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新年度-05 [チーム桜-07]

桜根オフィス。

「川中さん、この二つの案件ですけど、内容と立地を考えたら桜根傘下入りのタイミングで合併する方向でも良くないですか?」
「そうね、ただ合併は社員の抵抗が有る場合も多いのよ、強引に合併させると再生初期の動きが鈍くなる可能性も有るの。」
「説明会を二社合同で開いては如何でしょうか、その時に交流の場も設けて感触を見るという事で。」
「じゃあ、松野さんこの二社担当してみる?」
「はい、お願いします。」
「但し焦らない事、強引にやらない事だけは守ってね。」
「はい、気を付けます。」

早速電話を掛ける松野、川中はさりげなく聞いている。
「株式会社桜根、御社担当になりました、松野里香と申します、担当の…。
…、はい桜根傘下入りの方向で動かさせて頂きます、近い内にお邪魔させて頂きますが、現在傘下入り希望企業が多くて、出来ればお近くの傘下入り希望企業と合同で説明会を開かさせて頂けたらと思いまして…、はいそうです、今まで傘下入りした企業も近くの企業と良い協力関係を築いていますので…、よろしいですか、日程に関しては追って連絡させて頂きます…、はいこちらこそよろしくお願いします、失礼します。」
「ふふ、慣れたものね、すぐにでも独り立ちできそうだわ。」
「でも、やはり場数を踏まないとだめだと思っています、まずはこの案件を諸先輩方の事例を参考にさせて頂きながら成功させたいです。」
「がんばってね。」

「川中さん、来週の火曜日に説明会を開きます、それまでに、似た様な規模の、そして後に合併した企業の資料に目を通しておいて頂くようにお願いしておきました、資料は送って有ります。」
「早速宿題をあげたのね。」
「はい、成功例を示すのが一番早いと思いまして。」
「どう、私のフォローは必要?」
「どうなんでしょう、おそらく相手は小娘が来たと思ってなめて来るとは思いますが。」
「まあ、うまく行かなかったら、それからのフォローでも何とかなるわね、一応説明会の内容は録音しておいてくれるかな?」
「はい。」
「でも…、そうね…、私の方からあなたのプロフィールとか送って挨拶しておくわ。」
「有難う御座います。」

説明会当日、挨拶の後、松野。

「最初にお話ししておきたい事は、桜根傘下企業の成功例が多く発表されていますが、決して簡単な事ではないという事です。
私が学生社員として経験させて頂いた会社はチーム桜グッズを扱わせて頂きましたので、売り上げこそ右肩上がりでした、しかし工場の効率UP、社員の意識改革には時間がかかりました。
こちらの二社は業種的にグッズ関連とはなりませんので、簡単に売り上げが伸びるとは思っていません。
でも、桜根傘下となるからには、成功例の一つになって頂きたいと思っています。
まずは、皆さんから質問が有ればお答えさせて頂きたいと思います、如何ですか?」
しばらく質疑応答が続いた後。
「頂いた資料の企業は合併したんですね、抵抗とかなかったのですか?」
「細部までは分かりませんが、合併を言い始めたのは両社の社員だったと聞いています。
桜根傘下の企業は横の繋がりを大切にして頂いています、特にこの二社は地理的にも業種的にも近かったので合併前から交流も盛んになり、いっそ合併してさらなる効率UPを図ろうという事になったそうです。」
「そうでしたか、私達二社はお互い知らない訳でもなかったのですが、交流が有った訳でもなくて、でも昨日両社の幹部が話し合いまして、松野さんの指示が有れば合併も視野にと。」
「そうでしたか、ただ、幹部だけでなく一般の社員の方々が納得して下さらないと良い方向には進みません、改革をより迅速に進めて行くには、社員全員の理解が必要だとお考え下さい。
指示されて働くだけだった社員が、自分の考えを持って仕事に取り組める環境作りが重要なのです。」
「何か、緊張感が増してきました、でも頂いた資料の意味が実感出来た気がします。」
「いや~、最初松野さんのお声を電話で聴いた時は、えらく可愛い声で大丈夫なのかと正直思いました、川中さんから連絡を頂いても信じられなかったのですが、近い将来本社の副社長候補というのはほんとだったのですね。」
「えっ、それは川中さん話を盛りすぎてます、私はどっかの支社長クラスを狙ってますが。」
「はは、それでも頼もしい、私達の会社が松野さんの桜根本社入社後初仕事なら、私達も全力でがんばって成功させますよ。」
「まずはこの二社で社員交換的に相手の工場で働いてみて問題点を探り合う所から始めます、やはり明日からですね、所沢社長。」
「ええ、この後うちの社員とも相談します。」
「それでしたら、その報告を待ってから、私も工場見学をさせて頂きます。」
「早めでも大丈夫ですが。」
「いえ、せっかく社員が改革の糸口を見つけるチャンスを作ったのですから、私が色々指摘するより良い結果が出せると思います、まあ、見学に行って何も指摘出来ないってのは私の楽しみが減りますから、少しは残しておいて欲しいですが、後、近い業種のグループ企業やサポート企業とも交流の場を作って行きますので、そうですね幹部の方々は一度企業リストに目を通して候補を選んでおいて頂けますか。」
「分かりました、全体の進捗状況はどんなタイミングで報告すれば良いですか?」
「簡単な今後のスケジュール案を送らせて頂きますので、まずそれを完成させて下さい。
基本的に何時迄に何をどこまで進めるかというものです。
ただ、私の作った案は、サンプル的な物ですので大幅に変えて頂いて構いません。
そのスケジュールに対して順調に作業が進行していれば、報告は最低限にして下さい。
桜根が直接関係する部分については、しばらく私がすべて担当しますが、徐々に事務方に引き継いでいきますのでよろしくお願いします。」
「桜根の総合職は何件ぐらいの案件を抱えているのですか?」
「やっかいなのを抱えている人だと十件ぐらい、でも関東支社長になられた長江副社長は最大三十五件抱えておられたそうです、やっかいそうなのも含めてです。」
「彼の武勇伝はテレビでも放送されてましたね。」
「私も、せめて二十件位は責任持って担当出来る様になりたいです。」
「だから順調なら報告は要らないってことですか?」
「ええ、その分問題の有る案件に時間を使えますから。」
「では我々も松野副社長候補の武勇伝作りに協力しますか。」
「はは、桜根傘下入り希望が通るまでは、こんな雰囲気じゃなかったよな。」
「うちもですよ。」
「それが、悪循環になってたのかな。」
「でも、浮かれるにはまだ早い、スケジュール案は何時頂けますか。」
「今から、送りましょうか。」
「お願いします。」
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