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新年度-08 [チーム桜-07]

桜根関東支社仮オフィス。

「長江支社長、八社合同説明会は無事終了しました。」
「どうだった?」
「何か、お爺ちゃん達が優しく見守ってくれてる様な感じで暖かでした。」
「支社長、楽な案件を選んで下さったとは思っていましたが、あそこまでとは。」
「はは、油断するなよ、狸が潜んでいるかもしれないからな。」
「はい。」
「どうする? 一人四社受け持つか?」
「今日でずいぶん進みましたから…、そうですね私達はまだ経験が浅いですから二人でこの八社を受け持ちつつ、支社長の抱えていらっしゃる案件も経験させて頂けたらと思うのですが。」
「そうか、ならば社長に問題のある案件を二件…、しばらくは二人で協力して当たって貰うが、早めにどちらがどの企業を担当するのか、十件の担当責任者を相手方にも明示してくれるか。」
「あっ、そうですね責任者を曖昧にしてはマイナスになりますね、分担を決定次第すぐに報告させて頂きます。」
「ではすぐに二件の情報に目を通してくれるか。」
「はい。」

「一件目は社長の女癖に問題有り? こんな事まで調査済みなんだな、これは俺が担当するよ。」
「そうね、挑戦してみたい気もするけど、経験を積んでからって事かな…。」
「こっちも似た様な…、う~ん、こんな社長では経営もうまく行かないだろうけど、桜根傘下に入って何とかして欲しいって事なのか?」
「それにしても、チーム桜の調査網はきっちり出来上がっているって事なのかしら。」
「どうする? 二つとも俺が担当で良いか? 遥香は綺麗だから変な事になって欲しくないんだ。」
「えっ、そ、そうね…、今回はお願いするわ、他の八社は私一人でも何とかなりそうだから。」
「分かった、何か有ったら連絡してくれな。」
「ええ。」

しばらくして遥香が、長江に。

「支社長、現時点での傘下入り希望企業に、私が担当してる企業と関係の有る会社を目にしまして、きちんと調べておきたいのですが…。」
「何か問題でも?」
「ちょっと暴力団が関係してるかもしれないとの情報を耳にしました、事実関係がはっきりしないデマかもしれないのですが。」
「分かった、調査依頼を…、調査依頼の手順を教えるから自分でやってみるか?」
「はい、お願いします。」
「気を付けて欲しいのは、調査依頼をするとすごく多くの人が動いて下さるんだ、だから安易な依頼は絶対だめだからね、まずは情報源の方と話を、絶対に内密でと断りを入れて確認を取ってくれるか?」
「は、はい。」

長江の指導を受け調査依頼を済ませた後、遥香は自分の仕事をこなしていた。
夕方になり退社時間も近づいた頃。

「遥香君、さっきの件はどうやらビンゴみたいだよ、今、本社にも連絡を入れたからね。」
「早かったですね。」
「まあ、それだけ地元では知られていたという事だろう、でもよそ者の俺達は気付かないまま桜根傘下に入れていたかもしれない、本社の対策室が対応してくれてるが…、ここは慎重に行こう、調査依頼が外に漏れてる可能性も有るからね、もうしばらく帰らずにいてくれるかな。」
「はい、仕事は色々有りますから。」

「対策室から指示が有った、しばらく今回の件に関係する二つの企業との連絡は最低限にして欲しいそうだ、それと念の為一人での行動は控える様に、外出が制限されてしまうが我慢してくれな。」
「そんなに危ないのですか?」
「ああ、警察とも相談するそうだ。」
「分かりました、担当企業にも適当な理由を作って了解を取ります、食事はデリバリー中心で何とか。」
「う~ん、しばらく関東支社は団体行動を取る事にした方が良いだろうな。
後で全員ミーティングを開くからその時に説明する、それまでここから出ないでくれ。」
「は、はい。」
「以前務めていた会社の社長は、暴力団に嵌められたんだ、絶対甘く見てはだめだからね。」
「わかりました。」

不便な生活を強いられる社員達、それは一週間続いた。
休憩時間には揃ってテレビを見ている。

「遥香、どうなんだろうね長江支社長の指示は、ほんとにここまで慎重にならなければいけないのかな?」
「たしかに、私達のトレーニング的な感じもするけど、私は素直に従うわ、関東支社のスタートを汚したくないから。」
「長江支社長の指示には絶対従った方が良い、東濃支社でもちょっと有ったんだ。」
「やはり暴力団がらみですか?」
「ああ、今も警察と協力して最大限の監視体制を敷いている、こっそりとだけど、そこの構成員が法に触れる事をしたら、すぐさま警察が駆けつけるシステムを構築してあってね。」
「プライバシー保護の問題も有るから色々工夫してるのよ。」
「東濃支社は、そんな事もしながら拡大して来たのですか…。」
「そこら辺りが長江支社長の力という事だね。」

「あっ、テレビ見て下さい、この会社が問題の…。」
「社長と専務が逮捕か。」
「ブラック企業どころか、真っ黒だったのね…。」
「だな、こんなとこと変に関わってたら…、足元すくわれたな…。」
「危なかったわね、桜根傘下入りの手続き前で良かったわ。」
「遥香ちゃん、よく気付いたね。」
「八社合同説明会後の食事会が有りまして、その時にちょっと耳にしたんです、何とか切りたいけどどうにもならない会社が有るって話を、それで事情をお伺いして…。」
「あっ、長江支社長、ニュースご覧になりましたか?」
「ああ、対策室からも連絡が入った、桜根やチーム桜の名前を表に出さない形で捜査協力したけど、完璧だったかどうかは保障出来ないから油断しないで欲しいそうだ。」
「この会社にはどんな形で断りを入れるのですか?」
「えっ? 断る必要ないだろ、勝手に潰れるか名称を変えるだろうからね、ただし残党には注意しないと、まずは被害を受けてた企業の話を聞いておこうか。」
「分かりました、すぐ連絡を取って大丈夫ですよね。」
「ああ、但し極力内密にとお願いしてくれ。」
「分かりました。」
「逮捕されていない社員が十七人いるから、その連中の情報が掴めて、こちらの安全が確認出来るまで、今しばらく不自由な生活を我慢してくれな。」
「はい、でも何か合宿生活みたいで、新人達の事も色々知れたし。」
「暇つぶしで仕事もはかどってしまったな。」
「はは、ここでも監視体制を整えるから、それが構築出来たら安全な店で宴会だ。」
「それにしても、そこまで慎重になる必要は有るのですか?」
「こちらの情報がどれだけ相手に漏れているのか分からないからね、悪事を暴いたのはチーム桜関連なんだ、相手がボンクラばかりなら問題ないが悪知恵の働く奴は勘が鋭かったりする、逆恨みされて迷惑を掛けられたくないだろ、そのまま傘下企業にも迷惑を掛ける事になるし。」
「それにしてもチーム桜の調査網ってどうなっているんですか。」
「申し訳ないが、それは知らないままでいて欲しいんだ、ただチーム桜のメンバーは犯罪を減らしたいと考えているからね。」
「はい。」
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