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神沢祐樹-86 [高校生会議2-17]

「お兄さま、オフィス白川、会社創立記念パーティー会場、広いですね。」
「優香、出席できる社員全員とゲストの人数を考えたらこれくらいの広さは必要なんだよ。」
「あっ、お姉さま、今日は一段とお美しいです。」
「有難う、優香さんも素敵よ、今日はお嬢さまモードなのですね。」
「はい、お姉さま、今日はハードな一日になりそうですね。」
「えっ、そうかしら、今日も祐樹さまとずっと一緒ですので楽しい一日になると思います。」
「そういう感覚なのですか…。」
「優香もインタビューされると思うが大丈夫か?」
「はい、一応裏技を考えて有ります。」
「裏技?」
「答えにくい質問をして来る人には、こちらから質問を指定させて頂こうかと、こういう質問なら丁寧にお答えしますよ、とか。」
「はは、それは良い、その質問を指定している場面も放送して貰えばうけると思うよ。
俺もその手で行こうかな。」
「私はきっと祐樹さまの事を聞かれると思うのです…。」
「だろうな。」
「限られた時間で祐樹さまに対する気持ちを、皆さんにお伝え出来るかどうかが心配で…。」
「うっ、ほどほどにしときなよ。」
「お兄さま、それはそれで楽しいでは有りませんか、私の大切なお兄さまを独り占めなさろうというお方なのですから。」
「はは、まあ自由にやった方が良いのかもな。」
「神沢社長、今日は長くなりますから今は控室でゆっくりしていて下さい。」
「有難う御座います、じゃあ控室へ行こうか…。」

「社長、ワイドショーのスタッフが事前にお話を伺いたいそうですが如何でしょうか?」
「う~ん、時間はまだ大丈夫だから、お通しして下さい。」

「…、という事で、神沢社長として、単に高校生社長というだけでなく紹介したいポイントとかあれば教えておいて頂きたいと思いまして。」
「有難う御座います、それでは、柿川フレンズのグッズ製作関連を取り上げて頂けませんか?」
「どの様な事で?」
「グッズの製作には様々なハンデをお持ちの方に協力して頂いております。
Tシャツのデザインには看護師の方から推薦の有った、長期入院中の中学生の作品を採用させて頂きました。
製作中のグッズは、パーツの準備を障害の有る方が働く作業所に依頼しています、そのパーツを使って組み立てる作業は、リハビリの一環として機能訓練中の方を中心にお願いしています。
仕上げは高齢者雇用促進の団体が協力してくれています。
どの工程も数量が不足したり、バランスが取れない様なら協力工場でカバーして頂きます。
働きたいが、普通に働きづらい人にお仕事をお願いする形です。
採算を考えると商品が割高になりますが、柿川フレンズのグッズとして一般の商品と差別化しますので、契約を済ませた団体の能力に応じた作業量は確保出来ると考えています。」
「単に芸能活動を通して利益を得るというのでは無いという事ですね。」
「ええ、芸能活動を通して、柿川の更なる活性化を計りながら、ハンデをお持ちの方にも喜んで頂ける活動をと考えています。」
「分かりました、その団体の方々も取材させて頂きたいと思いますがよろしいでしょうか?」
「もちろん大丈夫です、優香、吉川さんを呼んで来てくれないか。」
「はい。」
「うちの担当と打ち合わせをお願いします。
各団体にはそれぞれデリケートな部分が有りますので、普段の取材とは違うと考えて頂きたいのですがよろしいですか?」
「はい心掛けさせて頂きます。
その…、お話を伺いまして、継続的な取材をお願いしたいと思いますが如何でしょう?」
「構いませんが、ローカル局で番組がスタートする事はご存知ですか、系列が違うと思いますが。」
「はい、問題無いです、神沢社長はインディーズでスタートされるそうですが、うちの音楽番組にも紹介させて下さい、異色ですが日本中の人に知って欲しいと思います、お話を伺ってその気持ちが更に強まりました、まずは今日の撮影、よろしくお願いします。」
「こちらこそ、お願いします。」
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神沢祐樹-85 [高校生会議2-17]

