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F組三国志 12-4 [F組三国志 12 舘内亜美]

「お母さま、私たちがんばってるんです。
淳一さんテストで学年五位だったんですよ。」
「ふふ、そうだったわね、亜美さんはどうだったの?」
「はい、学年で九位に入れました、夢みたいなことなんですけど、省吾さまや、淳一さんのおかげなんです。」
「省吾さまは?」
「学年トップです、美咲さまが七位、F組で学年十三位まで独占、五十位までに三十一人、名前が張り出された上位百位までに三十八人ってすごいと思いませんか、F組って?
その仕掛け人が省吾さまなんですよ、先生の力でなく省吾さま中心にみんなでがんばった結果なんです。」
「そこまではとは聞いてなかったわ。」
「その省吾さまがリーダーを勤めるのチーム赤澤のお役に立てたら私、とても嬉しいんです。」
「そうなの…。」

「でもどうやって、そんな結果出せたの? 秘密?」
「秘密じゃないわよね、リーダー?」
「うん、早川さんも知ってるでしょ。」
「ふふ、きっかけはテストの団体戦なのよね。」
「まあ、そこまでのいきさつは色々あったけど…、クラスを三つに分けてテストに取り組む、スポーツの団体戦みたいにって提案を、F組のみんなにさせてもらったんです。」
「それは、淳一からも聞いているけど。」
「それにみんなが応えてくれて、テストって基本的に個人戦じゃないですか。
だから、上を目指す人は自分のためにがんばるし、気のない人は適当にってことになるんです。
でも、団体戦となると、チームのためにという気持ちが出て、まず個人のモチベーションが上がる訳です。
実際、各チームのリーダーたちがみんなを引っ張ってくれて、テストに対して取り組む姿勢が大きく変わりました。」
「それだけで、あの結果が?」
「いえ、それだけではありません。
団体戦となると自分だけでなく、他のメンバーのことも考えることになります。
つまり、理解の遅れているメンバーへの助言ということもします。
それによって、つまり教えることによって、自分の理解の再確認ができたのです。
今回、テストで上位に入った人たちは、みな、教える側の役割もしっかりやってくれた人たちで、そう、淳一も亜美もです。
もう一つ大きなポイントになったのは、第一回数学小テスト団体戦でクラスとしての結果を出せたことです。
範囲が狭いこともあって、自分も期待はしていたのですが、F組のクラス内三チームで競った結果、F組は平均点で他のクラスと大きな差をつけました。
このことは、みんなの自信につながっただけでなく、今度はクラスとして他のクラスに勝とう、F組で協力して他のクラスに勝とうという意識を目覚めさせることとなったのです。
結果、今回のテスト対策企画も盛り上がりまして、ちょっと他のクラスの人に申し訳ないレベルでテスト対策が進みました。」
「淳一が、F組は最高って言ってたのは、そういうことだったのか。」
「はい、でも、自分たちの高校は中学でそれなりに結果を出せた人たちが入ってきている訳ですから、他のクラスにだって優秀な人は沢山います。
そんな中でさらに上を目指して、そうですね、クラスで協力しよう、結果を出そうってモチベーションが上がった所で、次のステップへの提案もさせてもらいました。」
「えっ、次のステップ?」
「はい、学習への取り組み方の再確認です。
学習への取り組み方は大きく分けると、自分から取り組むか受身かに分かれます。
モチベーションが上がってきたところで、今まで受身だった人には自発的な取り組みを提案しました。
実は、与えられた問題集を命ぜられるがままに解き、答え合わせをしてもらって、間違った所を教えてもらって、なんて学習を中学時代やっていた人もいたのです。
完全に受身で、例えそれで結果を出せても、大切なことが抜け落ちていて、本当に学習した意味があるのか疑問に感じます。
