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架空サークル-46 [動植物園再生-05]

公園内での本格的活動はサークル発足式の翌週から始まった。
その活動の一つは美大生が中心。

「準くん私、ここでいいの?」
「良いよ、準備始めてね。」
「おっけい。」
「俺はここで良いんだよな?」
「ああ、安本は、綾ちゃんと随分芸風が違うから、そこがベスト。」
「準くん、寄付の受付はここ?」
「えっと、もう少しコアラ舎よりで頼む、そこにもう一人入る予定なんだ。」
「了解。」
「サンプルの似顔絵を飾り終わったから、私は、もうお客さん待ちで良いのかな。」
「ああ香澄ちゃん…、こっからが本番…。」

落ち着かない表情の香澄に近づいたのは三十そこそこと見受けられる女性。

「ねえねえ、ここで似顔絵を描いてくれるってことなの?」
「はい。」
「料金は?」
「えっと五百円の寄付をお願いしています、ちょっとごめんなさい、準く~ん、寄付とかの案内がまだよ~。」
「おう、ごめん急ぐよ。」
「失礼しました、五百円の寄付というのはこの公園の再生のためのものです。」
「じゃあ、皆さんはアルバイトというよりボランテイア?」
「ええ、つい最近発足したばかりで、この公園の再生とか考えています。」
「え~っと、絵描きさん? 何人かいるけど…。」
「後ろのサンプルを見て気に入った作風を選んで下さい。」
「なるほど…、私、あなたの作風気に入った、お願いしてもいいかな、えっと…、時間の目安も有るのね。」
「はい、私たちも個人差がありますから、ではポーズをお願いします。」
「これで良いかしら。」
「はい。」
「ね、描いてる間、お話ししても良いの?」
「大丈夫ですよ。」
「皆さん学生さん?」
「はい、美大生が中心です。」
「こういう似顔絵も自分たちのプラスになるのかな?」
「練習になります、でもそれだけではなくて、別で仕上げた自分の作品が作品展で発表させて貰えることになっています。」
「そっか単純なただ働きでもないのね。」
「ええ、スポンサーからは画材の提供も受けていますから。」
「あっ、五百円は全額寄付なのね。」
「そうです…。」

絵が完成した。

「わっ、思ってたより良い感じ、ほんとに予定時間通りで早かったし、有難うね。」
「いえ、こちらこそ、えっと、完成品の写真だけ撮らせてもらって良いですか?」
「もちろんよ、じゃ寄付してくね。」
「有難うございます。」
「あっ、ちょっとあなたのサインも入れてくれないかな。」
「はい、ちょっと照れくさいですけど。」
「じゃあね~、そうだゴリラを見に行ってる連中にも教えてあげよう。」
絵を片手にスマホを取り出す女性。

開始から一時間もしない内に人だかりが出来ていた。
絵描きは一人一時間程度の作業を予定していた。
個人の負担が大きくならない様、メンバーが交代しながらと考えていたのだ。

「準くん、やれる人は時間延長した方が良くない?」
「そうだな、予想外の反響だから…。」

そこへ佐々木光一が遠藤真一他三十名程のメンバーと共に現れた。
「やっぱり盛り上がったな準。」
「佐々木さん、ここまでとは思ってなかったです。
絵描きからは、個人の時間を延長しても、という声も出てますが…。」
「じゃあ、準は公園職員の方に若干場を広げるお願いをして、フォローは遠藤の出番だな。」
「ま、この人数は予測の範囲だからな、じゃ計算チームは、ここから時間当たりどれぐらいの人数をさばけるか、画家たちの人数の変動や人気のばらつき具合も考慮して、論理的に終了予定時間までにこなせる人数を計算してみようか。
待ち時間も並んで下さってる方々に明示出来る様にしてくれな。」
計算チームが作業に取りかかる。
「接客チームも出番だ、待っている間に我々の活動の宣伝と、計算チームの結果から予想待ち時間を伝えたり、お話し相手になったり、終盤ではお断りしなくてはならなくなるから丁重に頼むね。」
「はい。」
接客チームは笑顔で、並んで待っている人たちの中に入っていく。
「こんにちは~、私たち学生中心に結成されたばかりのサークルなんです。
今日は似顔絵プロジェクトの一回目の活動で…。」

「まあ、良い感じだな彼女達、う~ん…、待っていただいてる間…、佐々木、演奏家も一人呼ぶか?」
「微妙だな、確かに演奏を聴きながら待ち時間を過ごしていただくということは良いかもしれないが、すでにこの人数だから、演奏でさらに増えてしまってはまずくないかな。
ここは接客チームにがんばってもらうということでどうだ?」
「そうだな。」

「佐々木さん遠藤さん、公園職員の方と絵描きとで相談してこっからの人の流れを決めました。
結果は計算チームの方に伝えて有ります、すいません、自分ちょっと甘かったです。」
「何、初回なんだから気にするなよ。」
「はい。」

「なあ遠藤、色々検討課題が有りそうだな。」
「だな、流れとかを考えてもらう様に、今日の報告とタイミングを合わせて発信していくよ。」
「うん、頼む。」

「ねえ準、寄付の方はどう?」
「はい佐々木さん、もちろん人数掛ける五百円は順調に集まってます。
絵が気に入らなかったら払わないって人もいましたけど、ちゃんと払って下さいましたから。
絵を気に入って下さった方の中にはお札を入れて下さった方もみえますし、絵描きのちゃんとした作品もみたいと仰って下さる方も…、作品展へ向けて心強いです。」
「準、次回からは君がもっと落ち着いて動ける体制にするからな。」
「有難うございます、企画を考えてた時にはこんな形で他の学部の方が協力してくれるなんて思ってなくて、自分で全部やらなきゃって思ってましたから…、しかも佐々木さんも遠藤さんも知らない内に自分達のフォローを考えていて下さって。」
「この学部を越えた協力ということこそが、俺たちのサークルの大きな目的の一つだからね、今日の取り組みは、その良いサンプルになったと思ってるよ、有難うな準。」
「いえ、自分は…。」
「明日も計算チーム接客チーム、若干の入れ替わりが有るけど手伝うからな、ま、今日の反省を踏まえてレベルアップは考えていくけどね。」
「はい、遠藤さんよろしくお願いします。」


花ワールド-hirata
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