「祐樹くん、法務局はどうだった?」
「自分達はついて行っただけですから社会見学の様なものです、取材のカメラが入りましたので目立ってしまいましたが。
でも、これから代表取締役社長として頑張りますので、お義父さん、ご指導よろしくお願いします。」
「はは、私が指導する事なんて無さそうだがな、提出した書類の意味だって分かっているのだろ。」
「はい、書類作成などは全て人任せでしたが、内容の確認はさせて貰いました。
自分でも調べましたが、思っていたより簡単だと感じました。」
「うん、大変なのはこれからなのさ、決算とかね。
でも新会社は学生達の為に遥香システムを通してオープンにして行くのだろ、暇な人がチェックしてくれると思うよ。
上場企業だと面倒な事が多くなるが、上場を目指す必要もないからな。」
「はい、それでも社員達は何とか配当を出せる様にすると気合いを入れてくれています。」
「無理をする必要はないよ、だが社員持ち株制度を念頭に置いてるそうだね。」
「ええ、自分達の会社という気持ちが高まるという事で、形は検討して貰っています。」
「あの社員達だとボーナスの一部を株券にしそうだね、その株券の価値を自分達の力で高めて行くのだろう。」
「そんな気はしています、ただ雇われているだけの人とは根本的に違う人達です。
ボランティア社員として、休日を使って働いて下さる様な方々ですので。」
「それだけ新会社に夢が有るのだと思うよ、遥香コーポレーションの立ち上げは元になる会社が有って、当初外部から参加出来る人数がかなり限られていたそうなんだ。
若者中心だった事も有ってそこに絡めなかった人達が、祐樹くんから夢を貰って集まったのさ。
私も考えされられているんだよ、うちの社員達は夢を持って満足して働いているのかとね。」
「規模が大きいと難しいですよね。」
「ああ、でもな、若い子がぽろりとこぼしたのだよ、祐樹くんが次期社長になると思うとワクワクしますってね。」
「えっ、お義父さんを差し置いて…、しかも早過ぎですよ。」
「はは、散々お主の自慢話をしてやったよ。
考えてみるとだな、遥香さまが目立ちすぎてるから気付いてない人もいそうだが、岩崎には魅力ある人材が豊富なんだ。
それは岩崎社長の人徳だと思う。
そして、君もまた、その資質を備えていると思うんだ。
君が持ってる真っ直ぐさを失わなかったら、岩崎社長に負けず劣らない大社長になる器だと思っている。
高一の君に言うべき事では無いのかも知れないが、トップリーダーとしてその自覚を持って経験を重ねて欲しいのだよ。
まあ、ついでにうちの娘を頼むな。」
「有難う御座います、自分がどれだけの器なのか分かりませんが、お義父さんから頂いたこの機会を自分の成長の糧とさせて頂きます。
絵美は…、その…、お嫁に貰うという感覚には馴染めません、パートナーとして共に歩いて行けたらと考えていますので。」
「うむ、だが、娘は婆さんの影響を受けて古風な所が有るし、人付き合いの場が限られていたという事情も、まあ間違いなく君に惚れてるから、婚約は何時でも良いよ。」
「う~ん、何となく思っていた、娘を持つ父親像と違うのですが…。」
「そうか? 娘の相手が最高の男だったら嬉しいじゃないか。」
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神沢祐樹-84 [高校生会議2-17]

