって役割を分担する事になる。
それと共に、私はペアを形成しようと考えた。
四人の女性に対して特別な感情はなかった、ただこのグループを平和的に維持して行くには四つのカップルにすべきだと思ったのだ。

「私は麗子と組んで食事を担当しようと思うがどうだろう。」
「良いわよ料理は得意だから。」
「やっぱり男女のペアにするのか?」
「ああ、別に結婚する訳でもない、性格が合わなかったら別の人と組んだり単独でも良い、でも今はお互いの事を知らなさ過ぎる。」
「自分の事さえ知らないわよね。」
「じゃあ俺達は適当に組むか?」
「役割は分担するが、手の空いてる時は協力し合おうな。」
「そうね。」

話し合いの結果、漁は三郎と三之助、鶏の世話はセブンと一花、畑はロックと八重となった。
しばらくは何の争いもなく、だが若い男女が共同生活している割には恋愛系の雰囲気もなく、リーダーとしては楽なのだが何か違和感を感じていた。
だが、共同生活が一か月ほど経過した頃。

「麗子、最近不安そうな顔をするけど大丈夫か?」
「キング、今頃になって自分の置かれてる状況を考えてしまって、記憶も戻らないし。」
「君だけじゃないみたいだ、管理者の影響が弱まっているのかもしれない。」
「キングは今もマリアと会話してるの?」
「回数は随分減ったが。」
「他の七人はここへ来てから一切コンタクト取れなくなったのよね、どう回数が減って何か変わった?」
「ああ、忘れていた何か、でも自分の記憶というより人間の本質的部分に変化をもたらしている気はする。」
「何となく分かるわ、ねえキング、ぎゅってしてくれないかしら。」

彼女は柔らかだった。
そして役割分担とともに作られたカップルは正解だったようだ。
管理が弱まり本能が静かによみがえって来た私達には、不安な気持ちを共有する者が必要だったのかもしれない。
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