まずは、自分で考えて、自分で決める、そんなことを提案させてもらいました。
仲間に助言を求め参考にすることは悪くないことです。
でも自分で考える前に、どの問題やったら良いかなんて人に相談するような姿勢では、上は目指せませんから。」
「そうよね。」
「すでに、自分から取り組めている人たちへは、時間の使い方とかの工夫を提案しています。
学習時間が長ければそれだけ結果を出せる、という考え方もあります。
間違ってないかもしれませんが、短い時間でより良い結果を出せたら、自分たちの高校生活がより豊かなものになるんじゃないかと思うんです。
淳一も亜美も、自分にとって、より効率的な学習ということを考え始めています。
そんなことも一人で考えるのでなく、みんなで助言しあったりしてるんです。」
「う~ん、省吾さまは…、本当に高校一年生なの?」
「えっ、普通の高一ですけど。」
「はは、大学の講義受けてたみたいだったけど、お母さま、我らがリーダーの力、感じていただけましたか。」
「はい早川さん、淳一が予備校へも塾へも行かないって言う理由がよく分かったわ。
省吾さまが、みなさんから、お師匠さまって呼ばれている意味もね。
そうだ、淳一の予備校とかの費用にって考えてたお金、チーム赤澤で生かしてもらえないかしら、CD作るのだって、ただとはいかないでしょ。
赤澤省吾先生へのお礼の気持ちを込めて、どうかしら。」
「えっ、本当ですか? 助かります、それなら初期の資金の一部として…。」
「リーダー、やっぱ株式で行きますか?」
「髙尾さん、その方がみんなの勉強にもなるんでしょ?」
「はい、じゃあプロジェクト発足できそうですよね…、え~っとプロジェクト…。」
「やっぱ今日の演奏を記念して、プロジェクトスワン、プロジェクトSでもいいけど、どうかな?」
「いいかも、みんなと相談してみます。
チーフは俺でもいいですよね、リーダー?」
「大丈夫じゃないかな、高山さんたちとも相談してくれれば…、まずはプロジェクトの企画書お願いしますね。」
「はい。」
「あわてなくて良いけど…、初期投資にどれぐらいかかるか、その回収までの見込みはどうか、ってとこぐらいまではみんなが安心して取り組めるレベルのをお願いします。
CDの方は、そうだな、シングル作るコストとアルバム作るコストを考えたら、そんなに違わないと思うからアルバムにしたらどう? 淳一たちの演奏だけでアルバム一枚というのが難しそうだったら、大学のサークルとかと共同制作というのも有りかもね。
ただ、下手な演奏を無理に入れるのはかんべんして欲しいけど。」
「了解です、ただ、この後、自分らはテストとかレポート提出なんて時期になるんですが…、でもその前後の時間を使って早めに何とか…。」
「髙尾さん、まず自分のスケジュールきちんと決めといてくれないかな。
これから、プロジェクト立ち上げの準備に入る訳だけど、まずは、その準備に向けた準備ってことでさ。」
「あっ、そうか、下準備、前準備ってことですね。」
「大きな動きだけは自分も掴んでおきたいから、その報告お願いしますね。」
「了解です。」

「へ~、ほんとに省吾さまが、リーダーなのね、指示もちゃんとしてる。」
「はい、正真正銘我らがリーダーですよ。
自分もチーム赤澤のプロジェクトに参加したくて、できればチーフとして一つのプロジェクトを起こしてみたいと思ってたんです。
自分一人で何かやろうと思っても簡単にはいきません、でも省吾リーダーの周りに集まってくる仲間となら何かできると思っているんです。」

F組のこと分かってたつもりだったけど、省吾さまから改めて説明を聞くと、すごいって感じる。
でも、まだまだこれから変化して発展していく予定もあるのよね…。
チーム赤澤の活動もなんか楽しそう。
私も、淳一さんと一緒に登録させてもらったけど、何か思わぬ展開になってきた。
勉強もピアノも、ふふ恋も…、がんばらなくっちゃ。
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