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蒔神悟-5 [Lento 13,蒔神悟]

その後の蒔神は色々考え動くこととなる。
まずは高校への復学。
彼の高校は以前に車椅子の教師や生徒がいたこともあって、施設面で特に問題はなかった。
だが級友たちは、車椅子に乗って現れたスポーツマンを拍手を持って迎えたものの、どんな言葉をかけて良いかとまどっていた。
そんな雰囲気を感じ取った蒔神はホームルームの時間に。

「えっと、改めて自己紹介させてもらおうかな。」
「そんな必要ないぞ。」
突っ込みを入れたのは親友の牧野だ。
「いや長いこと休んでいたから…、自分の生活も大きく変わったし、今自分が考えていることとか皆に知っておいて欲しいと思ってさ。」
「わかった、話せよ。」
「まず…、俺は留年する、まあずいぶん休んだから仕方ないけど、その分ゆっくり学習できると思っている。
じっくり理数系に取り組んで、コンピューター関連の学部に進学するつもり。
バスケは続ける、マネージャーとかではなく選手として。」
小さなどよめきが起こる。
話を続ける蒔神。
「車椅子バスケって知ってる?」
「知ってるわよ!」
大きな声で叫んだのは伊藤可奈。
「あっ、可奈知ってたんだ、でも俺は知らなかった。
病院の人たちに教えてもらうまで絶望のどん底だったさ。
でも院長先生に連れて行ってもらった体育館で、車椅子に座った状態でフリースローを決めれたんだ、さすがに一発でとはいかなかったけどさ。
入った時はまじで泣いたよ、コートに帰れた、またバスケができるって。」
話を聞いて涙ぐむ女生徒もいる。
「ヒゲ親父と交渉して、一年生の面倒を見ながら自分の練習もしていけそうなんだ。」
ヒゲ親父とはバスケ部の顧問梅田のこと。
「それと、みんなに分かっておいて欲しいことがあってさ。
俺は病人でも怪我人でもないと思って欲しいんだ。
確かに足で移動することはできなくなったけど、それ以外はいたって健康そのものでさ。
車椅子での移動も今はまだ慣れていないけど、自分の力でやっていけると思っている。
やっていかなくちゃいけないんだ。
でも、どうしようもない時もあって…。」
「遠慮するなよ、仲間だろ。」
声を上げたのは柔道部の斉藤。

涙ぐむ生徒が増えていくこのホームルームの時間、車椅子生活者として何をして欲しいか、何をして欲しくないかを蒔神は級友たちに伝えることができたようだ。


TENDERLOIN

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コメント 2

skimble

こんにちは。scoskiです。
暗くなりそうな内容なのに、前向きに、爽やかに進められていくストーリーが気持ちよく、拝読させて頂きました~。
ソネブロ、いまだに微妙な不具合がちまちま有りますよね。
もうこれは諦めるしかないのかしら…?リニューアル前に戻して欲しいものです。
by skimble (2008-05-01 10:42) 

おにい

読んでくださって、ありがとうございます。
うちは読者の多くがso-net以外の方ということもあってか、読んで下さっている方の感想がなかなか聞けなかったので嬉しいコメントです。

それにしても昨日スキンブルくんの写真は特にかわいかったですね。
カメラ目線?
by おにい (2008-05-01 22:19) 

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