「神沢社長、記念パーティーの取材依頼はまだ増えそうですね。」
「はい、東京の子会社が頑張って情報を流してくれていまして、ぎりぎりになってからでも問い合わせが有るかも知れないそうです。」
「随分忙しいパーティーになりそうですが、少し欲張り過ぎましたか?」
「良いじゃないですか、効率的で。
もう直ぐスタートする番組の撮影、CMやポスターの撮影、マスコミの取材と慌ただしくはなりますが、そんな風景を来賓の方にも見て頂けたら、ただのパーティーより楽しいと思いますよ。
絵美の衣装も楽しんで頂けるでしょう。」
「確かに撮影風景を見せて頂けるのは楽しみですが…、全国放送されてる番組の取材は個別に応じられるのですよね、自分なら緊張してしまいそうです。」
「はは、メインの話題を番組毎に変えたいので、そちらの方が大変ですよ。
普段見ない番組ばかりなので色々教えて貰っていますが…、まあ生放送は無いので何とかなるでしょう、パーティーの費用を撮影関係でカバーしつつ宣伝も出来るのですから有難いですね。」
「その分、社長と副社長の負担が大きくなってしまいます。」
「大丈夫ですよ…、そうですね…、柿川フレンズのTシャツもアピール出来ませんか。」
「あれは、病院暮らしの子がデザインしてくれたそうですね。
素人っぽさが何故か暖かくて良い仕上がりだと思います。」
「あのTシャツを着ている映像を、テレビを通して作者の子に見せたいのですが。」
「分かりました、手配しておきます。
入院していても社会参加出来る、我々のシンボルに相応しいですものね。
やはり作者の子も番組に出演して貰いますか?」
「本人の意思を尊重してあげて下さい、それと絶対無理をさせない様に配慮が必要です。」
「はい、気を付けます。」

「神沢社長、スケジュールが立て込んで来ていますが大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ、部活にもそれなりに出るだけの余裕が有ります、挨拶回りも先方が気を遣って下さってスムーズに進みましたから。」
「法務局へは授業後になりますが…。」
「社会学習の一環として取り組んでいますので、学校側も配慮してくれています。
自分達が行く必要性は低いのですが、撮影も入りますからね。」
「私は経験が無いのですが、大変なのでは有りませんか?」
「大丈夫ですよ、書類などに間違いは無ければ簡単な事なのです。」

「社長、学校での撮影は始まっているのですか?」
「まだまだ準備中です、先生と生徒会の方が日常の学習に影響のない形を検討していたり、エキストラの人選をしている段階です。
ブラスバンドや演劇部は発表の場と捉えていますし、体育会系でも目立ちたい人達は色々考えていまして、それなりに準備期間が必要なのです。
番組が好評で長く続けば学校の皆さんにも満足して頂けると思うのですが、柿川市民には興味を持って頂けるとしても、他の地域ではどうでしょう…。」
「大丈夫ですよ、簡単な調査を高校生会議に協力して貰って実施した結果はまだ整理中ですが、ざっと目を通したところでは、興味を示している方が少なく有りませんでした。
編集済の番組一本目を見させて頂きましたが、あの内容なら大丈夫だと思います。」
「番組が成功すれば、我が社の売り上げも期待出来ます、夏休みまでに形を整えて、秋には黒字にします。」
「無理の無い様にお願いしますね。」
「はい。」
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神沢祐樹-83 [高校生会議2-17]

