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蒔神悟-6 [Lento 13,蒔神悟]

蒔神は山吹篤の所属する車椅子バスケクラブの練習に参加する様になる。
初めての見学の日、山吹は付きっ切りで説明していた。

「まずは競技用の車椅子に乗ってみるか?」
「はい、お願いします。」
車椅子から車椅子への移り方などを説明する山吹。

「どうだ?」
「普通の車椅子とはずいぶん違うんですね。」
「まぁお散歩用じゃないからな。
まずは短い距離でパスの練習から始めてみるか?」
「はい。」

軽くパスをしながら。
「まず、車椅子バスケを始めるに当たって大切なことがあるんだ。」
「何ですか?」
「あせっちゃだめということだな。
今は、ゆっくりじっくり取り組んで欲しい。」
「あっ、院長先生にも言われました。」
「だろうな、でもこのことは本当に守って欲しいんだ。」
「はい。」
「そうだな実際にあった話しなんだけど、福祉系の大学に入学した障害者がいてね。
キャンパス内では色々な障害を持った学生達が普通に学生生活を送っている様な大学だったんだけどね。」
「はい。」
「彼女は新入生対象のキャンプに参加したんだ。
基本全員参加だったからね。
それで、ハイキングにも参加してさ、本人もテンション上がってるし回りもがんばれがんばれってな感じで。
で、ハイキングはなんとか終えたもののその後、高熱を出して病院行き、そして休学となったんだ。」
「それって?」
「うん誰を責めることも出来ないかもしれないけど、俺達の視点では本人が自分の力をきちんと把握できなかった、ってことになるのさ。
俺も普段は健康なんです、って言ってるけど古傷がうずく時もあるからな。」
「そうですよね、自分の場合はまだ古傷ではないですけど。」
「とにかく冷静に自分の体の状態と向き合って、とことん自分の体に語りかける癖を付けるんだ。
トレーニング中でも、絶対無理をするんじゃないぞ。」
「心は熱くても頭はクールにということですね。」
「そんな、とこかな。」
「心掛けます。
で、ちょっと休みたいのですけど。」
「あっ、ごめん、話し込んでいてついパスが強くなっていたな。」
「自分も嬉しくてつい、でも今の山吹さんのお話で自分にストップをかけるべきかと…。」
「うん、それで良いんだよ。」


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