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中学校-09 [チーム桜-09]

学生休憩室にて。

「花井さん準備会をしっかりやっといて正解だったね。」
「ええ、事前調査中に色々考える必要を感じたからだけど、漏れはないかしら?」
「今の所大丈夫だと思う、生徒との距離感はバランス感覚が必要という事で統一された約束事は守られているんじゃないか。」
「奢ってよという生徒も結構いるけど、俺達のルールだからと突っぱねる事が出来て良かった、一人に一回奢るときりがなくなって、調査にも悪影響を及ぼしたと思うよ。」
「小山くんみたいなケースは子ども達も解ってくれてるから、基本的に嘘をつかないという方針は生徒達の信頼を得る事に繋がっているみたいだね。」
「私は継続的に調査実習に参加させて貰って良かったと思ってるわ、教育実習では自分の事で精一杯だったけど、今回は視点を変えて生徒も教師も落ち着いて…、観察させて貰えてる気がするの。」
「時間的にきつくないかしら?」
「花井さんのおかげで結構自由がきいて助かりました。」
「立岡くん、部活チームの方はどうなの?」
「スポーツ系は統一した指導方針を検討中だよ、ポイントは生徒の意識改革、理論に基づいた科学的トレーニング、元々根性論で大会優勝とかを目指す様な指導は無かったからすんなり行けそうなんだ。
ちょっと実験的に考えてるのは、複数の部活動による合同ランニング、どれぐらいの頻度にするかは検討中だけど…、子ども達には当然個人差が有る訳だろ、上を目指していて身体能力の高い子から、レギュラー入りを諦めていて体力も無い子、学年の差も有る。
同じ部活として結束を深める為に、同じペースでランニングする事も大切だけど、一人一人にとって最も効果的なペースという考え方も有る。」
「確かにそうね、本当はもっと早く走って自分を鍛えたい子もいれば、早すぎてついて行くのがやっと…、結局それでスポーツが嫌いになった子もいたわ。」
「バラバラで走るのも良いけど、部を越えて、ペース別に何段階にも分けてのグループ別ランニングの機会が有っても楽しいんじゃないかと思ったのさ。」
「どのグループで走るかはどうやって決めるの?」
「各自の意思さ、もちろん。」
「中には自分の能力に関係なく、単に友達と走りたいからという子も出て来ないか?」
「色々な思いが有って良いと思うんだ、一つの部活の仲間だけじゃない、中学の仲間として男女関係なく一緒に走るという事さ。」
「それなら私も参加しようかな、一番遅いグループで、ダイエットにもなるし子ども達と違った話も出来そうね、中学生と仲間になれるかも。」
「それは良い発想だね。」
「文化部でも合唱や吹奏楽の子達も参加して良いよね。」
「そうか…、腹筋とかも鍛えると違って来るんだろ。」
「スポーツで使う筋肉とは違うのかしら、呼吸を意識してのトレーニングをするんだけど。」
「運動でも呼吸法に関しては色々…、競技によって使う筋肉が違ったりする訳だから、研究テーマとして面白いかも。」
「比較研究して行くと、また違ったトレーニング方法が浮かび上がって来る可能性があるわね。」
「基礎トレーニングも競技によってずいぶん違うからな。」
「他の競技のトレーニングを知る事で、自分のやってるトレーニングの意味が確認できるかも。」
「まずは俺達で確認してみるか。」
「そうだな。」
「あ~、美術部は仲間外れか…。」
「ランニングが美術部にプラスになるかどうか分からないけど、参加は自由で良いんじゃないのか?」
「歌って踊れる美術部を目指すとか。」
「はは、それ何?」
「視点が変わって視野が広がらないかな?」
「う~ん、微妙だけど…、それより体育でさ、全員同じ距離を走るのってなかった? 長距離を。」
「あれはつらかったな、苦手だった、もっと個人差を考慮するべきじゃないのか。」
「つらい経験も必要という考え方も分からなくはないけど、嫌々ってのはマイナス面も有ると思うな。」
「俺の所はなかった、まあ交通量の多い道を走るリスクを教師が考えたと思う…、この中学の場合だと校庭をぐるぐる回るって感じになるのか?」
「近くの公園を利用してる、一周一キロちょいでジョギングコースが整備されているんだ。」
「これからの時期だと暑いからだめだけど、秋冬にランニングのイベントを開いてみたいわ。」
「イベント?」
「メインをランニングにおいて、走る距離もペースも各自自分で決める様な、そうね、終盤は長距離の得意な子達の勝負を皆で楽しむ様な感じにしてとか。」
「面白いかもな、でも今回の調査は夏で終了じゃないのか。」
「参加者次第だけど、継続して行きたいとは思ってるの、中途半端な調査研究なんてそこから若干の実績を導き出せても、その価値は低くなってしまわないかしら。」
「徹底的にか…、組織だって人数がいればここまでの事が出来るという実績を作る事で、現状の問題点が見えて来るかもな。」
「そう考えて行くと、ここの生徒が通ってた小学校とか、卒業後の追跡調査とかもどうだろう?」
「普通なら無理な規模だけど、チーム桜ならばという事か。」
「確かに花井さんの言う通り、中途半端な活動では小山くんや他の問題を抱えている子ども達まで目が届かなかったと思うな。」
「ただ、この中学よりもっと大変な課題を抱えている学校も有るだろうし。」
「いずれここでの規模を縮小して他の学校へ力を移動させる事も考えておきたいね。」
「教員採用試験に合格したら、一年間は研修と平行して今私達がやってる様な調査研究を経験するとかどうかしら。」
「そういった、システムの問題も考えて行くべきだろうね。」
「そうだな、課題は山積みだ。」
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