「ここからはリラックスして下さいね、飲み物は各自でお願いします。」
「神沢社長、いよいよですね、私は完成された会社に就職して今まで過ごして来ましたので、会社の立ち上げに参加させて頂ける事が楽しくて仕方ないのです、地域の活性化、弱者に対する支援を念頭に置いている会社ですから尚更です。」
「ですが、社長が高校生で不安は有りませんか?」
「えっ、不安なんて、社長からは私利私欲が全く感じられません。
社長の為の会社ではなく、社会貢献を推し進める会社ですから味方は凄く多いのです。」
「そうですよ、白川副社長との初デートは柿川をざわつかせる大事件でしたが、生暖かく見守りつつ応援して行こうと盛り上がっていまして、写真集でもCDでも発売すればこのエリアの売り上げだけで採算が取れると予測されています。」
「社長、CD制作はどうなっていますか?」
「一枚目は自分達で作詞作曲したものをプロの先生に編曲して頂いてます。
相談しながら進めていますが来月から録音とDVDのための撮影に入れそうです。
二枚目は古い歌のカバーアルバムで、別の先生に編曲をお願いしています。
この二枚の制作は子会社化する事務所の方で仕切って貰います。
三枚目は一枚目以上に実験的な作品を考えています。
百人一首の世界を題材にし、例えば…。
『忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで 』
と詠んだ後、この和歌をイメージした歌を、一つは口語調の歌詞で、一つは古文の歌詞で、もう一つは英語の歌詞でと、三曲作る予定です。
国語の先生、英語の先生、音楽の先生が十人程集まりチームを組んで作業を始めています。」
「えっと…、その意図は?」
「教材です、古文に親しんで貰う事が第一の目的ですから、あまり売れないでしょうね。
でも、話を持ち掛けた先生方は面白いと、岩崎高校生会議にも古文関連の学習研究チームは有りますがあまり活発ではないそうで、新しく古文のルールに則っとった歌詞を作ってみる事で何かが見えて来るかも知れないと話して下さいました。
CD化まで出来なかったとしても、番組で取り上げて貰うつもりです。」
「普通のアイドル、他のアーティストがしない事を積極的にやって行くのですね。」
「はい、予定しているCDも伴奏にはマイナーな楽器も取り入れて行く方向でお願いしています。」
「先生方の取り組みにも取材が入るのですか?」
「ええ、学校改革が進んでいるからこそ、この様な取り組みが可能なんだという視点でも。
国語の先生は若い頃、経験のないバレー部の顧問にさせられて随分苦労されたそうです。」
「英語の歌というのも必要なのですか?」
「はい、とても重要です、言語の違いを実感するという大義名分が有りますが、英語の先生に密かに想いを寄せていらっしゃる音楽の先生の為なんです。」
「な、なるほど…。」
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神沢祐樹-82 [高校生会議2-17]

「白川副社長、本日はお招き下さいまして有難う御座います。」
「長澤部長、今日はゆっくりしていって下さいね。」
「は、はい…。」

「…、では、会社創立記念パーティーの準備は大丈夫ですね。
簡単ですが、予定していた確認作業はここまでとします。
後、幹部の皆さんから見て遥香システムには上がって来ていない様な問題とか有りませんか?」
「私共より、神沢社長は如何ですか、戸惑われる事もお有りかと思いますが。」
「はは、丁寧に話して下さる事には慣れません、自分はまだ高校生ですから。」
「いえ、年齢関係なく多くの者の心を動かした尊敬出来る社長です。
ボランティア社員などという普通で有り得ない形態は、我々の中から自発的に生まれたもの、尊敬に値しない社長の下に、この様な形で人は集りません。」
「有難う御座います、とても照れくさいですが、ただ、それに関しましては少し懸念が有ります。
ダブルワークが主とは言え順次正社員になって頂く訳ですが、スタートが無給社員なだけに、サービス残業が常態化してしまわないかと思うのです。
また、給料は岩崎標準に合わせますが、きちんと皆さんに満足して頂ける額になりますでしょうか?」
「大丈夫です、社長からの目標として、ダブルワークで良いから全員を正社員にと言われた時に、我々が何を考えたかと申しますと、社長の人徳で得られた資本金を効率良く活かし、我々の給料のみならず、会社全体の経費や会社を発展させて行くための資金を如何に稼ぐかという事です。
社長が提案して下さった様々な案件を検討させて頂いた結果、全員が正社員となるまで然程時間は掛からないと思っています。
更に、社長、副社長が自ら看板となって収益を上げて下さいますので何の心配もしておりません。
ブラック企業で横行している様なサービス残業は発生させませんのでご安心下さい。」
「ですが、休みの日に、つい仕事の事を考えてしまうとか…。」
「はは、それぐらいは許して下さい、嫌々考えてる者はいないでしょうから。」
「そうですか…。」
「我が社は大勢が勝手に押しかけ社員になった様なものです、自分達で何とかしますので社長が心配される必要は有りません。」
「そうですよ、記念パーティー関係の交渉をしている時でも、神沢社長のお名前を出させて頂くだけで、スムーズに事が運びました。
写真集、CD、DVDなど絶対買うから出して欲しいという声も沢山届いています。
社長はそちらに力を注いで下されば良ろしいのです。」
「総務部長は個人的に欲しいのだろ?」
「長澤さん、訊かないで下さいな。」
「社長、写真集ですが一つ考えが有ります。
市内のおしゃれポイントで撮影して頂きたいのですが、その時に、完成したお二人のツーショット写真を真似しての撮影がしやすい様に、また、自分と社長や副社長とのツーショット写真に加工し易い構図にしておくのです。
写真集発売後に知り合いを利用して仕掛ければ、撮影ポイントへ行く人が増え、自分とのツーショット写真加工を流行らせる事が出来ると思うのです。」
「なるほど、楽しんで貰えて、衣装の売り上げにも貢献出来るかも知れませんね、お店の宣伝も可能ですか…、でも男女カップルの写真集、売れますか?」
「始めは売れ行きが悪くても、自分とのツーショットに作り替える事が出来ると知ったら試してみたくなると思います、異色さが話題になりますし、素敵なカップルですから、ブライダル関係の目に留まればCM出演に繋がるかも知れません、白川副社長は如何です?」
「そうですね、モデルは経験して来ましたが基本一人での撮影でしたので少しチャレンジです、あまり売れなくても赤字にならない程度の規模で試してみますか。
柿川市を前面に出して柿川の案内的な要素を含めれば間違えて買って下さる方が見えるかも知れません。」
「悲観的なご発言ですが、進めてもよろしいですね。」
「ええ、どうぞ。
さて皆さん、良い時間になりましたのでそろそろ食事に致しましょう。」
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神沢祐樹-81 [高校生会議2-17]

