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山間の町-04 [チーム桜-03]

一行が回るルートは事前に横山が決めていた。
何か所か見た後今日のメイン、地元有力者の方々との昼食会になる。
その席で。

「安藤社長、ずばり勝算は有りますか?」
「そうですね何をして勝ちと捉えるかにもよりますけど、最悪の場合でも若干の観光客増加にはなります。
チーム桜関連の人気者達が、チーム桜の新しいモデルエリアとしてこの地の紹介をして行けば、またこの地で合宿の延長線上でのミニライブとか開催していけば、そしてこの地でやることの意味も発信して行けば、都会の若者達にも少しは振り向いて貰えるかと思っています。
まあ合宿所の話しは、こんな形のちょっと裏ワザ的な保険なんです。
でも一番成功させたいのは耕作放棄地の活用や実際の農業を通してのごく普通の経済活動発展です。
ここが活性化すれば、周辺の過疎地の事情も変わってくると考えています。
それにはまず都会に住む人が不便な環境を知り、その上で住みたくなる環境を整える事です。
正直、かなり高いハードルです。
簡単な事なら、過疎化が進んでしまった地区が全国に広がっていないでしょう。
限界集落、廃村などは都会に住む人にとって何の問題も無いことなのです
一つの村がなくなったと聞いても自分には関係ないと考えるでしょう。
でも、先人達が残して下さったこの素晴らしい田畑、山や森を、次の世代へきちんと遺して行く事は私達の使命だと思っています。
大きな成功は望めないかもしれませんが、過疎化への歯止めぐらいはして行きたいと思っていますので、よろしくお願いします。」

誰もが箸を止め聴き入っていた。
しばしの静寂。

「社長からこんなお話しを頂いたら…、協力するしかないだろ…。」
「申し訳ない、俺は社長を過小評価していた、俺もがんばるから色々お願いします。」
「で、でもどうしてここなんです?」
「まずは自分達の拠点からの距離です、遠い所ともいずれ繋がりたいとは思っていますが、まずは遠すぎない所からです。
そして稲橋さんの存在です、この地に協力者なくして何が出来ますか、今日に至るまで稲橋さんにはずいぶんお世話になりました。
自分も今日初めて直にお会いできて嬉しいです。」
「稲橋、ごめんな…、俺…。」
「佐紀さんが惚れた理由がほんとに分かったわ、二人とも素敵よ!」
「はは。」
照れた様に顔を見合わせる二人。
「じゃあ俺達は何をすれば良いんだ。」
「まあ、色々と…。」
「まずは一度チーム桜でここにスポットライトを当てたいと思います、イベントを組みませんか。
今まででも、色々な取り組みをされてきた訳ですが、そこにさらに別の企画を組み込んで紹介して盛り上げたいと考えています。」
「色々なイベントを同時にですか?」
「はい、複数開催する事で相乗効果を狙います。
ここの方だけでは大変でしょうが、うちにはお祭り好きも多いですから。」
「時期はどうしますか?」
「冬場ってどうしても観光客は減りますよね。」
「はい、少しは観光資源が有るのですがさすがに。」
「来年の二月三月辺りでどうですか?」
「その頃なら農作業がそんなにないから余裕は有るかな。」
「春の観光シーズンの前に、土日中心のイベントを何週間かに渡って、雪関連のイベントもされてる訳ですから、それに合わせても良いですよね。
二月三月は大学生の休みになりますから我々にとっても都合が良いのです。」
「どんなイベントをやりますか?」
「そうですね、今までやってこられたイベントで冬場に出来るものプラス生活の中で木を生かそうという事で…、木工製品アイデア作品コンテストと販売、木を使ったアートコンクール、釘を使わない木工製品の紹介、実際に木を切り倒すところの見学、安全対策を充分にとってですけどね、間伐材活用コンテスト、これは木工製品に拘らないという形です、まあこのまま実行しても人が集まるかどうか分からない企画ですが、チーム桜の取り組みとして桜総合学園芸能部の力を借りれば、多少の集客に繋がると思います。
うちとしましてはイベントに合わせてグッズ等を販売させて頂いて、ここでの活動資金に当てて行きたいと思っていますし、今後の取り組みを紹介する場にもできたらと。」
「え~っと、前もってお話しを頂けてたら多少の検討をしておけたのですが。」
「すいません、ここへ来る車中考えていた事なので…、イベントチームに相談すれば、もっと色々出て来ると思います、また内容によっては通年継続も有りです。」
「安藤社長、材木の供給量を増やしても、この先捌けますか?」
「そうですね、うちの関連だけでも有る程度は間伐材も含めて購入させて頂けると思っています、ただ利用方法によっては充分乾燥させた物が必要と聞いています。」
「安藤社長が長くここに関わって下さるのなら、今から孫子の代を見据えて良質の木材を提供して行きたいと思うのですが如何でしょうか、一番理想とされる自然乾燥だと五年は寝かせないと。」
「逆に五年寝かせた木材という事が付加価値になると聞いています。
保管場所の問題も有るでしょうがお願いしたいです。
自分は社長就任当初、社長は自分じゃなくても、そのサポートをさせて貰えればと考えていました。
でも今は色々な責任を感じています、十年先二十年先さらに、と考えています。
若輩者では有りますがよろしくお願い出来ますでしょうか。」
「社長が家を建てる時はうちのを使って下さい。」
「おい、抜け駆けはだめだぞ。」
「はは、なんなら別荘でもどうですか。」
「別荘ですか…、う~ん、えっと…、幾らぐらいで建ちますか?」
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