So-net無料ブログ作成

夢プロジェクト-7 [権じいの村-11]

「なあ、俺達の選挙運動では名前の連呼なんてことしないんだろ、お前、選挙対策部所属だったよな。」
「ああ、騒音公害を出しながら、人に優しい国作りなんて説得力ないだろ。」
「じゃあ、どんな感じになるんだ?」
「まずは、ねずみ講のシステムだな。」
「は?」
「マルチ商法とか問題になっているけど、正義のためなら問題ない。
党員の中で志のある人にお願いして、その選挙区の立候補者への応援を、知人とかにお願いしてもらうのさ。
その話しに乗って下さった方の中で、強く応援したいと思ってくれた人にも同じことをしていただく。
もっとも、現時点での党員数を考えると…、応援をお願いしようと思った相手がうちの党員という確率も低くはないけどな。」
「だろうな、でもさ、党は有名になったけど、それぞれの候補は無名だったりするだろ。
やはり、この人に一票を、って目に見える形での活動は必要ないのか?」
「うん、今は党の支部会議を頻繁に行っているよ。
「立候補予定者は選挙区内のあちこちで、色々な規模で、党員会議を開いていてな…。」

----------

「こんにちは、青山誠一、二十九歳独身です。
次期総選挙で、新党宇宙の候補として、この選挙区から立候補させていただきます、皆さんよろしくお願いします。」
「早速ですが、青山さんの専門は財務関連ですね?」
「はい、当選したら財務、副大臣候補の一人です、落選したら財務大臣の下で働きます。」
「なんか、我々が政権を握るということが既定の事実という話し方だな。」
「現政権が、解散をずるずると先延ばしして下さったおかげで、我が党に対する支持率はずいぶん高くなっていますし、我々の準備も進んでいます。
色々な調査結果から…、油断は出来ませんが、白川先生を総理にできると確信しています。」
「君に一票入れたらこの地にとってプラスになるのかい?」
「そうですね、直接的にはプラスにならないでしょう。
我々は国のレベルで考えています、この地へ利益誘導するために、ここから立候補する訳ではありません。
もちろん、自分が生まれ育った地ですから大切に思っていますが…。
私の使命は、国の財政の健全化です。
すでに現在の財政状態は調査済みで、どこをどうして行くかという検討も進んでいます。
国の財政状況が良くなれば、この地ににもプラスになると思っています。」
「なるほど、でも他の候補者は、地元への利益誘導を考えたりしないのか?」
「我が党の候補者は全員、国というレベルで考えています。
このことは党員の方々にも理解していただけると思っています。
もし、地元への利益誘導を図る候補者がいれば党員からの報告で、すぐ除名処分になるでしょう。
皆さんにもお願いしておきます。
私が議員として相応しくないと感じられましたら、すぐ党本部へ連絡して下さい。
その内容によってはすぐ身を引いて、議員のバックアップに回ります。
自分は国会議員として自分の力を発揮したいと思って立候補を決断しました。
しかし、自分が相応しくないのであれば、違う形で我らの夢プロジェクトを支えていくつもりです。」
「はは、気に入った、俺は応援するよ。」
「地位や名声を得るために立候補するんじゃないんだ。
よし、私は君の後援会に…、ってあるの?」
「まだありません。」
「じゃあ…、どうだ、青山くんの後援会を作らないか。」
「よし、俺も乗った。」
「私も入るよ、定年退職してから時間を持て余し気味だったからな。」
「はは、暇つぶしか?」
「そんなんじゃない、新党宇宙は私の夢でもあるから。」
「じゃあ、後援会の幹部を決めるか?」
「でも、ここだけで決めていいのか?」
「まずはこの地区の後援会ということでいいだろ。
他の地区でも後援会が出来たら連絡を取り合ったり、合併したりとかでいいんじゃないか。」
「そうか、まずは青山くんの後援会第一号ってことだな。」
「あの~、皆さん、私のことまだ全然お話ししてないのですが…。」
「はは、君の自己紹介文は熟読してるよ、この選挙区から君の様な候補者を推せるだけでも嬉しいし、当選してくれたらもっと嬉しい。
応援するから、がんばってな。」
「それとね、昨日県支部に問い合わせたら、ここの選挙区の党員が全員青山くんに一票入れたら、すでに当確って数字らしいよ。」
「それでも、きちんと党員会議で顔を覚えてもらってな。」
「は、はい、有難うございます、よろしくお願いします。」
「どうだ、独身なら、うちの孫が年頃なんじゃが…。」
nice!(4)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0