「絵美、システムを介して情報交換は出来てると思うが、昨日親父と話していて、社員同士顔を合わせてのコミュニケーションも大切な気がして来たよ。」
「そうですね、先日撮影を手伝って下さった方とは直接お話が出来て良かったです。
それまで声を聞いた事もなく、お顔は写真でしか知らない方でしたが、実際にお会い出来た事によって、その方が書かれた報告の内容を受け止め易くなった気がします、微妙な感覚ですが。」
「分かるよ、ほとんど知らない人と、知り合った人の差だな。
それでね、少し調べてみたら、うちみたいに社員がバラバラの場所で働いている会社は、遥香システムを活用していても、それぞれ工夫して同じ部署で働く社員同士が交流する場を作っているみたいなんだ。」
「それはうちでも取り入れるべきですね、ただ、柿川に住んでいらっしゃる方は容易だと思いますが、問題は遠方にお住まいの方です。」
「ああ、将来的な事業拡大を考えると、遠くの人とも意識にずれが生じる事の無い様にしておきたいと思う、でも移動の時間や経費を気軽に使える状況では無いよな。」
「色々ハードルが有ります、まずはテレビ電話を利用してとかは如何でしょう?」
「そうだな…、趣旨を説明し検討して貰おうか。」
「はい、ですが、テレビ会議という事になると少し違ってしまいます。」
「そうだね、もちろん必要が有ればテレビ会議を開いてくれても構わないが…、大人達だから、仕事帰りの飲み会という雰囲気で交流してくれると良いのだけど。」
「お好きな飲み物や食べ物を用意して…、テレビ電話での歓談という感じに上手く出来ますでしょうか?」
「試して貰おう、俺達だって酒席には参加しにくいが、そういう形なら問題ないだろう。」
「そうですね、うちでのホームパーティーならお酒を召し上がって頂いても大丈夫なのですが。」
「あっ、会社の幹部になって下さる方とは早めにそういう席を設けたいね。」
「分かりました、総務部長と相談しておきます、テレビ電話を通しての交流も彼女なら、その意味を理解して下さると思います。」
「ああ、頼むよ、会社の創立パーティーも、遠方の方には映像で見ていた頂く予定だが、もう一歩踏み込んで、映像を通して自己紹介とかお願いしても良いのかな、時間的にはどうだろう?」
「予め録画して置けば大丈夫では無いでしょうか、一人一分とすれば十五分で済みます。
会場の方々は部署ごとに済ませる予定ですので簡単です、来賓の方の挨拶は長引くのでしょうか?」
「大丈夫だと思うよ、簡潔な挨拶をして下さる方を選んでおいたし、長引いたら俺達の歌を削ると伝えて有るからね。」
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神沢祐樹-80 [高校生会議2-16]

