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桜庭康平-2 [Lento 4,初秋]

午前中の話し合いが終わりホールへ案内される桜庭。
プロによる演奏時間が終わり、今はランチタイム前、先崎が演奏していた。
先崎のバイオリンに合わせ踊る様にランチ前の準備をしているホールの女の子たち。
客たちは談笑しながらLentoの雰囲気を楽しんでいるようだ。

桜庭たち4人が席へ着くか着かないかのタイミングでテーブルへ来たのは西園寺優子だ。
「桜庭さんこんにちは、ゆっくりしていって下さいね。」
和音の演奏会で桜庭とは顔見知りになっていた。

すぐに別の女の子が来て初音に。
「あちらのお客さまが、お話ししたいことがあると言っておられますが、いかがいたしましょう?」
「すぐ行きます、桜庭さん、何かあったら優子にお申し付け下さいね。」
同様に祥子、緑川も客に呼ばれて席を離れ、残された桜庭は優子に話しかける。
「何か訊きたいことが沢山あるんだけど。」
「はいどうぞ、そのために私がここにいるんですよ。」
「え~っと、携帯の番号とスリーサイズ、それから、どこに住んでるの?」
「ふふ、それは秘密です。」
「それにしても…、ここは…、どこなの?」
「Lentoですよ。」
「う~ん、女の子たちも綺麗な子が多いし、何から訊けばいいのかな?」
「ふふ、綺麗な子が多いのは、ホール係り採用の基準の一つに、このLentoの雰囲気に合っているかどうかということが有るからなんですよ。」
「しかし普通にバイト募集して簡単に集まるものなの?」
「Lentoで一般募集したのは最初だけなんだそうです。」
「たしかプロジェクトの関係もあって人を増やしているって聞いたけど…。」
「今は、スタッフの紹介だけでずいぶん増えてます、Lentoのイメージに合っていて一緒に働きたいと思う人を、スタッフが誘って来るんです、もちろん紹介料も貰えますから。
給料が良いし、お金もらって名演奏が聴けたりするから…、バイトする必要の全くないお嬢様も少なからず働いているんですよ。」
「客の人数に対して働いてる子が多い気もするんだけど。」
「お客様方が納得できるサービスを提供できる人数以上であることが基準なんですよ。
この時間帯はランチタイムをはさみますので一番人数が多いのです、3時間だけ働いているスタッフも多いんです、演奏中は必要ないですからね。」
「そりゃそうだ、給料はそんなに良いの?」
「と、思います、ランク制になっているんですが、最初は時給千円から、ランクが上がるごとに百円ずつ上がっていきます。」
「昼間のホールでそれだけ貰えるとやりがいもある訳だ。」
「君は今いくら貰ってるの?」
「時給1,600円です。」
「えっ? 今何年生。」
「2年生です、Lentoへは大学に慣れた頃の7月に紹介していただいたので、1年と2ヶ月ぐらいでしょうか?」
「ランクアップは簡単なの?」
「普通の人なら、初めは毎月上がって1,300円って感じみたいですが、働き初めてから5ヶ月で1,500円という人も少なくないです。」
「ずいぶん気前がいいんだな。」
「でもここからが勝負なんです。」
「勝負?」
「最高ランクで2,000円なんですけど今まで5人しかいないそうなんですよ。」
「へ~。」
「私も、もちろん目指しているんですけど1,500円から1,600円になるまでに5ヶ月もかかってしまったんです。」
「い、いや普通はそんなもんなんだよ。」
「でも、真子さんは半年で2,000円だったんですよ。」
「そうか、彼女はホール係りとして働いていたんだったね。」
「彼女の踊るように働く姿がお客様に大好評となったんだそうです。」
「う~ん。」
「その後は時給プラスボーナスとなって、今はLento専属のプロ舞踏家という感じで違った契約を結んだそうです。」
「なるほど…。」
「ちなみに和音さんのマネージャーになる前の祥子さんも時給2,000円だったんですよ。」
「それだけの仕事をしてたってことかな?」
「そうなんです、私も祥子さんを目標にしているのですが、まだまだ力が足りません。」
「シフト制の職場は調整が難しいって聞くけど…。」

その時、優子は何かに気づいた、という感じで桜庭の話しに応えることなく。
「すいません、すぐ戻りますので…。」
と言い残すと、そのまま、踊るようにホールの人となった。
優子は桜庭と話しながら、ずっとホール内の様子を見ていた。
お客さんとの対応に、ちょっととまどっている新人に気づいたのだ。

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