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架空サークル-48 [動植物園再生-05]

佐々木たちは少し遠くから滝沢桜子の演奏を見ていた。

「特に問題はなさそうだよな。」
「ああ、サポートもちゃんと見守ってる。」
「なあ佐々木、あの子、アイドル的な要素も持っていると思うな。」
「えっ? 遠藤…、俺にはそういう感覚…、良く分からないが…。」
「彼女の演奏を初めて見たけど、演出を間違えなかったらちょっと行けると思うんだ。」
「演出か…。」
「ああ、演出って大きいぞ、うまく行けば彼女の才能を最大限に引き出せる。」
「でも、本人の…、容姿とか実力とかは演出によっては変わらないだろ?」
「はは、アイドルの世界なんて、どこにでもいるような歌も踊りも下手で、そんなに美形でもない子がファンを集めたりもしてるんだぜ、演出の力でね。
滝沢さんはルックスも良いから、俺も応援したくなってきたな。」
「アイドルって滝沢さんとは分野違うんじゃないのか?」
「佐々木にしては珍しく考えが固いな。」
「いや、その前にアイドルって良く分かってないんだ、考察したことなかったし。」
「ならば…、どうだ、滝沢さんをアイドル的バイオリニストにするなんて企画。」
「遠藤、確かに個性的なバイオリニストはいるんだ…、けど…、アイドルの定義ってなんだ?」
「そう来たか…。」

しばらく話し合う二人。

滝沢の演奏は終わった、次の演奏家と替わる。
演奏を終えた滝沢桜子は国井さより橋本裕子、そしてテレビ局の山田と共に佐々木たちの所へ。
「佐々木さん、お久しぶりです。」
「滝沢さん、演奏良かったよ。」
「有難うございます。」
「でもびっくりしたな、桜子が佐々木先輩知ってたとか、先輩がバイオリンやってるなんて、思ってもみなかった。」
「はは、で、さよりさん、そちらの方は?」
「あ、ごめんなさい、取材に来て下さってる山田さんです。」
「よろしく。」
「こちらこそ。」
「佐々木ちょうど良いんじゃないか。」
「そうだな、向こうの休憩所で落ち着いて話しをさせていただけたらと、山田さんいかがですか?」
「大丈夫だよ、何かあったら連絡入れるように指示は出してあるからね。」
「では…。」

休憩所へ移動。
それに気付いたサポートの学生が飲み物を届けてくれる。

「え~と、少し長くなるかもしれませんが、今まで自分が考えていたことプラス、さっきまで遠藤と練ってたことを提案させてもらいます。
まず、我々のテーマの一つに成長ということが有ります。
で、山田さん、局として滝沢さん橋本さん達の成長ということを取り上げてみませんか。」
「それはここの再生プログラムを通してってことなのかな?」
「いえ、ここでの演奏は、きっかけという程度です。
我々はこの場にこだわっていません、シンボルでありメインの活動拠点では有りますが、大学間の交流、分野を越えた協力というテーマも持っていますから。
自分が滝沢さんの演奏に感動したのは、コンクール本番ではなくその練習を聴いてです。
人前での演奏に関して、彼女の伸び代はすごく有ると思っています。」
顔を赤らめ下を向く滝沢。
「今日は演奏前のトークに橋本さんを提案しておいたけど、さよりさんどうでした?」
「良かったと思います、曲への流れが自然で。」
山田の方に目をやるさより。
「だね、演奏も良かったけど橋本さんも良かったよ。」
「滝沢さんは?」
「は、はい橋本さんのおかげで演奏に入り易かったです。」
小さな声で答える滝沢。
「すごく実力が有りながら、それを充分に発揮できてない演奏家がここにいます。
その成長の物語を、そこに関係していく学生の成長と共に描いていくというのをメインテーマにしたら面白い番組が出来るのではないかと思っているんです。
まず、滝沢さんの演奏、今日の演奏に向けてしばらく前にカルテットとかの録音を聴かせて貰いました。
悪くはなかったのですが、正直言って他の演奏家が滝沢さんの演奏についていけてないと感じまして。
山田さん、彼女にプロとの共演の機会を作れないでしょうか。
彼女の力を引き出せるだけのプロの力を見せる、それだけでも企画として面白いと思いませんか?
さらにその番組進行はその道のプロのアドバイスをいただいての、橋本さん達学生、どんなアドバイスを受けて録画に臨んだとか裏も見せていけば面白と思うのですが。
そして演出、照明、カメラ諸々も同様に学生達がアドバイスを受けながら担当する、実際の番組制作の裏側を学生を通して紹介していくって感覚なんですけど。
一回だけでなく継続して行って、その成長記録を何か月後かにまとめる。
成長のドラマを見せて行くって感じで。
企画としては、滝沢さんのイメージビデオを学生が作成するとかも有りです。
橋本さん達のパフォーマンスをアピールしてみたり、ダンスやってる子達の本気、歌を歌ってる連中の思い…、中にはクオリティの低い人もいるだろうけど、そこはオーデションとかで整理しつつ、でも実力不足の子を追ってみても良いかもしれません。」
「はは色々考えているんだね、面白いかも…、うん、素人の成長過程を追うってことか…、ジャンルは色々…。
これは局に持ち帰らせて貰うよ、地元発信…、地元学生が主役か…。」
「暫定的に遠藤が窓口になります、だめそうなら他の局をあたりますので早めにお願いします。」
「そう来たか厳しいね、君たちの活動って不気味なんだよ、下手な対応したらうちのスポンサーが黙ってないって、昨日も上から脅されたからね。」
「生意気言ってすいません。」
「いや、それぐらいの方がこっちも気合が入るよ、そのまんま上に伝えるから、たぶん大丈夫だろう、遠藤君の連絡先聞いておこうかな。」
「はい。」


花ワールド-hirata
ぷちぎふと工房 コンサルジュ
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