「お前達、番組制作はどうだ?」
「あっ、親父、ナレーションを入れる前のを見せて貰ったけど、結構まとまっていたよ。」
「そうか、限られた時間で大変だろう。」
「今の所、予定していた通り、仕事風景を撮影して貰っているだけだからそうでもないかな、優香もきちんと仕事と学習の両立を考えてくれてるし、協力して下さる方が多いから大丈夫だよ。」
「そうは言っても、社長は残業とか関係ないから無理するなよ。」
「うん、ねえ、親父は原則残業無しでしょ、研究職だともっと仕事をしたいと思う様な時はないの?」
「そうだな、人それぞれだし、研究と言っても段階によって状況は変わる訳だ、休みの日に一見ぼ~っとしている様に見える時間、実は猛烈に働いているという事は有る、頭の中だけの作業だな、祐樹だって似た様な時間が有るのじゃないか?」
「うん、入浴中に考えていたり…、自分の場合は絵美と仕事をするのが楽しくてしょうがないから、仕事か遊びか分からないかな。
でもさ、社員の場合を考えたら線引きをしなくては行けないでしょ?」
「労働時間か、私達の場合は結果を出せば良しという考え方も有る。
作業は効率良くやってはいるが、効率ばかりを重視していては良い研究が出来なかったりする訳だ。
製造現場とかだと違うのだろうがな。」
「そうだよね、これから正社員になって下さる方の労働時間に気を付けないと、サービス残業が横行し兼ねなくて心配なんだよ。」
「有りうるな、ボランティアでも良いという人達だから、皆さん喜んでサービス残業をしそうだな。
岩崎標準の給料なら安過ぎるという事は無いとは思うが…。
社長の懸念として社員に伝えておくべきかもな、後はチームでお互いに気を付けて貰うとか。
ただ、拘束時間をきっちりしておけば良い様な気もするぞ、酒を飲みながら会議をしてる連中もいるからね。」
「それって、会社の愚痴とか?」
「そうばかりではない、仕事場とは違った環境で話をしてみると違った発見が有ったりするんだ。」
「う~ん、そうか…、でも自分は飲み会の席には当分行けないからな。」
「どうしてもという時は私が同伴するよ、親が同伴なら問題ないだろ、酒は祐樹の代わりに飲んでやるから、支払いは頼むな。」
「はは。」
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神沢祐樹-79 [高校生会議2-16]

「祐兄、今までの撮影を編集した映像とナレーションの原稿が届いて、自分の言葉で話して欲しいって事なんだけど…。」
「ああ、結構良い感じに編集されてたな、優香、出来そうか?」
「うん、妹として話せば良いのだから何とかなりそうだけど、異色の男女ユニット高校生アイドル社長として…、えっと…、売りだして行くの?」
「まあ、それが分かり易い表現なのかも知れないが、優香には自然な感じで俺達を紹介してくれたらと思うよ。」
「そうよね、異色とかアイドルって言葉はあまり使いたくないって思うんだ。」
「ああ、そうしてくれて構わない。」
「アイドルってさ、改めて考えてみると微妙な存在なのよね。
恋愛禁止の延長で独身のまま中年になってる人とか、女性の場合は男の人の…、色々有るのでしょ。
祐兄達が地下アイドルの様な扱いを受けるとは思わないけど…。
でも、そう考えると始めから恋愛中のアイドルって、ファンが付きにくい反面、健全なのかな。」
「だろ、俺も絵美が一人だけでアイドル活動をするなら絶対に反対なんだ、どれだけ人気が出るにしてもね、まあ俺達はアイドルというカテゴリーには入らないとは思うが。」
「そうね、歌唱力がアイドルレベルじゃないものね、二人でアーティストとして上を目指すと紹介させて頂けば良いのかな。」
「ああ、まだまだ自分の歌唱力に満足してないから、そんな感じで頼むよ。
それより中間テストも近いが優香は時間のバランス、取れそうか?」
「うん、気を付けてる、祐兄みたいな結果は出せないけど、私にだってプライドは有る、仕事と学習を両立させるわ、祐兄がやってる様に時間を効率的に使い分ける方法を考えているのよ。
長時間の集中が苦手だから、まずは頭の切り替えを素早く出来る様に練習してるの。」
「頼もしいね、自分で考え自分で決める、優香も中二になって更に成長したね。」
「優秀な義姉が増えてしまって、私だけ取り残されたくないもの。
ナレーションだって上手にやって祐兄達を盛り立てるからね。」
「期待してるよ、ただね始めからうんと上手で無い方が良いんだ。」
「えっ、どうして?」
「優香がナレーターを続けて行く内に上手になって行く、それを視聴者の方にも楽しんで頂こうと思ってるのさ。
まずは中二の優香らしさを出してくれる事が一番なんだ。
上手さに気を取られ過ぎて面白みに欠けたらつまらないだろ、大人の真似をする必要はない、ナレーションを楽しんで欲しいかな。
番組制作の人も賛成して下さっているからね。」
「そっか、少し考え過ぎてたかも…、祐兄の妹は元気な中二なんだぞっ、て感じで良いのかな。」
「ああ、可愛くて元気な妹、そのままでね。」
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神沢祐樹-78 [高校生会議2-16]

「祐樹くん、今日の撮影はどうだった?」
「お義父さん、初めてにしては問題もなく順調でした。
ただ、番組のパーツですので、編集の結果がどうなるのか気がかりでは有ります。」
「所謂、密着という感じだったのか?」
「はい、スポンサーになって下さる方との話や、柿川フレンズのメンバーになって下さる方との面談、市民コーラスの児童部会の風景など、前から予定していた事をそのまま撮影して頂けて良かったと思います。
自分としては番組を通して伝えたい事が多過ぎて、悩ましいところですが。」
「まあ、焦らなくて良いだろ、絵美は?」
「はい、お父さま、普段通りと言われましたので、普段通りに、特別な事は有りませんでした。」
「ほんとに絵美は動じないというか撮影を気にしなくて、まあ、普段から行く先々で容姿を褒められ騒がれていますから…、自分達は似た者同士なのかも知れません。」
「祐樹くんは妬みとか感じた事無いのか?」
「う~ん、そういう感じはあまり…、女の子の圧に押され気味でしたから同情して貰ってたぐらいです。」
「はは、そういうものか、どうだ、二人はそろそろ互いに相手の欠点とか見えて来たか?」
「欠点ですか…、自分は人の欠点を見るのではなく、長所に気付きなさいと教えられましたので…。」
「祐樹さまは、どんな私も優しく受け止めて下さいます。」
「我儘言って困らせたりしてはいないのだろうな?」
「もちろんです、祐樹さまは男性の中でも特別に素晴らしい方という事が分かって来ましたから、絶対に嫌われたくありません。」
「ふむ、二人の関係は長続きしそうなのだな。」
「はい。」
「テレビでカップルだと知らせてしまう訳だからな、仲の良さが続けば憧れの存在として応援してくれる人も増えるだろうが、逆も有るからね。」
「自分はその覚悟有ってお付き合いさせて頂いてます。」
「うん、それなら安心だ。
今日は社員達も行ってたそうだが、彼らの反応はどうだった?」
「サポートしてくれた社員達は、撮影の模様を楽しんでいた様です。
初めて会った人達も終始にこやかでした。」
「そこが君の強みだな、色んなタイプの社長がいるが社員に愛されるのが一番だと思う、私には無理だがね。」
「お義父さんは尊敬されていますから。」
「はは、だと良いのだが…、君の所の社員とは違って腹に一物の有る部下もいるんだ。
まあそんな奴の方がうちの規模だと良い仕事をしてくれる訳だがな。」
「そうですか…、参考にさせて頂きます。」
「社長を始めてみてどうだ?」
「まだ登記も済んでいない段階ですから何とも言えませんが、社員にお任せする所はお任せしながら方向性は示せているつもりです、一先ず収入が入る目途が立ち始めているので少し安心と言うレベルですが、先行投資をして行く部門は結果が出るまでに時間が掛かりますので油断は出来ません。」
「協力者は多いのだろ?」
「はい、社会貢献を一つの目標と掲げていますので、皆さんを裏切らないだけの結果を出したいです。」
「出来そうか?」
「もちろん、失敗すると思って始めてはいません、少しドキドキしていますが形に出来ると思っています。」
「そうだな、異色の男女ユニット高校生アイドル社長、インパクトは大きい、それを上手く利用して行けば大丈夫だろう。」
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神沢祐樹-77 [高校生会議2-16]

「祐樹くん、テレビ収録に関する全校生徒向けの説明がいきなり有って、保護者向けの書類が配られるとは思ってなかったわ、昨日交渉したばかりでしょ?。」
「スケジュールを考えたら、学校側としても早めに動く必要が有るのさ。
番組を通して色々考えて欲しいと教育委員会も考えているからね。」
「えっ、教育委員会?」
「ああ、教育長も市長も乗り気なんだよ、校長だけの判断ではないという事さ。」
「はぁ~、祐樹くんの根回しって、そういうレベルだったのか。
でも、結構気を遣うのね、実際の授業風景は撮影しないとか。」
「撮影されていては授業に身が入らないだろ、エキストラを募集して架空のクラスを誕生させ、授業風景を撮影という事なら、テレビに映りたい人ばかりでスムーズに行くと思うんだ。」
「部活は目立ちたい系優先なのよね。」
「部活改革は番組の主要テーマ、環境的に柿川ほど恵まれてない高校や中学でも考えて貰うべき事なんだ、先輩方も楽しく紹介してくれると思うよ。」
「そっか、色んなテーマが有るんだ。」
「うん、ディレクターは大学入学をゴールにしない、といううちの方針に光を当てたいと話してた。」
「はは、そんなの当たり前じゃない、大学に入る為に学習してる訳じゃないでしょ。」
「それを当たり前だと思っていない人がいるって事さ、学歴崇拝の人達にとって、学習は入試の為でしかないみたいだよ。
番組を通して、岩崎高校生会議が中心になって進めて来た、進学と就職を考える取り組みを広く知って貰いたいって事さ。」
「そっか、柿川は岩崎関連が多いから他とは違うのかな。」
「うちはその中でも特に偏差値の高い高校だから、ディレクターも期待しているみたいだよ。」
「真面目な番組なのね…、あっ、昨日エンターテイメントって言ってなかった?」
「部活をさりげなく紹介して行く形で音楽系の部活中心に頑張って貰うのと柿川フレンズの活躍の場と考えている、番組の舞台は高校だけでは無いからね。」
演奏は毎回必ず入れて貰う方向で話を進めているんだ。」
「合唱部もって事?」
「ああ、特別な曲ではなく今練習しているのをそのまま取り上げて貰う。
練習中の曲がどう仕上がって行くかを見て頂くのも有りだろ。
そうだな、過程を楽しんで貰える番組に出来たら面白くないかな。」
「そうね、じゃあ体育祭や文化祭も?」
「番組が続けば、有るだろうね、リアルなドラマに仕立てる事が出来たら面白いかな。」
「撮影は何時から始まるの?」
「土曜日からだけど、学校のシーンはもっと先になるよ。
準備をしっかりして、短期間にまとめて撮影するんだ。」
「そっか、極力学校生活に影響の無い様にだったわね。
じゃあ、土曜はどんな撮影?」
「俺と絵美の紹介という感じかな、子どもの日の映像と組み合わせて番組の一回目を完成させるそうだよ。」
「二人が主役か…、リアルカップルの活躍、二人の恋を生暖かく見守る人が増えるかもね。」
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